7月 12

EUがマラケシュ条約に批准にむけた法整備をほぼ終える

 欧州議会は以下の規則(REGULATION)と指令(DIRECTIVE)を2017年7月6日に採択して、EUとしては、必要な法整備はほぼ終えたらしい。あとは、指令(DIRECTIVE)に基づいて加盟国が国内法の法整備をしていくことになる (期限はEU官報掲載後から12ヶ月以内)。
 マラケシュ条約については、批准の主体が各加盟国ではなく、EUであるということが、欧州裁判所の判決ででている(参考 :IP Watch記事)ので、EUが批准すればEU加盟国はすべてマラケシュ条約の加盟国になる。EUの批准の時期は、加盟国の国内法の整備後でしょうか(そうなると1年後)。
 
 EUのマラケシュ条約批准に向けた動きそのものは各方面で歓迎されていますが、権利者に補償金を支払うスキームにしてしまったようで、それについては、当事者団体やIFLAなどから懸念が示されているというか、反発されているらしい(例えば、欧州盲人連合の声明[PDF]など)。

規則(REGULATION)
Texts adopted – Thursday, 6 July 2017 – Cross-border exchange between the Union and third countries of accessible format copies of certain works and other protected subject-matter for the benefit of persons who are blind, visually impaired or otherwise print disabled ***I – P8_TA-PROV(2017)0313

指令(DIRECTIVE)
Texts adopted – Thursday, 6 July 2017 – Permitted uses of certain works and other protected subject-matter for the benefit of persons who are blind, visually impaired or otherwise print disabled ***I – P8_TA-PROV(2017)0312

 以下は上についての欧州議会のプレスリリースとIFLAブログ、IP Watchの記事。

 EUの規則と指令については以下などを参照。

3月 12

著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめで示された障害者の情報アクセスに関する著作権法改正の方向性

 いろいろなメディアで報道もされているので、もういまさらという感じですが、2月24日の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会(第6回)で中間まとめがまとめられ、次の著作権法の改正の方向性が示されています。

 現在、中間まとめはパブコメにかけられています。報道によれば、改正法案が国会に提出されるのが、早ければ今開催されている通常国会でとのこと。果たして間に合うのか(ここに乗るかどうか。→第193回国会での内閣提出法律案一覧 / 内閣法制局)。

 図書館に関係するところがてんこ盛りで全てここで紹介することはできませんので、ここでは、障害者サービスに関係する障害者の情報アクセスに限定して紹介します。中間まとめについては、facebookの次のグループで図書館関係者が詳しく紹介さしていますので、こちらをご参照ください。

経緯

 今回、示された障害者の情報アクセスに関する法改正は、2016年9月に発効したWIPOの「盲人,視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約(マラケシュ条約)」の批准のための法整備の一環でもあります。マラケシュ条約の批准に向けた著作権法の改正については、平成26年度から著作権分科会法制・基本問題小委員会(当初は国際小委委員会)で検討がなされていましたが、平成26年度のまとめ[PDF]の以下にあるとおり、権利者団体と障害者団体の意見の隔たりがあるため、平成27年度以降は、文化庁が間に入る形で権利者団体と障害者団体の間で協議が続けられていました。今回の中間まとめでは、その関係者協議での一定の結論が示されています。

(「平成26年度法制・基本問題小委員会の審議の経過等について」1ページより)
障害者団体からは、マラケシュ条約の締結に必要な手当の他、視覚障害・聴覚障害等に係る多岐にわたる要望が寄せられた一方、権利者団体からは、マラケシュ条約の締結に必要な手当については前向きな反応があったものの、その他の要望事項については、反対若しくは慎重な立場が示され、両者の意見にかなり隔たりがあることが明らかとなった。障害者団体からは、マラケシュ条約の締結のために必要な最低限度の法改正だけを先行するのではなく、障害者の情報アクセスの充実の観点から、その他の要望事項についても併せて所要の措置を講じてほしいとの意向が示されたことから、主査より、まずは両者の意見集約に向けた取組を行った上で、改めて小委員会で検討を行うよう提案がなされた。

 関係者協議の経緯は今回の法制・基本問題小委員会(第6回)の資料として付されている以下でも伺うことができます。

法改正の方向性

 障害者の情報アクセスに関する著作権法改正の方向性については、「第3章 障害者の情報アクセス機会の充実」にまとめられています。改正する方向で示されているものは、主に以下の3点です。

  1. 第37条第3項における受益者の範囲に身体障害などにより読字に支障がある者を含めることを明文化
  2. 第37条第3項により認められる著作物の利用行為に公衆送信(メールによる提供)を追加
  3. 第37条第3項により複製等を行える主体の拡大(ボランティア団体の追加及び文化庁長官の個別指定に係る事務処理の円滑化)

 全て著作権法第37条第3項に関係するところなので、第37条を先に転載しておきます。

(視覚障害者等のための複製等)
第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。
2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
3  視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

1. 第37条第3項における受益者の範囲に身体障害などにより読字に支障がある者を含めることを明文化

 
 著作権法第37条第3項の受益者として定義されている「視覚障害者等」は、「視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者」と定義されており、視覚表現の認識に問題があるものに限定されるようによめ、肢体不自由などの理由でページがめくれない、もてない、姿勢が維持できないという理由で紙の書籍を読めない者が含まれているかどうか条文の分理上明らかではありません。

 図書館関係団体と権利者団体がまとめた「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37 条第3 項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」」では、上記の肢体不自由者も含むようになっており、また、マラケシュ条約で受益者される範囲にも含まれることから、「身体障害等により読字に支障のある者を加えるための所要の規定の整備を行うことが適当」としています。

(中間まとめ46ページより)
我が国において効力を発生している障害者権利条約においては,「締約国は,国際法に従い,知的財産権を保護する法律が,障害者が文化的な作品を享受する機会を妨げる不当な又は差別的な障壁とならないことを確保するための全ての適当な措置をとる。」とされている。
こうした国際条約上の義務の履行という観点のほか,身体障害等により読字に支障がある者と,視覚障害等により視覚による表現の認識に障害がある者との間で情報アクセスの機会における差異を設けるべき合理的な理由は認められない。
加えて,権利者団体からもマラケシュ条約の締結に必要となる規定の整備については前向きな反応が示されており,実務上も権利者団体の理解のもとで作成された法第37条第3項に基づく複製等に関するガイドラインに基づき身体障害等により読字に支障のある者のためにも複製等が行われているところである。
これらのことを踏まえれば,法第37条第3項における受益者の範囲について,身体障害等により読字に支障のある者を加えるための所要の規定の整備を行うことが適当である。

2 第37条第3項により認められる著作物の利用行為に公衆送信(メールによる提供)を追加

 第37条第3項では、図書館等の複製の主体は受益者である視覚障害者等に自動公衆送信(提供側がサーバーにコンテンツを上げておいて、利用者がそれをダウロードする)は認めていましたが、公衆送信(提供側が利用者にメールによって提供する)ことは認められていません。しかし、パソコンの利用に習熟していないために、アカウントを取得して、サービス提供側のウェブサイトにアクセスして、ダウンロードする操作をすることが困難な人が多い問題がありました。しかし、メールの送受信はそれと比べ、利用できる人が多いため、図書館等が行うメール送信サービスによりアクセシブルな形式となった著作物を視覚障害者等に対して送信することも含めることを求める要望があがっていました。今回の中間まとめでは、「図書館等が行うメール送信サービスがダウンロード型のサービスに比べて権利者により不利益を与え得るとは評価できないことから、法第37条第3項における権利制限の対象とすることが適当」と整理されています。

