6月 30

DAISY-AI(DAISY 4)コンテナだっ!

 DAISY2.02DAISY3の仕様はルートにこのファイルを配置しろ、といったことは定められているものの、関係するファイルをバンドルして1つのファイルとして固めるコンテナ部分を正式に定義がしているわけではありません。CDで配布されることを前提としたフォーマットであったからだと思いますが、ネット経由で配布されるようになると、なんらかの形で関連ファイルを1つのファイルとして固める必要があります。zip形式で固められることが多いようですが、サピエ図書館では自動解凍方式のexe形式が採用されていたりと、DAISYのパッケージの方法が必ずしも統一されているわけではありません。

 それではさすがに不便であるということだったのでしょうか、DAISY-AI(DAISY 4) になってようやくそれが仕様として定められました。”9 Container“部分です。

 コンテナの仕様はEPUB2.01で採用されているEPUB Open Container Format (OCF) 2.0.1[doc]が採用されています。そのため、構造もEPUB2とほぼ同じです。

mimetype
META-INF/
   container.xml
Z3998-AI/
   sample.xml
   metadata/
      mods.xml
      onix.xml
   images/
      cover.png

DAISY-AI(DAISY 4)コンテナのファイル構造(例)

 DAISY-AI(DAISY 4)コンテナのMIMEタイプは”application/z3998-auth+zip”、拡張子は”zai”です。

 その他、EPUB2と異なる主な点は以下です。

  • Open Packaging Format (OPF) をサポートしていない。
  • DAISY-AI(DAISY 4)コンテナはコンテンツの暗号化とDRMの付与が禁止されている。そのため、META-INFディレクトリ配下にはencryption.xmlとrights.xmlを置くべきではないし、サポートもされない。

 まだ、私はこのzaiの拡張子のファイルを見たことがありません。DAISY Pipeline2でもまだ対応していません。今のところ、あまり使われていないコンテナなのでしょうか・・。
 
 

関連エントリ

EPUB 3とDAISY 4の関係
DAISYからEPUB 3に変換する
DAISY再生ソフト・機器のEPUB対応
6月 22

DAISY Pipeline 2のGUI版

 これまでのエントリでDAISY Pipeline 2のCI版を用いてDAISYをEPUB3に変換してきましたが、実はGUI版もあります。

1.DAISY Pipeline 2(GUI版あり)のダウンロード

DAISY Pipeline 2(GUI版あり)をダウンロードします。以下からpipeline2-1.5-webui-desktop.zipをダウンロードしてください。

 ダウンロードしたら、pipeline2-1.5-webui-desktop.zipを解凍して適当な場所においてください。特にインストールの必要はありません。解凍したフォルダ内はおおよそこんな感じです。
スクリーンショット 2013-06-22 0.15.37

2.DAISY Pipeline 2のGUI版の起動

  Mac OSの場合は、上のwebuiフォルダ内にある「start」をクリックすることでGUI版DAISY Pipeline 2を起動することができます(Windowsなら「start.bat」のはずですが、私のMacにインストールしたWindows XPではうまく起動できませんね)。
 
  これが起動直後の画面です。
GUI版DAISY Pipeline 2スタート画面
  GUI版DAISY Pipeline 2スタート画面
 

3.変換作業開始

 「Get Start」ボタンを押下すると、以下のような画面が表示されます。
GUI版DAISY Pipeline 2のJob画面
  GUI版DAISY Pipeline 2のJob画面
 

4.変換元のファイルのアップロード

 変換するDAISYファイルをアップロードしてみましょう。Filesの緑の「Uploads files」ボタンを押下してファイルをアップロードしてください。今回はNHKが公開しているDAIsY2.02版音声DASIYの番組表ファイル bangumi.zipをEPUB 3に変換します。
NHK音声番組時刻表のbangumi.zipをアップロード中
  NHK音声番組時刻表のbangumi.zipをアップロード中
  
