8月 22

W3C Web Annotation Working Group 紹介

日本時間で8月21日にWeb Annotation Working GroupがW3CのDigital Publishing Activityの下に設置されました。早くて9月と聞いていたので思ったよりも早かったですね。

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 このWGは、Open Annotationという名の下に議論されていた「アノテーション」をW3C仕様にするためのWGといってよいものですが、Open Annotationの動向をずっと追っていた私としては、「ついにW3Cの仕様化のトラックにのったか!」と少々感慨深いところがあります。

 Open Annotationについては、「日本よっ!これがOpen Annotationだっ!!」というエントリで一度詳しく紹介したことがありますので、詳しくこちらをご覧ください。このOpen Annotationの延長で、このWGで言うところの「アノテーション(annotation)」を少し紹介するならば、WGでのアノテーションは、英和辞典にある「注釈、注記、注解」よりかなり広い意味で用いられています。例えば、以下のような行動が「アノテーション」に含まれており、日本語で言うところの「注釈」の範囲を超えたものだとお分かりいただけるかと思います。オリジナルコンテンツの真正性を担保しつつ、別のレイヤーとしてオリジナルのコンテンツに付与する付加的な情報をアノテーションを呼んでいると私は理解しています。

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このWGで検討されることはWorking Group憲章に示されていますが、具体的には以下の仕様群を2016年7月までにW3C勧告にすることを目標としているようです。

  1. Annotation Abstract Data Model
    →アノテーションの抽象データモデル
  2. Vocabulary for the Annotation Abstract Data Model→データモデルを記述/定義する語彙
  3. Serializations of the Annotation Abstract Data Model
    →JSON/JSON-LDなど抽象データモデル<のシリアライゼーションのためのフォーマット
  4. HTTP API for Annotations
    →アノテーションをHTTPを通じてアクセス、作成、編集、管理、検索などさせるためのAPI。つまり、サーバーサイドのAPI
  5. Client-Side API for Annotations
    →ブラウザや電子書籍ビュワーなどのリーディングシステムでアノテーションを作成するためのスクリプトインターフェイスとイベント。つまり、4と対になるクライアントサイドのAPIでしょうか
  6. Robust Link Anchoring
    →アノテーションのターゲットにリンクをはるためのメカニズム。テキストは位置をピンポイントで指定するのではなく、範囲を指定したリンクを、メディアはメディアの一部分についてリンクをはれるように。

 1と2は、Community DraftであるOpen Annotation Data Model非公式日本語訳)とOpen Annotation Extension Specificationがインプットとなるようです。Open Annotation Community Groupでは、アノテーションの記述に係るこの1と2の検討のみであったと認識していますが、WGでは3から6も検討されるということで、アノテーションのサーバーを介したやり取りやリンクのはり方など、アノテーションに関係するものがまとめて検討されるんですね。

アノテーションのユースケースについては、すでにEditor’s Draftが公開されています。

  Annotation Working Groupの検討は、電子書籍かWebの文脈で理解されることが多いよう気もしますが、もともと米国の大学や研究機関が推進してきただけに、デジタルアーカイブへのアノテーションの付与もアノテーションのユースケースの主軸であろうと思います(アノテーションもつけられて、それが共有できるようにならないと、デジタルアーカイブの学術利用は難しいよね的な話が意訳すればあったようななかったような)。デジタルアーカイブに対してOpen Annotationなアノテーションをつけるプロジェクトは、このブログでもMaphubを紹介したことがありましたが、Open Annotation Collaborationのサイトをみるといくつかみつけることができます。
 
 また、上のAnnotation Use Casesにあるとおり、アクセビリティ対応目的で補足情報をアノテーションとして提供することも想定されています。例えば、視覚障害者のために画像にそのの説明を録音した音声ファイルをアノテーションとして付与したり、聴覚障害者や音声を再生することができない環境にいるユーザーのためにビデオの内容を文字に起こしたものを付与するといったユースケースが想定されているようです。

EDUPUBの一環でEPUB in Open Annotationという仕様案もIDPFから公開されてますし、アノテーションがこれから熱くなりそう?

8月 21

W3C Web Annotation WG Launched!