 サーバーを設置してダウンロードサービスを提供できるところは限られてしまいますので、メールで直接提供できるようになることは、提供側にとっても大きいですね。

(中間まとめ46ページより)
関係者間協議において,権利者団体からは,既に自動公衆送信を行うことが権利制限の対象になっていることに鑑みれば,メール送信サービスについても権利制限の対象としても良いと考えられるが,送信されるコンテンツが健常者にも利用可能な状態に置かれないように留意する必要があるとの意見が示され,これに対し障害者団体からは,図書館等が行うメール送信サービスは,録音図書などとともに暮らしに関わる情報を視覚障害者等に送信するものであって,送信の対象は法第37条第3項に定められている受益者に限られており,健常者への送信は法の範囲を超えるものなので,そうしたことが起きないよう普及・啓発を図っていきたい,との意見が示された。
その上で,関係者間協議においては,現在の法第37条第3項では自動公衆送信を行うことが権利制限の対象となっている一方,図書館等が行うメール送信サービスがダウンロード型のサービスに比べて権利者により不利益を与え得るとは評価できないことから,法第37条第3項における権利制限の対象とすることが適当であるとの整理に至っている。こうした整理は妥当なものと考えられ,障害者団体より図書館等が行うメール送信サービスという具体的なサービスの態様が示されていることからすれば,法第37条第3項に基づき図書館等がメール送信サービスを行うことができるよう,所要の規定の整備を行うことが適当である。

複製等を行える主体の拡大

 著作権法第37条第3項に基づいて受益者だる視覚障害者等のために複製を行える主体は、著作権法施行令第2条で限定列挙されています。限定列挙されていない機関・団体については、個別に文化庁長官が個別に指定する仕組みになっています。障害者関係施設等の視覚障害者等が入所する施設や図書館等は、複製の主体として限定列挙されていますが、録音図書や拡大図書の作成等を行っているボランティア団体は、列挙されていません。そのため、ボランティア団体が著作権法第37条第3項に基づいて録音図書などを製作しようとする場合は、図書館等の手足という形で行うか、文化庁長官の個別指定を受ける必要がありました。ボランティア団体の中には、図書館等の手足としてではなく独自に音訳に取り組むものも多いため、複製の主体として限定列挙に含めるよう要望が出されていました。
  
 関係者協議の結果、「権利者の利益を不当に害さないための一定の条件を課した上で,現行制度よりも簡易な方法で複製等を行うことができる主体になり得ることができるようにするための所要の措置(例えば,一定の類型については個別に文化庁長官の個別指定を受けずとも主体になり得るよう政令に規定する等)を講じることが適切」という結論を出しています。

 「一定の条件」を著作権法施行令で解釈の迷いなく判断できるように明記できるのかが気になるところです。中間まとめの注98にあるように、関係者協議では「関係者間協議においては,利用者の登録制度を具備していることや,団体における事業責任者が著作権法に関する基礎的な講習を受講していることなどが考えられる」という議論があったようです。

 あわせて、文化庁長官の個別指定を受ける手続を負担に感じて尻込みしてしまうボランティアグループが少なくないことから、「文化庁長官による指定を受けるための手続に関する改善の要望等があれば,文化庁において対応を検討することが適当」 と、個別指定をうける手続きの改善についても言及されています。
 
 複製の主体については、大学について、「大学等の図書館及びこれに類する施設」 が限定列挙され、大学図書館が該当することは明記されていますが、以前、以下に書いたように、障害学生に支援を行っている障害学生支援室が含まれるかどうかは解釈が定かではないので、このタイミングでそれもわかるようになるとよいなぁと思います。

(中間まとめ47ページより)
関係者間協議において,権利者団体からは,要望には基本的に賛成するものの,主体を無制限に拡大することには慎重であるべきであり,個別指定ではなく,より緩やかな仕組みを採る場合は,主体が守るべき要件を定める等の何らかの制度整備が必要であるとの意見が示された。
法第37条第3項に基づき複製等を行うことができる主体を制限列挙する令第2条第1項第1号は,ⅰ視覚障害者等向けの情報提供事業を組織的に実施し得る者であること,ⅱ(健常者への流出防止等に配慮した)一定の法令順守体制が確保されていること,ⅲ外形的に権利制限規定の適用となる主体か否かが確認できること,といった共通点を持つ主体を挙げているものと考えられる。
この点,障害者団体からは,ボランティアグループ等が障害者のための録音図書等の作成に果たしている役割は,令第2条第1項第1号で制限列挙されている事業者と比べても劣らない,若しくはより大きいと認められる場合もあるとの意見が示された。
特に,拡大図書やDAISY等は,平成21年の著作権法改正により新たに権利制限規定の対象となったことから,十分な量の図書が提供できていないという事情がある中で,これらのボランティアグループ等が法第37条第3項の規定に基づき拡大図書やDAISY等を作成することができるようになると,視覚障害者等に対しこれらのアクセシブルな図書をより一層普及させることができるものと考えられる。
こうしたことに鑑みれば,現行制度を見直し,ボランティアグループ等についても,上記ⅰ~ⅲに整理したような共通点も踏まえ,権利者の利益を不当に害さないための一定の条件を課した上で,現行制度よりも簡易な方法で複製等を行うことができる主体になり得ることができるようにするための所要の措置(例えば,一定の類型については個別に文化庁長官の個別指定を受けずとも主体になり得るよう政令に規定する等)を講じることが適切である。

 

 なお、中間まとめは、複製の主体の拡大に関連して、権利者団体側より、複製の無制限の主体の拡大は「粗悪な音訳図書の流通につながり,文学作品をより良い状態で鑑賞できる機会が失われる」という懸念が示され、音訳サービスの質を担保する制度が必要だという意見が出ていることにも言及しています。音訳の質の問題について中間まとめは、著作権法第37条第3項は「音訳の質を確保するための体制を有することまでは求められていないものと解されることから,主体の拡大に当たって新たにこうした体制を求めることは適当ではない」とし、(権利者団体、障害者当事者団体、図書館等の)「当事者間での協力の発展による音訳サービスの質の向上が望ましい」という結論を出しています。

4 その他

 放送番組に対するアクセス環境の改善のための法改正についても障害者団体から要望が挙げられていましたが、「権利制限規定の必要性及び具体的な制度設計の在り方については、現時点では両当事者において十分な認識の共有及び意見の集約がなされるには至っていない」として、引き続き検討が継続されることになりました。

9月 02

IFLAの障害者サービスに関する2つの分科会

IFLA(国際図書館連盟)には、障害者サービスに関係する以下の2つの分科会(Section)があります。

特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(IFLA/LSN)

概要

 生活状況や身体障害、精神障害などで、通常の図書館サービスや図書館資料を利用をすることができない人に焦点を当てています。日本でいうところの「障害者サービス(図書館利用に困難がある人々に対するサービス)」と、ほぼ同じ範囲を対象としています。具体的には、聴覚障害者などの身体障害者だけではなく、ディスレクシアのある人、認知症のある人、入院患者、受刑施設に入所している者、ホームレスの人、看護施設に入所している人などが対象です。

この分科会は、聴覚障害者、ディスレクシアのある人、認知症のある人、入院患者、受刑施設に対する図書館サービスガイドラインや「読みやすい図書のためのIFLAガイドライン」など様々なガイドラインを作成しています(→ “Publication“)。