  なお、ここでアップロードするファイルは関係するものを1つのフォルダにまとめてzipに固め、1つのファイル化しておく必要があるようです。 

5.スクリプトの選択及びオプションの選択

 続いてスクリプトを選択してください。今回はDAISY2.02からEPUB3に変換しますので、「DAISY 2.02 to EPUB3」を選択します。
スクリプト選択画面
  スクリプト選択画面

  続いて、Option画面が表示されます。ここでソースファイルとパラメータを設定し、青い「Start Job」ボタンを押下してください。今回はデフォルトの設定で問題ないので、そのまま「Start Job」ボタンを押下します。
Option画面
  Option画面
 

6.変換

青い「Start Job」ボタンを押下すると変換作業が開始され・・
変換処理中の表示
  変換処理中の表示
 
 
 しばらく待つと完了です。緑の「Download results」ボタンを押下すると、変換したEPUB3ファイルを取り出すことができます。
変換処理終了の画面
  変換処理終了の画面

 裏でターミナルが起動しています。GUI版DAISY Pipeline 2を閉じるときは、ターミナルも一緒に落とす必要がありますので、GUI版の右上にある「X Shut Down」ボタンを押下してください。

関連エントリ

EPUB 3とDAISY 4の関係
DAISYからEPUB 3に変換する
DAISY再生ソフト・機器のEPUB対応
6月 21

音声のみのDAISY(DAISY 2.02)から EPUB 3 with Media Overlaysを生成する

 今回はDAISY Pipeline2を使用して、DAISYの中で日本で最も普及しているというDAISY 2.02からEPUB 3 with Media Overlaysに変換してみます。
 DAISYにはテキストのみのテキストDAISY、テキストデータも音声もあるマルチメディアDAISY以外に本文テキストデータがない音声DAISYが使われています。今回はDAISY 2.02版音声DAISYをEPUB 3に変換したいと思います。

 DAISY Pipeline2の使い方及びDAISY 2.02からEPUB 3への変換方法の詳細は以下をご覧ください。

 Pipeline2でDAISY 2.02をEPUB 3に変換するには、Mac OSの場合、以下のようなコマンドを打ちます。変換元のDAISY 2.02を指定する場合は、ncc.htmlを指定します。

cli/dp2 daisy202-to-epub3 --x-href samples/daisy202/Moutians_skip/ncc.html --x-output samples/output7 --x-temp-dir samples output6/temp

  今回はDAISY ConsortiumSample Contentで公開している以下の音声のみのDAISYをEPUB3に変換します。

Climbing the Highest Mountain” (目次のテキスト情報(htmlファイル)はあり・DAISY 2.02)
スクリーンショット 2013-06-20 23.55.23

EPUB 3変換後

 EPUB3に変換しました。
 
 生成ファイル(EPUB3): skipdemo-amsterdam – Climbing the Highest Mountain.epub [1.7MB]
スクリーンショット 2013-06-21 0.53.13

 以下は上のEPUB3ファイルをReadiumで再生した動画です。

 本文のテキスト情報(xhtmlファイル)のない音声のみのEPUBができました(目次情報のxhtmlはあり)。

関連エントリ

EPUB 3とDAISY 4の関係
DAISYからEPUB 3に変換する
DAISY再生ソフト・機器のEPUB対応
6月 19

マルチメディアDAISY(DAISY 3)から EPUB 3 with Media Overlaysを生成する

 DAISY Pipeline2 ver. 2.1.5についているモジュールを見てみると、「mediaoverlay-utils-1.0.0-20130420.014217-13.jar」というモジュールがついています。これでMedia OverlaysありのEPUB 3も変換できるのではないかと思われたので試してみました。

 音声ファイルとsmilファイルも梱包されたDASIY AI(DAISY4)が見つかりませんでしたので、DAISY 3版マルチメディアDAISYから EPUB 3への変換を試みてみました。

