Open Annotation Data ModelがついにW3C勧告ルートにのるか?

IDPFがEPUBにOpen Annotationを組み込む仕様を検討しています。その話はまた別のエントリで紹介する予定ですので置いておきますが、そのIDPFのOpen Annotation in EPUBプロジェクトチームが公開している以下のドキュメントに、以下のような記述がありましたので少し紹介します。

As of September 2013, the Open Annotation Data Model is considered generally stable, and the OA Community Group has begun preparations to take this specification on the W3C REC track, an effort targeted to begin before years end.

 W3CのCommunity DraftだったOpen Annotation Data Modelが仕様として安定してきたため、W3C勧告にむけて動き出したという話です。IDPFのプロジェクトチームには、Open Annotation Community GroupのチェアであるPaolo Ciccarese氏とRobert Sanderson氏が参加していますので信頼できる情報だと思います。
 W3C REC trackに乗るということは、Open Annotation Workiing Groupが立ち上げられ、Open Annotation Data ModelもCommunity DraftからWorking Draftに移行するのでしょうか?
 W3C REC track(W3C勧告ルート)については、The Web KANZAKI の以下のページを、

 W3CのCommunity Groupについては、以下のエントリをご参照ください。

 Community GroupからWorkng Groupへの昇格はもしかすると初めての事例になるのではないだろうか・・・?Comunity Groupで時間をかけている分、それ以降のステージは従来よりも短くすみそうな気がしますが、どうなんでしょうか。
※2013/11/24 追記
 すでに現在、勧告案になっているJSON-LDがCommunty Group発の仕様であるという情報をいただきました。

JSON-LDの場合、2013年3月にCommunty Groupの最終草案が出され、2013年4月にワーキンググループの最終草案(Last Call Working Draft)、2013年9月に勧告候補(Candidate Recommendation)、そして、2013年11月に勧告案(Proposed Recommendation)ですので、ペースが早いように思えます。
 
 Communty Groupの最終草案が出る前も、Community GroupからRDF Working Groupに送られた草案がワーキングドラフトとしてRDF Working Groupから公開されています。Communityドラフトも仕様として安定してくると、Working Group内で並行してレビューされていたようです。
 Open Annotation Data Modelも同様にWorking GroupとCommunty Groupがしばらく並行して仕様をレビューするようになるのでしょうか。

関連エントリ

EPUB3によるデジタル教科書の標準化を目的とするワークショップEDUPUB Workshop の資料一式が公開された

10月29日にボストンで行われたたIDPFワークショップ「EDUPUB」のスライドや議事録が公開されています。EDUPUBはEPUB3によるデジタル教科書の標準化を目的とするワークショップです。

 EDUPUBについては、10月30日のJEPAセミナー「電子書籍、電子教科書のアクセシビリティ」で、ちょうどこの時EDUPUBに参加されていた上智大学の田村恭久先生が第1日目の模様を、写真とSkypeで現地から報告されています。

[PDF]EDUPUB Workshopレポート(田村先生の上のJEPAセミナーの発表資料)
 JEPAセミナーでは、電子教科書をテーマとしたセミナーを2013年に入って上のセミナー以外にすでに2回も開催しています。教育分野、熱いです。

 私はまだEDUPUBのスライドや議事録を読めていませんが、ちらちら議論を追っていると初見の教育関係の規格やメタデータが出てきて、とても整理しきれない。いつか整理せねばと思います。2日目15.25-16.15の”Key Work Areas moving forward”のスライドで関連するプロジェクトが一覧されていますが、これを1つ1つ追っていくだけでけも沼は実に深い。
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from “Key Work Areas moving forward” presentation
 11月25日には場所を変えて今度は韓国で以下のようなイベントが開催されるようです。

 そして、EDUPUB Workshopに参加された方による報告会が12月4日にあるので、かなり気になりますね。