概念的には視覚障害者なども対象に含まれるはずですが、プリントディスアビリティのある人は後半で紹介する「印刷物を読むことに障害がある人々のための図書館分科会(IFLA/LPD)」とある程度の棲み分けがなされていると思います。とはいえ、完全に棲み分けられるわけではないので、対象が重複しているところは当然あります。また、IFLA/LPDとの連携もよくなされているらしい。

 この分科会は、IFLAが創設されて4年後の1931年に病院図書館(患者図書館)小委員会(Sub-committee on Hospital Libraries)として創設されています(IFLAの7番目の小委員会。特定のユーザーに対する図書館サービスに焦点を当てた最初の小委員会)。入院患者には障害のある人々もいるということにから、対象が徐々に拡大されていったようです。経緯はDINFが日本語訳を掲載していますが、「特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会の歴史的概観」がわかりやすい。

分科会は同年、病院図書館(患者図書館)小委員会(Sub-committee on Hospital Libraries)として創設され、その使命は、入院中の人々、つまり病院に閉じ込められているがために、通常の図書館資料を利用できない人々に対する、専門的な図書館サービスの促進であった。本と読書を治療を助ける手段として利用する読書療法は二の次だった。しかし小委員会はすぐに、入院の直接的な原因ではないことが多いさまざまな障害のために、感覚補助具・運動補助具などが使用できる特別な資料や特別なサービスを必要としている患者がいることに気づいた。このようなニーズはまた、さまざまな理由により外出ができない、地域の人々にも認められることが明らかになった。このニーズを憂慮し、多種多様な委員を抱えているがために問題解決に取り組みやすい立場にあった小委員会では、理由は何であれ従来の図書館や資料、サービスを利用できない人々を対象として含めるべく、長い時間をかけて焦点を拡大していった。
from 「特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会の歴史的概観」 序論

関連

変遷

1931年8月29日 病院図書館小委員会(Sub-committee on Hospital Libraries)
1952年 病院図書館委員会(Committee on Hospital libraries)
1964年(1962年?) 病院図書館小分科会(Hospital Libraries Sub-section)

1964年にIFLAは新規約 55 を採択。その際に分科会(Section)と小分科会(Sub-section)が設けられ、病院図書館委員会は、公共図書館分科会(Public LibrariesSection)の中の小分科会となる。なお、別の資料(PDF)で1962年という記載もあり。

1966年 病院内の図書館小分科会(Libraries in Hospitals Sub-section)
1977年 入院患者および障害のある読者に対する図書館サービス分科会(Section on Library Services to Hospital Patients and Handicapped Readers)

「一般市民にサービスを提供する図書館部会(Division of Libraries Serving the General Public)」に所属する分科会。

1984年 図書館利用において不利な立場にある人々へのサービス分科会(Section of Libraries Serving Disadvantaged Persons : LSDP)
2008年 特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(Library Services to People with Special Needs Section : LSN)

参考

印刷物を読むことに障害がある人々のための図書館分科会(IFLA/LPD)

概要

視覚障害やディスレクシアなどの印刷物を読むことに障害がある人々、つまり、プリントディスアビリティのある人々に焦点を当てた分科会です。以下の経緯にもあるように、上で紹介したIFLA/LSNの前身となる分科会から分離独立した分科会で、当初は視覚障害者を対象としていましたが、2008年に対象をプリントディスアビリティに拡大しています。
 IFLAは、「盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約」の成立に向けて動いた強力な推進機関の1つですが、その中心になっているのがこの分科会です。

また、DAISYの歴史とも、かなり深い関係を持っています

関連

変遷

1977年 盲人、身体障害者に対する図書館サービスのための国際連携のためのワーキンググループ(Working Group for the international coordination of library services for blind and physically disabled individuals)

病院内の図書館小分科会(Libraries in Hospitals Sub-section)の下に設置。

1978年 盲人図書館ワーキンググループ(Working Group of Libraries for the Blind)

病院内の図書館小分科会(Libraries in Hospitals Sub-section)の下に設置。

1979年 盲人図書館ラウンドテーブル(Round Table of Libraries for the Blind)

病院内の図書館小分科会(Libraries in Hospitals Sub-section)の下に設置。

1983年 盲人図書館分科会(Section of Libraries for the Blind : SLB)

病院内の図書館小分科会(Libraries in Hospitals Sub-section)から独立。

2003年 盲人図書館分科会(Libraries for the Blind Section : LBS)

日本に訳してしまうと同じ「盲人図書館分科会」になってしまいますが、IFLAの分科会名のフォーマットにあわせるための名称変更のようです。

2008年 印刷物を読むことに障害がある人々のための図書館分科会(Libraries Serving Persons with Print Disabilities Section : LPD)

参考

6月 24

視覚障害者等にデータ配信サービスを提供する日本の電子図書館サービスの歴史

 著作権法第37条第3項でいうところの「視覚障害者等」、つまり、視覚障害その他の理由で印刷物を読むことに困難のある人(プリントディスアビリティのある人)を対象に、点字データやDAISYデータなどのデータをダウンロードできるサービスを提供している電子図書館サービスが、大きなところで日本では現在、以下の2つ存在します(データ数でいえば、サピエ図書館が圧倒的に大きいのですが)。

 この障害者向けのデータをダウンロードできる電子図書館サービス、日本ではIBMが点訳用ソフトの開発とともに、点字データを共有するサービス「IBM てんやく広場」を1988年に始めたところまで遡ります。
 
 そのてんやく広場から現在に至るまで、システムの名前が変わったり、新たに現れたり、統合したりといろいろと経緯を経て現在に至っているわけですが、その経緯をまとめた図を作成しました。総合目録データベースを提供する電子図書館サービスも含めると、NDLの点字図書・録音図書全国総合目録を入れたり、日本点字図書館のNITを入れたりと図がかなり複雑になるので、今回は省略しました。ですので、以下の図では、NDLの視覚障害者等用データ送信サービスが唐突に2014年に出てきた感じになってしまいました。

電子図書館サービスの経緯をまとめた図です。時系列に1988年 IBMてんやく広場、1993年てんやく広場(運営がIBMから日本盲人社会福祉施設協議会に移ったことによる改名)、1998年 ないーぶネット(てんやく広場から名称を変更)、2004年 びぶりおネット(日本点字図書館と日本ライトハウスによるDAISY配信サービス)、2010年 サピエ図書館(ないーぶネットとびぶりおネットの統合、2014年 NDLの視覚障害者等用データ送信サービス

最後のNDLからサピエ図書館への「システム連携」の矢印は、NDLとサピエ図書館のシステム連携によって、NDLが提供するデータもサピエ図書館を通じて利用することができることを意味しています。

参考リンク

関連エントリ

4月 09

4年ぶりに文部科学省で障害のある学生の修学支援に関する検討会が開催

 文部科学省で障害のある学生の修学支援に関する検討会が4年ぶりに開催されるそうです。1回目は4月19日。4年ぶりって・・・。

  平成24年度の検討会でまとめられた報告(第一次まとめ)は、大学における障害者差別解消法への対応の検討の歳に、もう少し具体的にいえば、対応要領の作成の際に大きく影響を与えたようですが、今年度の検討会ではどのようなテーマで検討がなされるのでしょうか。