 DAISY Pipeline2の使い方の詳細は以下をご覧ください。

 たとえば、DAISY Pipeline2のサンプルとしてついているDAISY 3を変換してみます。

スクリーンショット 2013-06-19 23.55.15

 Pipeline2でDAISY 3をEPUB 3に変換するには、Mac OSの場合、以下のようなコマンドを打ちます。変換元のDAISY 3を指定する場合は、OPFファイルを指定します。この場合は、「speechgen.opf」です。

cli/dp2 daisy3-to-epub3 --i-source samples/daisy3/dontworrybehappy/speechgen.opf --x-output-dir  samples/output3

 上のコマンドを分解すると以下のようになります。

  • cli/dp2: アプリケーションの指定。Windowsなら cli/dp2.exe
  • daisy3-to-epub3: DAISY3からepub3を生成を命令するコマンド
  • -i-source:入力ファイルを指定するオプション。今回は”samples/daisy3/dontworrybehappy/speechgen.opf ”と指定。
  • –x-output-dir:変換して出力するEPUB3の置き場所を指定するオプション。今回は”samples/output3”ディレクトリ下に出力するように指定。

生成したEPUB 3は以下のとおりです。きちんとEPUB 3 with Media Overlaysが生成されています。

生成ファイル:result.epub [575KB]
スクリーンショット 2013-06-20 1.39.14

 上で生成されたresul.epubをMedia Overlaysに対応しているReadiumで読み上げてみました。


 
 少し分かりづらいですが、読み上げている箇所の文字の表示と音声が同期されています(読み上げている箇所のフォントの色が黒、読み上げていない箇所の文字がグレーとかなり分かりづらいですね・・)。

 おまけでもう1つ。

 DAISY Consortiumが以下で公開しているDAISY 3のサンプル”Are You Ready?“でも試してみました。

生成ファイルは以下です。

生成ファイル:result2.epub [13.6MB]

 変換したEPUB 3版”Are You Ready?”をReadiumで読み上げたの以下の動画です。この書籍のプリント版のページ数がきちんとEPUBに移行されていることもわかります。

 DAISY由来のepub3:typeでコンテンツにセマンティクスも与えられ、 Media Overlaysもある。DAISY Pipeline2のDAISY-AI(DAISY4)対応がまだ発展途上であるため、現時点では、マルチメディアDAISY(DAISY 3)から生成されたEPUB 3が(マルチメディア)DAISY的EPUBに近いかもしれません。

DAISYから作ったEPUBがDAISIYの要素を多く持つのは当然といえば当然なのですが、EPUBでどこまでDAISYに近づけるかという到達点を示すものとして(は、言い過ぎか)。

関連エントリ

EPUB 3とDAISY 4の関係
DAISYからEPUB 3に変換する
DAISY再生ソフト・機器のEPUB対応
6月 07

20言語のPDF、EPUB、DASIY等を読み上げ可能なiOSアプリ、Voice Dream Reader

 PDFやEPUB、DASIYなどの読み上げに対応している多言語読み上げソフト、iOSアプリのVoice Dream Readerです。


Voice Dream Reader – Text to Speech

Voice Dream
http://www.voicedream.com/

もしかしてすごいアプリでは。

言語/音声

 日本語を含む20言語のコンテンツについて計78音声(日本語は3音声)による読み上げが可能。
 ※各種音声はアドオンとして購入

対応ファイル形式
  • PDF
  • EPUB(EPUB3も一応対応)
  • DAISY
  • Plain Text、
  • Rich Text Format (RTF)
  • Microsoft Word
  • Microsoft PowerPoint
  • Apple Pages
  • Apple Keynote
  • HTML
アクセシビリティ対応
  • 細かな再生制御機能
  • 読み上げ箇所及びそのセンテンスをそれぞれ異なる色でハイライト表示
  • ディスレクシアフレンドリーなオープンソースフォントOpenDyslexiaも利用可能
  • フォントの拡大縮小
  • フォント、背景色、ハイライトの色の変更
  • など