W3C Web Annotation Working Groupが立ち上がりました。Digital Publishing Activityの下に設置されました。Open Annotationの仕様がW3Cの仕様化のトラックにのりましたね(そのままOpen Annotation Data Modelが仕様化されるわけではないようですが)。

8月 20

訳しました→DAISYコンソーシアムの音声DAISY的EPUBの作成ガイドライン

 前のエントリで紹介したDAISYコンソーシアムの音声DAISY的EPUBの作成ガイドラインを訳しましたので、公開します。

参考

8月 20

DAISYコンソーシアムが音声DAISY的EPUBの作成ガイドラインを公開

 DAISYコンソーシアムが音声のみのEPUB3出版物(音声DAISY的EPUB)の作成ガイドラインを公開しています。

 音声のみのEPUB3とは、以下の動画をみていただければわかりやすいのですが、DAISYで言えば、音声DAISYに相当するものです。音声DAISYからEPUB3に移行した姿というべきでしょうか。

 DAISYコンソーシアムはDAISYからEPUB3への移行プロジェクトを進めており、このガイドラインもその一環で作成されたものです。

5月のニュースですが、音声DAISYを作るDAISYコンソーシアムのOSS、Obiが3.5アルファ版で音声DAISY的なEPUB3の製作機能を実装しています。制作環境の整備が進められているのですね。

 なお、音声DAISYからEPUB3への変換は、DAISY2.02からでもDAISY3からでもDAISY Pipeline2を使用すれば、現在でも一応可能です。

8月 03

EDUPUB Workshopのアクセシビリティに関する過去の発表スライド

EDUPUB(エデュパブ)は、IDPF、W3C、IMS Globalおよび教科書出版社、デジタル教科書・教材企業、教育関連企業などが推進する、EPUB3によるデジタル教科書の標準化を目的とする活動・プラットフォームです。

 EDUPUBの詳細ははイースト社の下川和男氏の以下のスライドをご参照ください。

 
EDUPUBで検討の対象は、以下のとおりメタデータやビュワー、アノテーションなども含まれており、非常に多岐にわたってします。
プロジェクト名: Educational Profile for EPUB3, QTI Integration, LRMI+a11y Integration, Content Linkage to LTI, Outcomes and Analytics services, EPUB3 Widget Spec & Library, EPUB3 “Discrete Entity” Metadata, Reference implementation of fully, accessible Reading System + EDUPUB features (inc MathML!), UAAG 2.0 review: RS perspective, Establish forum for assessment/STEM, Open Annotations for EPUB
from [PDF]“Key Work Areas moving forward” presentation

 EPUPUBは、教育分野のコンテンツの配布や利用に深く関わってくるため、アクセシビリティの担保が大前提とされています。EDUPUBの推進が、電子教科書だけではなく、電子書籍全般のアクセシビリティの向上に寄与することをとても期待しています。

 EPUPUBではワークショップが以下のように過去に3回開催されおり、この9月には第4回目が東京で開催されることになっています。

 上のワークショップで特にアクセシビリィに特化した発表及び発表スライドを一覧してみました。なお、EPDUPUBでは、上で述べたようにアクセシビリティの担保が当然とされていますので、以下で挙げた以外の発表、例えば、メタデータやセマンティクス、ビューワーの発表のところでアクセシビリィについて触れられている可能性があります。

EDUPUB Europe 2014(June 19, Oslo, Norway)

このワークショップでは、発表資料がまだ公開されていないようです。タイトルから判断するに、Liddy Neville氏(La Trobe University)の”SC36 Individualized Accessibility”がアクセシビリティに関係する発表のようです。

EDUPUB2 Workshop(February 12-13 2014, Salt Lake City, USA)

EDUPUB Accessibility Recommendation by Rich Schwerdtfeger, IBM


[PDF]EDUPUB Accessibility Recommendation: yb Rich Schwerdtfeger, IBM

MathML Cloud Prez by Gerardo Capiel, VP of Engineering at Benetech by Gerardo Capiel, VP of Engineering at Benetech

Discovering Accessible Educational Resources via Schema.org and the Learning Registry


 
 このスライドについては、このブログの以下のエントリも参考になるかもしれないです。

EDUPUB1(October 29-30,Boston,USA)

The Need for a Library of Open Source Accessible Interactive EPUB 3 Widgets by TV Raman, Research Scientist Google+Gerardo Capiel and VP Engineering Benetech


[PDF]The Need for a Library of Open Source Accessible Interactive EPUB 3 Widgets by TV Raman, Research Scientist Google+Gerardo Capiel and VP Engineering Benetech

Creating accessible fixed layout EPUB 3 for schools and colleges by Dr Gerald Schmidt, Acting Senior Platform Manager, ebooks-Pearson Schools and Colleges, UK


[PDF]Creating accessible fixed layout EPUB 3 for schools and colleges

Ensuring Accessible Multimedia in EPUB Documents by Geoff Freed, WGBH

スライドの公開なし。

LRMI and Accessibility Metadata for Discovery of Accessible Ed Resources by Michael Jay, Education Systemics and LRMI Gerardo Capiel, VP Benetech


LRMI and Accessibility Metadata for Discovery of Accessible Ed Resources

Accessibility as the Key to Etextbook Integration by Robert Martinengo, Publishing Services


[PDF]Accessibility as the Key to Etextbook Integration

Standardizing Textual Descriptions of Interactive Graphics by Kyle Keane, PhD Research Programmer


[PDF]Standardizing Textual Descriptions of Interactive Graphics