参考

2月 07

マルチメディアDAISYを普及させるための方法としていくつか

 音声とテキストを保持し、音声が読み上げる箇所のテキストをハイライトするマルチメディアDAISYが視覚障害やディスレクシアなどの様々な理由で読書に困難のある人にたいして幅広く有効であることは形式であることは疑いないところですが、テキストと音声それぞれをつくり、さらにそれを掛け合わせる必要があり、製作コストがそれなりにかかるため、普及しているとは言えない状況です。しかし、少しでも(可能であれば、商業ベースで)普及させるために、図書館としてこういう手立ては取り得るんじゃないかと思うところを思いつきで何点か。書いていて、マルチメディアDAISYに限定されるものではないかなと思いましたが。
 

1 アクセシブルな電子書籍の要件をまとめたガイドラインを作成する

  • 最終的にはマルチメデァアDAISYにたどり着くようなアクセシブルな電子書籍製作のためのガイドラインを作成する。
  • そもそも「アクセシブルな電子書籍」に対する関係者の認識に相違がかなりある。その相違を解消し、「アクセシブルな電子書籍」の要件を様々な領域がわかるようにするために要件をまとめたガイドライン。いろいろな業界の関係者を巻き込んで作成すれば、このガイドラインを作成するプロセスそのものがアクセシブルな電子書籍と何かというコンセサンスを形成するはず。
  • ガイドラインは、全ての要件を平たく挙げるのではなく、要件の優先順位を示す。たとえば、等級Aの要件を満たせば、スクリーンリーダーで読み上げさせれば誤読がありうるが、それでも読み上げさせることができるもの、等級AAAであれば、肉声の音声と同期したマルチメディアDAISYか、誤読がないようにSSMLを埋め込んだ電子書籍などになるなど。
  • アクセシブルなテキストDAISYライクな電子書籍も十分に出ていない状態で、出版社にいきなりマルチメディアDAISY作ってほしいと要望を出しても難しいと思う。そこで、まずはアクセシブルなテキストDAISYから目指す(ボランティアベースでマルチメディアDAISYを製作するにしても、紙の書籍からマルチメディアDAISYを作るよりは、テキストDAISYからマルチメディアDAISYを作る方がコストは安く押さえられるはず)。

ガイドラインの作成については、以下でまとめたことがあります。

2 マルチメディアDAISY普及のための団体を図書館の外に立ち上げる

  • 理解のある出版社あるいは出版関係者を巻き込んでマルチメディアDAISY普及のための団体を立ち上げる。
  • 様々な業界におけるマルチメディアDAISYの橋頭堡となるべき団体があるべきだと思う。
  • その団体で商業ベースでマルチメディアDAISYを出版するにはどうすればよいか研究したり、定期的に啓発イベントを行ったりする。
  • 出版社という組織ではなく、まずはその中にいる編集者に興味を持ってもらい、働きかける。そのためには、こういう団体が存在するほうがよいのではないか。
  • 岩田美津子さんがたちあげた「点字つき絵本の出版と普及を考える会」という団体はロールモデルになるのではないか。

3 技術者をもっと巻き込む

  • アクセシビリティに関心のある技術者や研究者は多い。また、技術的にやれる余地はかなり残されているのではないかと思う。著作権法第37条クラスタが抱えている問題をもっとオープンにして様々な技術者や研究者が参加しやすい体制を。
  • 例えば、青空文庫は、こんなに困っているんですということをアピールでアイデアソンを開いて、幅広い技術者の関心を集めた。こういう手法はもっと採用されるべき。
    青空文庫を救え!「Code for 青空文庫」アイデアソン #1 レポート ‪#‎aozorahack‬

4 オーディオブック関係者/団体との連携を図る

  • 商業ベースでマルチメディアDAISYを出版させるビジネスモデルとしては、米国のアマゾンのImmersion Readingがやっているような、オーディオブックとKindle図書を別々に販売し、両方を購入した人にはその両方を掛け合わせて、マルチメディアDAISY機能として利用できる方法はかなり有効ではないか。
    Kindleで洋書を読むならImmersion Readingを使ってみよう
  • オーディオブック業界とはもっと連携を図って、図書館側の要望を伝えてもよいのではないか。ユーザー側の意見として
11月 25

障害者差別解消法と図書館サービス 1 -そもそも障害者差別解消法とは-

 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称:「障害者差別解消法」)は、合理的配慮の提供などを義務づけ、障害者の権利の保障と実質的平等を確保することを目的として具体的な措置や義務を定めた法律で、2016年(平成28年)4月に施行を予定しています。
 
 エントリを何回かに分けて、この法律と図書館サービスとの関係を整理してみたいと思います。

1. この障害者差別解消法成立の背景

 後でも少し触れる「障害者の権利に関する条約」(通称:障害者権利条約)批准のための法整備の一環として制定されたものです。2013年6月に障害者差別解消法と障害者雇用促進法の改正法が成立したところで、2014年1月に日本政府は障害者権利条約に批准しています。

2006年12月 「障害者の権利に関する条約」(通称:障害者権利条約)採択
2011年8月  障害者基本法の改正(公布・施行)
2012年6月  障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)の成立
2013年6月  障害者差別解消法の成立・障害者雇用促進法の改正
2014年1月  日本が障害者権利条約を批准

 この障害者差別解消法は、2011年8月に改正された障害者基本法の第四条(以下)を具体化するために制定されたものです。

(差別の禁止)
第四条  何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
2  社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。
3  国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。

つまり、国際条約である障害者権利条約から、以下のように

障害者権利条約
  ↓
障害者基本法
  ↓
障害者差別解消法

という流れで、「障害を理由とする差別」を解消する措置が、具体化され、義務化されています。ですので、障害者差別解消法を理解するためには、障害者基本法と障害者権利条約も必要に応じて参照しなければなりません。

 例えば、用語の定義ですが、以下のように、「合理的配慮」、「障害に基づく差別(障害を理由とする差別)」、「障害者」などの重要なキーワードが、障害者権利条約と、障害者基本法・障害者差別解消法のいずれかにしか定義されていません。もちろん障害者権利条約、障害者基本法、障害者差別解消法はそれ単体で成立する独立したものであるため、それぞれで理解できるようになっていますが、より深く理解するためには必要に応じて、障害者権利条約で定義されたものを参照する必要があります。

障害者権利条約 障害者基本法 障害者差別解消法
障害に基づく差別(障害を理由とする差別) 定義有り 定義無し 定義無し
合理的配慮 定義有り 定義無し 定義無し
障害者 定義無し 定義有り 有り
社会的障壁 定義無し 定義有り 定義有り
ユニバーサルデザイン 定義有り 定義無し 定義無し
意思疎通 定義有り 定義無し 定義無し
言語 定義有り 定義無し 定義無し

2. 「障害を理由とする差別」とは何か

 「障害を理由とする差別」については、障害者権利条約 第二条の定義のところで以下のように定義されています。

障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む。 (障害者権利条約 第二条 定義 「障害に基づく差別」より)

 
 「障害を理由とする差別」は、障害者の基本的人権を侵害する者であり、それには「合理的配慮の否定を含む」とあるように、合理的配慮を提供しないことも含まれています。これが障害者差別解消法では、以下のように

(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)
第七条 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

 

「障害を理由とする差別」は以下のように区別して整理されています。「障害者の権利利益を侵害することとならないよう」とあるように合理的配慮の不提供が、障害者権利条約の考え方を受けて障害者の権利権益を侵害するものとして規定されているところは重要です。

