必ずしも全てのEPUB 3が「DAISY」ではない

 支援技術開発機構の濱田麻邑さんがカレントアウェアネスに以下のような記事を投稿しています。EPUB 3とDAISY-AI(DAISY 4)の関係やEPUB 3のもつアクセシビリティ機能について簡潔に説明されていますので必読です。

 EPUBがアクセシビリィな機能を持つフォーマットであることに加え、DAISY-AI(DAISY 4)の配布フォーマットであることも知られるようになりました。しかし、一方で上の記事で濱田さんが以下のようなご指摘をされているように、EPUBで作ったからと言って必ずしもそのコンテンツがアクセシブルなわけではありません。
 

このように多様なアクセシビリティ機能がある一方で、EPUB3に準拠していてもアクセシブルでない電子出版物も製作できてしまうといった課題もある。

 

 EPUB 3というフォーマットは、DAISYが備えるアクセシブルな機能を包含していますので、EPUBでDAISY並のアクセシブルなコンテンツを作ることは可能です。しかし、可能であるというだけでして、EPUB 3で作れば、みんな「DAISY」だ、もしくはDAISY並にアクセシブルであるというわけではありません。「DAISYとEPUBの統合」という部分が強調されすぎて、EPUB 3で作りさえすれば、DAISYと同じアクセシビリティを備えたことになると思われる傾向があるように感じられ、ちょっと心配もしています。

 ウェブサイトがW3CのHTMLの仕様に準拠して作成されたからといって必ずもアクセシブルではないように、EPUBがアクセシブルであるかどうは、作り手がアクセシビリティにどの程度配慮するかに左右されます。EPUBはすでに数多く作成されていますが、アクセシビリティの観点からみればおそらく玉石混合といった状態ではないでしょうか。

epub

 

 EPUBはあくまでアクセシブルなコンテンツをいれることができる器です。しかし、その器に入れるコンテンツをアクセシブルにするのは実際にコンテンツを作る人です。

 EPUBをよりアクセシブルにするためのガイドラインがIDPFから公開されています。このガイドラインを参照して少しでもアクセイブルなEPUBが作られることが望まれます。

どこまで頑張ればDAISY並のアクセシビリティと言えるかという明確な線引きは難しいですが、テキストDAISYから生成されたEPUBでも以下は備えているはずです。
  

  • TTSに対する配慮(読み情報の提供や適切な順序で読み上げられるようコンテンツを作成するなど)
  • 様々なレベルでのナビゲーション(目次、コンテンツの構造化、コンテンツ文書へのセマンティクス、原資料のページ数情報など)
  • 読者の選択肢を制限しない(色、フォントサイズ、レイアウトなどを固定しない)

「コンテンツ文書へのセマンティクスの付与」については以下をご覧ください。

正直、BORN EPUBでは、コンテンツ文書へのセマンティクスの付与が一番抜け落ちそうな気がします。
 

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