その他
  • 読み上げ辞書の作成
  • Dropbox、Google Drive、Evernote、Instapaperとの連携

 EPUBに対応したDAISYリーダーについては以下のようなエントリを書いたことがありましたが、これを書いた時点では完全に見落としていました。ありゃりゃりゃ・・・

関連エントリ

EPUB 3とDAISY 4の関係
DAISYからEPUB 3に変換する
DAISY再生ソフト・機器のEPUB対応
6月 01

Open Annotationを利用したWebのアノテーションサービスHypothes.is

 Open Annotation Data Modelを活用したWebのアノテーションサービスHypothes.isがアルファ版を公開しています。


http://hypothes.is/

Open Annotationはアノテーション、つまり、注記の付与のオープンな標準技術で、現在も熱い議論が交わされ、様々な面白い実証実験が行われています。

  ハイライトした箇所や付与したコメントを共有したり、それらをTwitterやfacebookに流すソーシャルリーディングサービスを各電子書籍プラットフォームが提供していますが、 Hypothes.isはそのWeb版です。

※2013/08/01追記
 Hypothes.isを紹介するアニメーション動画が公開されました。Open AnnotationとHypothes.isが意図するところがわかりやすく紹介されています。

 Webにはソーシャルブックマークというものが古くからありますが、現在のソーシャルブックマークでは、基本、ページ単位でしかブックマークすることしかできません。Hypothes.isはページ内の任意の場所にセンテンス、単語レベルでアノテーションを付与し、それを共有することができます。また、従来のアノテーション共有サービスはその共有範囲が各プラットフォーム内のコンテンツとユーザーに限られてしまうものがほとんどですが、Open Annotationの仕様を採用することで、Open Annotationを採用するプラットフォーム間とのアノテーションの相互運用が可能になります。

 上でHypothes.isを便宜上「Web版アノテーションサービス」と紹介しましたが、HTMLだけではなく、PDF, 動画、音声、電子書籍など様々なフォーマットへの対応、つまり、クロスフォーマット対応を志向しています。すでにアルファ版を試すことができます。現時点では、HTMLとPDF※1に対応しているHTMLのみしか対応していないようです。

※1 2013/06/06追記
 PDFについては、pdf.jsを有効にしたFirefoxのみの対応です。

 Wikipediaの”Hypothes.is”のページにアノテーションを付与してみました。Hypothes.isのアカウントを取得してログインすると、他の人でも以下のコメントを見ることができます。
スクリーンショット 2013-06-01 15.24.02

 アノテーションには固定URLが与えられ、以下のように、アノテーションごとに固有のページが生成されます。

Wikipediaの
Hypothes.is – Wikipedia, the free encyclopedia | en.wikipedia.org

 上のページにリンクをする形で、他の文書からセンテンスを引用する際にこういう形で本文にリンクを貼ることができるようになります。

The plan is that the comments will be stored in the Internet Archive.

 アルファ版では、まだ対応していませんが、Youtubeのように他のページへの埋め込みも対応する予定だそうです。オリジナルのページに変更があった場合には、もしかすると埋め込んだページにもリンクが反映されるようになるかもしれません。ザナドゥの夢が今になってようやく現実に・・・。

 フラグメント識別子がオリジナルのページに付与されない限り、従来はページ単位でリンクを貼ることしかできませんが、
webling

 ページ内の任意の箇所、それも点ではなく、エリアを指定してリンクを貼れるようになったり、
ling

 引用として埋め込むことができるようになると素敵ですね。
名称未設定

 ちなみに、Hypothes.isで付与されたアノテーションはInternet Archiveで保存されるそうです。Hypothes.isはWebにアノテーションという別のレイヤーを加えるようなイメージですが、Internet Archiveはそのもう1つのレイヤーも保存したいと思っているようで、おもしろいですね。
 

関連エントリ