  • 障害を理由とする不当な差別的取扱い
  • 合理的配慮の不提供

3. 障害者差別解消法における「障害者」とは

 では、「障害者」とは?ということになります。障害者基本法及び障害者差別解消法では、以下のように定義され、障害者手帳保持者に限定されません。また、障害は社会的障壁と相対することで生じるものとするいわゆる「社会モデル」の考え方に基づいた定義となっており、障害者差別解消法はこの「社会的障壁」の除去を目的としたものと言えます。

身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。(第二条)

 

医学モデルと社会モデル
医学モデル
機能障害機能障害(impairment)= 障害(disability)。つまり、機能障害(impairment)を障害(disability)の原因と見なす考え方
社会モデル
機能障害(impairment)×社会的障壁= 障害(disability)。つまり、機能障害(impairment)と社会的障壁(つまり、その機能障害に社会が対応できていない状況)が相対する時に障害(disability)が発生するという考え方

4. 障害者差別解消法によって具体的な措置が義務付けられている機関

 障害者差別解消法が障害者の権利の保障と実質的平等を確保するために各機関に義務付けている大きな柱が以下の4つです。

  • 障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止(第七条第一項、第八条第一項)
  • 環境の整備(事前的改善措置)(第五条)
  • 合理的配慮の提供(第七条第二項、第八条第二項)
  • 職員向け対応要領の作成・公開(第九条、第十条)
  •  

     上について具体的な措置を義務づけている対象は以下の通りです。

    • 行政機関等
      • 国の行政機関
      • 独立行政法人等
      • 地方公共団体
      • 地方独立行政法人
    • 事業者(商業その他の事業を行う者)

     
     そして、図書館は以下のように割り振られます。

    • 公共図書館:「地方公共団体」
    • 国立大学の大学図書館:「独立行政法人等」※
    • 公立大学の大学図書館:「地方独立行政法人」
    • 私立大学の大学図書館:「事業者」
    • 私立の図書館: 「事業者」
    • 学校図書館: 運営主体による

    ※国立大学法人は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律施行令」によって「独立行政法人等」にあたることが規定されます。

     結論から申せば、上の4本柱は以下のように義務付けられています。

    (行政機関等)
    公共図書館
    公立大学図書館
    (行政機関等)
    国立大学図書館
    (事業者)
    私立大学図書館
    不当な差別的取扱いの禁止 義務 義務 義務
    環境の整備 努力義務 努力義務 努力義務
    合理的配慮の提供 義務 義務 努力義務
    対応要領の作成・公開 努力義務
    (設置主体である地方自治体全体に対する努力義務)
    義務
    (国立大学法人全体に対する義務)

    詳細はまた次回に。

    次回以降の更新予定
    障害者差別解消法と図書館サービス 2 -合理的配慮の考え方-
    障害者差別解消法と図書館サービス 3 -セットで考える合理的配慮、環境整備、そして、不当な差別的取扱いの禁止-
    障害者差別解消法と図書館サービス 4 -障害者差別解消法と図書館サービス-
    障害者差別解消法と図書館サービス 5 -(おまけ)障害者差別解消法に係る職員向け対応要領の作成と公開について-

    11月 02

    大学の障害学生支援室が著作権法第37条第3項の複製の主体に該当するかについての文化庁著作権課の見解

     著作権法第37条第3項では、著作権法施行令で定められた施設は視覚障害その他の理由で読書に困難のある人々のために著作者の許諾なく複製が行えるという権利制限が規定されています。大学については、著作権法施行令第二条第一項第一号ロにおいて、

    大学等の図書館及びこれに類する施設

    が複製の主体(著作権法第37条第3項に基づく複製が行える機関)として規定されています。

     大学図書館が複製の主体に含まれることは間違いありません。しかし、「これに類する施設」に何が該当するかという点です。

     現状として、視覚障害など障害のある学生のために著作物のテキストデータの作成は、ほとんどの大学で障害学生支援室のような学生支援部局が行っており、大学図書館でそれを行っているところは立命館大学図書館などのごく少数の例外を除き、ほとんどありません。

     大学図書館は著作権法第37条第3項の規定に基づいて著作物の複製が行えますが、障害学生支援室が、上の「これに類する施設」に該当するとは文字だけでは解釈できないために、障害学生支援室は、著作権法第30条に基づき、学生の私的複製(手足理論)という形でしか著作物を複製することしかできなかったのではないかと思います。この場合、学生の私的複製という形ですので、テキストデータを作成しても、製作を依頼した学生にしか渡すことしかできず、同じ著作物のテキストデータをリクエストした他の学生への提供も大学間で相互貸借や共同利用ができません。

     ちなみに、大学として、著作物のテキストデータ(「教材のテキストデータ化」)の作成をしているところは、以下の日本学生支援機構の平成26年度の調査によれば、89の大学が実施しています。

     各大学でどれだけの数が製作されているかまではこの調査ではわかりませんが、これだけの数の大学で製作したテキストデータの共同利用が進んでいないということは、非常にもったいないことだと思います。これについて、平成24年度に文部科学省が立ち上げた「障がいのある学生の修学支援に関する検討会」でも議論され、報告書でも言及されています。

     他の学生への提供も大学間で相互貸借や共同利著作権法第37条第3項に基づく複製であれば可能です。障害学生支援室が「これに類する施設」に該当する施設という解釈がはっきりすれば、各大学が作成したテキストデータなどの共同利用が一気に進む可能性があります。

     これについて、内閣府の障害者政策委員会の8月の会議で、障害者政策委員長である静岡県立大学教授の石川准先生の質問に回答する形で、文化庁著作権課が公に見解を示しました。議事録も公開されるはずですが、動画は公開されており、それを確認することができます。障害学生支援室が全て含まれるというわけでもなさそうですが、大学図書館の趣旨に合致するものが含まれるという見解です。該当部分のテキストを起こしてみました(一字一句すべてが正確というわけではないので、ご注意を)。

    障害者政策委員会 第25回動画 分割 2/2

    ※該当部分は、「第25回動画 分割 2/2の」58分33秒から1時間2分31秒。

    障害者政策委員長 石川准氏

    情報アクセシビリティと関係して、あるいは、教育とも関わってくる話ですが、著作権法の37条に関する点につきまして、文化庁著作権課にお聞きしたいのですけれども、政令で指定された機関が、視覚による読書に困難のある人々を対象として、著作物を複製することは、著作権者の許諾なしに認められる、というのがその37条の規定でありますけれども、その政令の中で大学の場合は、大学図書館がそのような機関として指定されております。ただし、現状の各大学における障害学生支援というのは、障害学生支援室といったところが中心になって行っておりまして、そこが例えば、視覚障害等あるいはディスレクシアの学生に対して著作物を電子データ化するといった作業も行っておりますけれども、これがそもそも著作権法第37条に基づく複製にあたるのかどうかということについて、各大学とも半信半疑、というところがございまして、したがって、共同利用、相互貸借みたいなこともできずにいるという状況がございます。それにつきまして、文化庁著作課としてのご見解、つまり、大学図書館等と書いてあって、障害学生支援室とは書いていないけれども、それも含むのか、あるいは、列挙型の規定となっているので、書いていないことは含んでいないのか、ということについて、この場を借りて、ご見解をいただけると有り難いと思います。

