ウェブサイトのarchivability(収集しやすさ)をチェックできるArchiveReady

 ウェブサイトのarchivability(収集しやすさ)をチェックできるArchiveReadyというサービスが2012年12月公開されたようです。多くのウェブアーカイブプロジェクトでは、クローラーを使用して自動収集しているはずですので、クローラーで技術的に収集できないものがどうしてもでてしまいます。それを判定するためのオンラインサービスのようです。Vangelis Banos氏の個人プロジェクトです。
ArchiveReady - website archivability testing
http://archiveready.com/

 以下の5つの指標からarchivability(収集しやすさ)を採点してくれるようです。ちなみにここにある”Accessibility”は、いわゆるウェブアクセシビリティのアクセシビリティではなく、sitemap.xmlの有無などウェブサイトの個々のリソースがクローラーにとってアクセスしやすいかということを指しているようです。

  • Accessibility
  • Cohesion
  • Metadata
  • Performance
  • Standards Compliance

 オーストリアで行われたIA Webteam ConfluenceにおけるVangelis Banos氏によるArchiveReadyについての発表資料が公開されています。

あまちゃん(Amazon)の手のひらで踊らされ続けていて辛い

 どうも。kzakzaです。今週であまちゃんが最終回ですが、翌週のあまちゃんレスな日々に耐えられそうですか?私は無理です。春に子どもが生まれまして、めでたく父親になりました。子どもは文字通り、日に日に出来ることが増えていってまして、桜木花道をみる安西先生ではありませんが、はっきりと見てとれる日一日の成長がこの上もない楽しみです。表情も本当に豊かになりました(私のではなく)。
 さて、育児に関しては、いろいろな方面の人生の諸先輩より
赤ちゃんは床に置くと泣く
ある高さより低い位置になると泣く
と生まれる前から聞いていましたのですが、その予告通り、我が子にも背中スイッチと高さセンサーが備わっておりまして、長時間立った状態で子どもを抱いてあやさなけれならないことが結構あります。特に寝てるけど半分は起きている、寝てるけど置くと泣く時には、もっと深い眠りにつくまでじっと待つしかないのですが、両手は塞がっている状態なので、私の首から上が暇になってしまいまして。
 そんなときでも指3本くらいならあいていることが多いので、その状態で(端末を)持つ、(ページを)めくる、が可能なKindle Paper Whiteを結構重宝しています。寝かしつける時は部屋を消灯するので、暗いところで読めるのもいい。今は講談社現代新書の歴史系のタイトルをいろいろと読みあさっています。
 Kindle Paper Whiteでも読むのが辛い場合は、Kindle for iPhoneで読むのですが、端末間のデータが同期されるので、Kindle Paper Whiteで最後に読んだ箇所をKindle for iPhoneですぱっと表示される。状況に応じて端末を変えても無問題。すばらしい。
 アクセシビリティというと、身体的な障害にフォーカスが当てられがちですが、読みたくても読めない状況はだれでもあるはずです。暗いので読めない、両腕がふさがっているので本が持てないという状況などです。そういう状況を当たり前のものと思い、そこで思考停止になっている、なんてことは他にいろいろとあるのでしょうか。「なぜできないのか」という問いかけは常に必要であると乳飲み子を抱えて改めて思う今日この頃です。
 Kindle日本の上陸が1年遅かったら、アマゾンヘビーユーザーの私はこの利便性を享受できなかったわけですが、そう考えると我々の前にある障害が少しずつ取り除かれていると考えるべきなのでしょうか。Amazonの思惑通りにその利便性の上で踊らされていると感じなくはないですが、一方で、市場原理によって利便性が追求された結果として、多くの人にその障害の存在が認知されることもなくいつのまにか解消されるというのは、あり得るべきかも思ったりもしまして。
プラットフォームに囲われて実現するのではなく、オープンスタンダードで分散的に実現されるのが一番良いですが、難しいでしょうか。しかし、オープンでシンプルなスタンダードを組みあわせることで、この世にもう1つの世界を構築させたWebを考えれば、ほとんどのものは不可能ではなかろうとも思うのです。
2013/09/25 追記
まったく本質的ではないのですが、冒頭のあまちゃんのくだりはいらないじゃないか、とか、もしかしてあまちゃんとAmazonをかけているのかというご指摘をいただいたので、後者を採用して、タイトルを「Amazonの手のひらで踊らされ続けていて辛い」から「あまちゃん(Amazon)の手のひらで踊らされ続けていて辛い」に変更しました。

古地図のデジタルアーカイブにOpen AnnotationなアノテーションをつけるMaphubプロジェクト

 今回は、コーネル大学が行っているMaphubプロジェクトの紹介です。古地図のデジタルアーカイブにOpen Annotationなアノテーションをつける実証実験です。

 米国議会図書館から提供された約6000件のパブリックドメインの地図データを使用したデモが公開されています。ここでは、便宜上”Historic Map”を「古地図」と訳しましたが、1990年代の地図も公開されていたりと結構新しい年代の地図も使用されているようです。

 デモサイトでどのようなことができるのかを紹介する動画が公開されています。

Maphub Demo Screencast from slhck on Vimeo.
 詳しくは上の動画をみていただければと思いますが、
範囲を選択して

コメントをつけたり、タグ付けしたり ←(1)

GeoNamesなどのURIと組み合わせて地理参照(georeference)させる、つまり、地理的な識別子を古地図の画像データに付与したり ←(2)

できるようです。
 Open Annotation Data Modelを利用してどのようにアノテーションが表現されているかは以下のドキュメントで紹介されています。

(1)のコメントの付与やタグ付けのモデルは以下になります。

図  Open Annotation Commentarial Annotation
(2)の地理参照(georeference)のモデルは以下になります。

図 Open Annotation Georeference Annotation (Control Point)
以上、ここに掲載した図や画像はMaphub Open Annotation API Documentationからの転載でした。
 Maphubプロジェクトはフェーズ2を終了したところのようで、実証実験の報告書が公開されています。

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