    文化庁著作権課課長補佐 秋山氏

    お問い合わせのありました著作権法37条3項の適用に関する部分ですけれども、同項の権利制限規定の適応のある主体に関しては政令で定める、ということになってございます。さきほどご説明いただいたとおりです。この政令でございますけれでも、著作権法施行令第二条第一項第一号ロにおきまして、この37条3項の規定の適用がうけられる主体として、「大学等の図書館及びこれに類する施設」と、このように定められてございます。ここにいう、「これに類する施設」といいますのは、大学図書館のように図書等の資料を備え置いて、学生に資料の貸出等の情報提供を行う機能、こういった機能を担う施設が想定されているものと解されるところでございまして、必ずしも名称が大学図書館となっていなくても、当然、その他のものが含まれるということは念頭に置かれているものと理解してございます。したがいまして、行政、私どもとしてまして、個々の事例への法令の適用関係について、個別に判断を申し上げる立場ではございませんけれども、ご質問のありましたのような、障害学生支援室といった名称を冠する組織につきましても、通常、上記の大学図書館のような趣旨に合致するものも多いと考えられますので、そうしたものにつきましては、基本的に「これに類する施設」に該当するというふうに解釈することもできるのではないかというふうに考えています。

    障害者政策委員長 石川准氏

    ありがとうございました。大変、明快なご回答をいただきまして、感謝いたします。

     

     障害者学生支援室のような学生支援部署も著作権法第37条第3項の複製の主体になりえる解釈を文化庁が公の場で議事録に残る形で示したことは大きいと思います。しかし、「大学図書館の趣旨に合致する」という条件めいたものがついていることが正直、わかりづらいところがありますね。情報提供だけすれば条件に合致するのか、資料も備えることがもとめられるのか。前者であれば、テキストデータ化をしているところは全て該当すると考えてよいように思いますが、後者の資料を備えることまで求められると該当するところはぐっと減る気がします。

    参考

    著作権法

    第三十七条  3  視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

    著作権法施行令

    第二条  法第三十七条第三項 (法第八十六条第一項 及び第三項 並びに第百二条第一項 において準用する場合を含む。)の政令で定める者は、次に掲げる者とする。
    一  次に掲げる施設を設置して視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者(イ、ニ又はチに掲げる施設を設置する者にあつては国、地方公共団体又は一般社団法人等、ホに掲げる施設を設置する者にあつては地方公共団体、公益社団法人又は公益財団法人に限る。)
    イ 児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項 の障害児入所施設及び児童発達支援センター
    ロ 大学等の図書館及びこれに類する施設
    ハ 国立国会図書館
    ニ 身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)第五条第一項 の視聴覚障害者情報提供施設
    ホ 図書館法第二条第一項 の図書館(司書等が置かれているものに限る。)
    ヘ 学校図書館法 (昭和二十八年法律第百八十五号)第二条 の学校図書館
    ト 老人福祉法 (昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の三 の養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
    チ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)第五条第十一項 に規定する障害者支援施設及び同条第一項 に規定する障害福祉サービス事業(同条第七項 に規定する生活介護、同条第十二項 に規定する自立訓練、同条第十三項 に規定する就労移行支援又は同条第十四項 に規定する就労継続支援を行う事業に限る。)を行う施設
    二  前号に掲げる者のほか、視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人(法第二条第六項 に規定する法人をいう。以下同じ。)のうち、視覚障害者等のための複製又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの

    9月 27

    勉強会で「障害者差別解消法と図書館サービス」というテーマで発表したスライド

     京都情報図書館学学習会 第227回(2015年9月25日)で、障害者差別解消法と図書館サービスというテーマで発表させていただいたので、そのスライド資料を公開用に一部編集して公開しました。


     

     テキスト版とhtml版は以下。

     テキスト版は情報保障のために事前に配布したものを上のスライドと同様に公開用に一部編集したものです。html版は、スクリーンリーダーで見出し単位(この場合はスライド単位)でスキップできる点ではこちらのほうが便利であろうと思い、事後に製作したものです。html版まで製作するのであれば、PowerPointではなく、HTMLベースのプレゼン用のフレームワークを使って発表してもよかったかもしれない。 

     今回の発表では、障害者差別解消法は、図書館に全く新しい義務を課すものではなく、図書館が行っている障害者サービスと同じ目的を持つものであり、むしろそれを支援するものであること、そして、そもそも図書館の障害者サービスは「すべての人に全ての資料とサービスを提供する」という図書館本来の使命に基づくものであるのだから、障害者差別解消法の施行が迫るこのタイミングで、図書館サービスという視点で改めて考えてみませんかということを言いたかったけど、正直、あまり整理されていなかったように思う。

     このテーマはもう少し整理したいところです。

     ところで、最後に余談として、乙武さんの以下の話を取り上げました。

     この話は、障害者差別解消法的にいろいろと考えるべき要素があります。概要をかいつまんで紹介すると。

    • 乙武さんが銀座のイタリアンレストランに予約をして夕食をとろうと試みる(車椅子を使用していることは事前に伝えていない)
    • レストランはエレベータが止まらない2階にある
    • レストラン側は乙武さんが車椅子を使用しているからと入店を拒否した

     車椅子だからと入店を拒否することは、おそらく障害者差別解消法で言うところの、民間事業者も禁止事項となる不当な差別的取扱いに該当するでしょう。しかし、エレベータが2階に止まらないということは、乙武さんは、自分もしくは同伴者でなんとかできなければ、レストラン側が合理的配慮を提供しなければ、入店はできない。しかし、合理的配慮の提供そのものは、民間事業者は努力義務となっているため、仮に入店そのものは拒否しなくても、店側が合理的配慮を提供しなければ、結局、乙武さんは入店できないことになってしまう。どう考えるべきか。
     
     おそらくは乙武さんが使用している車椅子は電動の車椅子でしょうから、非常に重くて男2人でも担いで階段に上るのは難しいのではないかと思います。できそうなのは、車椅子は1階に置いておいて、乙武さんを担いで2階に上がることですが、夕食の時間ということは、レストランそのものが非常に忙しい時間帯であり、合理的配慮を提供するだけの余裕がない可能性もあります。さあ、どうする。どうすれば、乙武さんがこのお店で食事ができないという事態をさけられたかということですが、ここでお互いが対立し、一方的にそれぞれが意見を言いあうよりは、建設的対話を重ねて問題の解決がはかれればよかったのかもしれません(このケースで問題になってしまっているのは、乙武さんが店側からそういう誠意を感じられなかったことによるところが大きいように思えます)。

     なお、いろいろと考える要素はありますが、払うべき合理的配慮というのは、個別具体的な対応ですので、当事者同士が納得するものが結論といえるものになると思います。その場に立ち会っていない第三者が論じても、それらしい意見は言えても、おそらくは正解といえる最終的な結論は出せないということは注意が必要かと思います。

    8月 18

    図書館の障害者サービスと点字図書館関係年表(1825年から2016年まで)(テキスト形式)

     先のエントリにおいて、表形式で公開した「図書館の障害者サービスと点字図書館関係年表(1825年から2016年まで)」のテキスト版です。こちらのほうがスクリーンリーダーによる読み上げでもわかりやすいだろうということで、作成してみました。内容は表形式のものと同じです。

    参考 表形式版

     各年ごとにその年に起こった出来事を図書館関係、点字図書館関係、著作権法関係、その他で分類してあります。

     年表中のリンクは、該当する機関や団体のホームページへのリンクだったり、関連する参考資料へのリンクです。

    年表(1825年から2016年まで)

    1825年

    (その他)
    • ルイ・ブライユがアルファベットの6点式点字を開発

     

    1854年

    (その他)
    • ブライユ式点字がフランスで正式に採用

    1880年(明治13年)

    (図書館・点字図書館関係)
    • キリスト教宣教師ヘンリー・フォールズ、築地病院に「盲人図書室」を設置(日本における施設としての障害者への情報提供の最初の事例?)

    1890年(明治23年)

    (その他)
    • 石川倉次が日本語の6点式点字を考案、同年に東京盲唖学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)で採用

     

    1901年(明治34年)

    (その他)

     

    1916年(大正5年)

    (図書館関係)
    • 東京盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)の学生である加藤梅吉が自身が所蔵する点字図書200冊を東京市立本郷図書館に寄託。それを受けて、東京市立本郷図書館は点字文庫開設(公共図書館による障害者への情報提供の嚆矢)

     

    1922年(大正11年)

    (点字図書館関係)
    (その他)

     

    1931年(昭和6年)

    (その他)

    1932年(昭和7年)

    (点字図書館関係)
    • 岩橋武夫、自宅にて点字図書貸出事業を開始

    1933年(昭和8年)

    (図書館関係)
    • 第27回全国図書館大会で「点字図書及盲人閲覧者の取扱」というテーマで障害者への情報提供が取り上げられる。

     

    1934年(昭和9年)

    (その他)

     

    1936年(昭和11年)

    (図書館関係)
    (点字図書館関係)
    • 日本ライトハウス、世界で13番目のライトハウとして公認される(4月)

     

    1937年(昭和12年)

    (その他)
    • ヘレン・ケラー、来日

     

    1940年(昭和15年)

    (点字図書館関係)

     

    1948年(昭和23年)

    (点字図書館関係)
    • 日本盲人図書館、「日本点字図書館」と名を改める(4月)
    (その他)

     

    1949年(昭和24年)

    (点字図書館関係)

     

    1950年(昭和25年)

    (図書館関係)
    • 図書館法公布

     

    1953年(昭和28年)

    (その他)

     

    1955年(昭和30年)

    (点字図書館関係)
    • 日本点字図書館、厚生省委託点字図書製作・貸出事業開始(1月)
    (その他)
    • ヘレン・ケラー、3度目の来日

     

    1957年(昭和32年)

    (点字図書館関係)
    • 国際基督教奉仕団(現・日本キリスト教奉仕団)テープライブラリ発足(2月)
    • 厚生省が点字図書館設置基準暫定案を作成(3月)

     

    1958年(昭和33年)

    (点字図書館関係)
    • 日本点字図書館が録音図書の製作を開始し、「声のライブラリー」を設置

     

    1959年(昭和34年)

    (点字図書館関係)
    • 日本ライトハウス、「声の図書館」(テープライブラリー)を開設。

     

    1961年(昭和36年)

    (点字図書館関係)
    • 日本点字図書館・日本ライトハウス、厚生省委託声の図書製作・貸し出し事業開始。
    • 日本点字図書館、「声のライブラリー」を「テープライブラリー」と改称(4月)
    (その他)
    • 郵便法改正(盲人用郵便が無料化)

     

    1963年(昭和38年)

    (点字図書館関係)
    • 日本ライトハウス、厚生省委託点字図書製作・貸出事業開始

     

    1967年(昭和42年)

    (その他)
    • 京都で視覚障害学生と点訳サークル学生を中心に関西SL(Student Library)発足(4月)

     

    1969年(昭和44年)

    (図書館・点字図書館関係)
    • 国立国会図書館と東京都立日比谷図書館に対して、日本盲大学生会・関西SL等が図書館蔵書の開放運動を行う。

     

    1970年(昭和45年)

    (図書館関係)
    • 東京都立日比谷図書館、視覚障害者サービスを開始(4月)
    (著作権法関係)
    • 旧著作権法を全部改正した著作権法(①)公布。37条(点字による複製等)等を新たに規定(5月)
    (その他)
    • 日本盲大学生会・関西SL等が視覚障害者読書権保障協議会(視読協)結成(6月)

     

    1971年(昭和46)

    (図書館関係)
    (その他)
    • 著作権法(①)施行(4月)

     

    1972年(昭和47年)

    (点字図書館関係)
    • 京阪神点字図書館連絡協議会発足(参加4館) (6月)

     

    1973年(昭和48年)

    (その他)

     

    1974年(昭和49年)

    (図書館・点字図書館関係)
    • 京阪神点字図書館連絡協議会から近畿点字図書館研究協議会が発足(近点協)に(参加12館、うち公共図書館2館)(11月)
    (図書館関係)
    • 大阪府立夕陽丘図書館開館、対面朗読サービスや郵送貸出を開始(5月)
    • 全国図書館大会で初めて障害者サービスの分科会「身体障害者への図書館サービス」が設置される(11月)

     

    1975年(昭和50年)

    (図書館関係)
    • 公共図書館の録音サービスが日本文芸著作権保護同盟から、著作権侵害と指摘する新聞記事報道(『愛のテープは違法の波紋』報道)(公共図書館における録音図書の製作が著作権者の許諾を取らなければ行えないということが明確に)(1月)
    • 国立国会図書館、学術文献録音サービス開始(10月)

     

    1977年(昭和52年)

    (点字図書館関係)
    • 第1回点字図書館館長会議(東京)開催

     

    1978年(昭和53年)

    (図書館関係)
    • 日本図書館協会(JLA)、障害者サービス委員会設置(最初から関東小委員会と関西小委員会があった)(4月)

     

    1979年(昭和54年)

    (その他)
    • IFLA/RTLB(盲人図書館会議)発足

     

    1981年(昭和56年)

    (図書館関係)
    (点字図書館関係)
    • 全国点字図書館協議会、発足(4月)
    • 全国点字図書館長会議、「点字・録音・拡大資料の相互貸借に関する申し合せ」決議(11月)
    (その他)

     

    1982年(昭和57年)

    (図書館関係)
    • 国立国会図書館、「点字図書・録音図書全国総合目録」(冊子体)を刊行開始(3月)

     

    1984年(昭和59年)

    (その他)

     

    1986年(昭和61年)

    (図書館・点字図書館関係)
    • IFLA、東京で世界大会開催(8月)
    (図書館関係)
    • 国立国会図書館、「点字図書・録音図書全国総合目録データベース(AB01)」提供開始。国会、行政・司法の各支部図書館、都道府県立・政令指定都市立図書館のほか、一部の点字図書館にオンラインで提供を開始。
    (点字図書館関係)
    • 近点協、「製作資料の着手情報システム(NLB)」を開始(3月)
    (その他)

     

    1987年(昭和62年)

    (その他)
    • 点訳絵本/点訳入りFDの郵送料が無料になる(8月)

     

    1988年(昭和63年)

    (点字図書館関係)
    • 日本IBMが点訳オンラインサービス「IBMてんやく広場」開始
    (その他)
    • スウェーデン国立点字録音図書館(TPB)がデジタル図書開発を計画

     

    1989年(平成元年)

    (図書館関係)

     

    1990年(平成2年)

    (点字図書館関係)
    (その他)
    • スウェーデンのラビリテンテン社、DAISYの開発に着手
    • 米国でADA法案可決(5月)

     

    1991年(平成3年)

    (図書館・点字図書館関係)
    • IFLA視覚障害者セミナーを東京(東京大学安田講堂、国立国会図書館東京本館新館講堂など)で開催(1月)

     

    1993年(平成5年)

    (点字図書館関係)
    • 運営を日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)点字図書館部会 特別委員会が引き継ぎ、「IBMてんやく広場」から「てんやく広場」に改名
    (その他)
    • 障害者基本法公布

     

    1994年(平成6年)

    (点字図書館関係)
    • 日本点字図書館、厚生省委託事業として、「点字図書情報サービス事業」(点字図書・録音図書目録の一括化)を開始(1月)。
    • てんやく広場、国立国会図書館点字図書・録音図書総合目録(AB01)のデータを借り受けてテスト稼働(11月)
    • 第19回全国点字図書館大会(この年から「全国点字図書館長会議」が「全国点字図書館大会」に)
    (その他)
    • 『障害者白書』が刊行される(12月)

     

    1995年(平成7年)

    (図書館関係)
    • 国立国会図書館、「NDL CD-ROM Line点字図書・録音図書全国総合目録」頒布開始
    (点字図書館関係)
    • てんやく広場、1994年の点字図書・録音図書全国総合目録データのテスト稼働をもとにオンラインリクエストの試行を開始(2月)
    • 日本点字図書館と東京都公共図書館の蔵書目録を搭載した「NIT(ニット)」に国立国会図書館の点字図書・録音図書全国総合目録のデータを搭載し、ニットプラスと改称(6月)
    (その他)
    • シナノケンシがデジタル録音図書の試作一号機を開発

     

    1996年(平成8年)

    (図書館関係)
    • 新しくオープンした大阪府立中央図書館が児童室の場所を「視覚障害児のためのわんぱく文庫」に提供
    (点字図書館関係)
    • 日本点字図書館、厚生省委託点字図書近代化事業を受け、点字資料のデジタル化を開始(5年間)(4月)
    • 全国点字図書館協議会、全国視覚障害者情報提供施設協議会に名称変更(11月)
    • 日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)、点字図書館部会の名称を「情報サービス部会」に変更
    (その他)
    • DAISY Consortium設立

     

    1997年(平成9年)

    (図書館関係)
    (点字図書館関係)
    (その他)
    • DAISY Consortium、DAISY 2.0の仕様を公開
    • IFLA盲人図書館会議で DAISYがデジタル録音図書の標準規格になることが決定(8月)

     

    1998年(平成10年)

    (図書館関係)
    • 国立国会図書館の「点字図書・録音図書全国総合目録」の冊子体が34号(1997年2号)で終刊
    (点字図書館関係)
    • 「てんやく広場」を全視情協に移管(7月)
    • 「ないーぶネット」に名称を変更(9月)
    (その他)

     

    1999年(平成11年)

    (点字図書館関係)
    • 全国視覚障害者情報提供施設協議会、全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)に名称変更(6月)
    • 日本点字図書館と全視情協と協議の結果、類似した2つのサービスである日本点字図書館の「ニットプラス」と全視情協の「ないーぶネット」を一本化し、「点字図書情報ネットワーク整備事業」として、両者の協力のもとに全視情協が運営する「ないーぶネット」の構築を行うことで合意(12月)
    • 日本ライトハウス、DAISY図書製作・貸出開始
    • 日本点字図書館、DAISY図書(デジタル録音図書)の貸出開始

     

    2000年(平成12年)

    (著作権法関係)
    • 著作権法改正(②)。点字の公衆送信が可能になり、著作権法第37条の2(聴覚障害者のための自動公衆送信)が新たに規定される(5月)

     

    2001年(平成13年)

    (図書館関係)
    • 文部科学省、公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準に障害者サービスをはじめて明記
    (点字図書館関係)
    • インターネット版ないーぶネット(総合ないーぶネット)本格運用を開始。Web上からの貸出申し込みが可能に(4月)
    (著作権法関係)
    • 著作権法(②)が施行(1月)
    (その他)
    • シナノケンシが、DAISYのインターネット配信実証実験
    • DAISY Consortium、DAISY 2.02の仕様を承認(2月)
    • DAISY Consortium、DAISYの正式名称を”Digital Audio-based Information SYstem”から” Digital Accessible Information SYstem”に変更(12月)

     

    2002年(平成14年)

    (その他)

     

    2003年(平成15年)

    (図書館関係)
    • 「図書館等における著作物等の利用に関する当事者協議」開始(1月)
    • 国立国会図書館、点字図書・録音図書全国総合目録をNDL-OPACにおいてインターネット公開(1月)
    • 大阪府立中央図書館、録音図書ネットワーク配信事業開始(4月)
    (その他)
    • 郵政公社発足。盲人用郵便物の表示が「盲人用」から「点字用郵便物」に変更(4月)

     

    2004年(平成16年)

    (図書館関係)
    (点字図書館関係)
    • DAISY配信サービス「びぶりおネット」が日本点字図書館と日本ライトハウス盲人情報文化センターにより開始(4月)
    (その他)
    • DAISY再生機器が「日常生活用具給付制度」の給付対象に(4月)
    • 障害者基本法改正(6月)

     

    2005年(平成17年)

    (点字図書館関係)
    • 録音図書ネットワーク製作事業「びぶりお工房」本格運用開始(4月)
    • 「びぶりおネット」に点字データ配信サービスを追加(10月)

     

    2006年(平成18年)

    (著作権法関係)
    • 著作権法(③)改正。これにより点字図書館は、視覚障害者向けの録音データの公衆送信可能になる(12月)
    (その他)
    • 障害者権利条約採択(6月)

     

    2007年(平成19年)

    (著作権法関係)
    • 著作権法③施行(7月)

     

    2008年(平成20年)

    (点字図書館関係)
    (その他)
    • 教科書バリアフリー法施行(9月)

     

    2009年(平成21年)

    (図書館関係)
    • 「公共図書館等における音訳資料作成の一括許諾に関する協定書」に基づく障害者用音訳資料作成の一括許諾終了(12月)
    (点字図書館関係)
    • びぶりおネット個人ユーザーへのダウンロードサービス開始(2月)
    • 平成21年補正事業で、厚生労働省の委託事業として、日本点字図書館が「視覚障害者情報提供ネットワークシステム整備事業」を受託。「ないーぶネット」と「びぶりおネット」を統合した「視覚障害者情報提供ネットワーク(サピエ)」を構築(11月)
    (著作権法関係)
    • 著作権法(④)改正。視覚障害者「等」のために録音図書に限定されず、必要な方式で製作できることに、また、点字図書館だけではなく、図書館等も複製の主体になる。また、第三十七条の二が全部改正され、(聴覚障害者等のための複製等)に(6月)

     

    2010年(平成22年)

    (図書館関係)
    (点字図書館関係)
    (著作権法関係)
    • 著作権法(④)施行(1月)
    (その他)
    • 特定非営利活動法人大活字文化普及協会が専門委員会としての読書権保障協議会設置(12月)

     

    2011年(平成23年)

    (図書館関係)
    (その他)
    • 障害者基本法改正(8月)
    • IDPF、EPUB 3の仕様を勧告(10月)

     

    2012年(平成24年)

    (その他)

     

    2013年(平成25年)

    (その他)
    • 盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約採択(6月)
    • 障害者差別解消法成立(6月)

     

    2014年(平成26年)

    (図書館関係)
    • 国立国会図書館、「視覚障害者等用データの収集及び送信サービス」開始(1月)
    • 「視覚障害者等用データ送信サービス」と「サピエ図書館」のシステム連携。「視覚障害者等用データ送信サービス」のコンテンツが「サピエ図書館」から利用可能に。(6月3日)
    (その他)
    • 日本、障害者権利条約の批准書を寄託(1月。2月に効力が発生)

     

    2016年(平成28年)

    (その他)
    • 障害者差別解消法施行(4月)

    主な参考文献

    図書館関係

    点字図書館関係

    DAISY