9月 27

DAISY再生機PLEXTALK Pocket、ファームウェアのアップデートでEPUB2に対応

DAISY再生機であるシナノケンシのPLEXTALK Pocketのファームウェアがver.6.00にアップデートし、EPUB2に対応しました。現時点ではver.6.00へのファームウェアのアップデートは残念ながら英語版のみのようです。日本語版のアップデートはいつでしょうか。


PLEXTALK Pocket(PTP1)

 EPUB2リーダーでも読めるように配慮されたEPUB3コンテンツであれば、今回のファームウェアアップデートで読むことができるはずですので、日本語版のファームウェアも期待したいところです。PLEXTALK Pocketのように読み上げる機器の場合、レイアイトは問題になりませんし、普通に作られるEPUBの場合、EPUB2とEPUB3の違いは大きくないかもしれません(TTSに配慮されたEPUBであればともかく)。

もっとも今回は、英語版ファームウェアのみのアップデートという事情を想像してみますと、英語圏は日本語圏ほどEPUB3でなければならないという事情はあまりなく、対応もEPUB3に比べ簡単?なEPUB2でEPUBに対応させたという気がしないではありません。日本語版ファームウェアの場合は、EPUBに対応するとしてもEPUB3で対応しようとするかもしれません(あくまで想像ですが)。

9月 26

シナノケンシが総務省の補助を受けてDAISY/EPUBの製作ソフトウェアと再生ソフトウェアを開発中とのこと

 視覚障害者向けのDAISY録音図書再生機プレクストークなどを開発・生産しているシナノケンシが総務省の補助を受けてDAISY/EPUBの製作ソフトウェアと再生ソフトウェアを開発しているようです。

開発中のソフトウェアの概要

 それぞれ以下のようです。

マルチメディア DAISY/EPUB の製作ソフトウェア

  • OCR機能を搭載して、印刷物からのテキスト取得を簡便化するともに、そのテキストと肉声音声との同期を、音声認識を用いることで自動化し、製作を容易にする。
  • 出力形式は最新のDAISY規格であるEPUB3に適合させる。

 これは、印刷物にOCR処理をかけて抽出したテキストと音声認識によって音声データから抽出したテキストをマッチングさせることで、マルチメディアDAISYやEPUB3 with Media Overlaysを自動作成するということでしょうか。音声DAISYをマルチメディアDAISY化するためにも使えるかもしれませんね。
 

マルチメディア DAISY/EPUB の再生ソフトウェア

  • DAISY2.02 とEPUB3の再生に対応するAndroid タブレットにマルチメディア DAISY 再生ソフトウェア。

 
 このブログで何度か紹介していますが、現時点ではDAISYユーザーが満足するような機能を備えているEPUB 3再生ソフトウェアはほとんどありません(あってもVoice Dream Readerぐらいでしょうか)。

 DAISYユーザーがEPUB 3の恩恵を受けるためにはDAISY再生ソフトウェアのような、読み上げの細かな制御ができる機能などが必要ですが、シナノケンシが開発しているという再生ソフトウェアはDAISY2.02とEPUB 3の再生に対応しているということ。DAISY再生ソフトウェアとして求められる機能は備えていそうですし、それがEPUB3でも利用できるのではないかと。さらに日本語のTTSエンジンが搭載されていれば、理想的なビューワーになることが期待できそうです。

平成25年度末の商品化を目指すとのこと

 「平成25年度は、今年度の実証実験で寄せられた要望事項を反映して、機能改善 を図るとともに、配信部分を開発し、作って(製作)、配って(配信)、利用 (再生)を実現して、実証実験を重ねて有効性を確認し、平成 25 年度末の商品 化を目指す」とのこと。楽しみです。

※201403/02追記 014年3月2日のみんなのデジタル教科書教育研究会発表資料

2014年3月2日に行われたみんなのデジタル教科書教育研究会 Open Meeting 09 Saitamaにおいて、シナノケンシの方が上のアプリケーションを紹介しています。

参考 総務省のデジタル・ディバイド解消に向けた技術等研究開発

 なお、総務省の補助は「デジタル・ディバイド解消に向けた技術等研究開発(情報通信利用促進支援事業費補助金)」によるもので、高齢者・障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの研究開発を行う民間企業等に対して、その研究開発資金の一部を補助する事業です。

9月 25

障害と開発に関する国連総会ハイレベル会合で成果文書として配布された手話動画とテキストハイライトを同期させたHTML5文書

 9月23日にニューヨークの国連本部で、障害と開発に関する国連総会ハイレベル会合が開催されました。

 この会合の成果文書が、HTML5 with video、マルチメディアDASIY、EPUB3など様々なアクセブルな形式で公開されています。

 

 この中ですごいのはHTML5 with videoでしょうか。手話動画とテキストハイライトが同期されています。


Sign language with text (HTML5 with video)

 マルチメディアDAISYやMedia OverlaysなEPUBの動画版といったものですが、動画とテキストハイライトの同期はDAISYやEPUB3の仕様のではサポートされていません(EPUB3は動画を埋め込むこと自体は可能です)。

 なお、この国連総会の会合は、NHK WORLDでも報道されています。

9月 25

ウェブサイトのarchivability(収集しやすさ)をチェックできるArchiveReady

 ウェブサイトのarchivability(収集しやすさ)をチェックできるArchiveReadyというサービスが2012年12月公開されたようです。多くのウェブアーカイブプロジェクトでは、クローラーを使用して自動収集しているはずですので、クローラーで技術的に収集できないものがどうしてもでてしまいます。それを判定するためのオンラインサービスのようです。Vangelis Banos氏の個人プロジェクトです。

ArchiveReady - website archivability testing
http://archiveready.com/

 以下の5つの指標からarchivability(収集しやすさ)を採点してくれるようです。ちなみにここにある”Accessibility”は、いわゆるウェブアクセシビリティのアクセシビリティではなく、sitemap.xmlの有無などウェブサイトの個々のリソースがクローラーにとってアクセスしやすいかということを指しているようです。

  • Accessibility
  • Cohesion
  • Metadata
  • Performance
  • Standards Compliance

 オーストリアで行われたIA Webteam ConfluenceにおけるVangelis Banos氏によるArchiveReadyについての発表資料が公開されています。

9月 24

あまちゃん(Amazon)の手のひらで踊らされ続けていて辛い

 どうも。kzakzaです。今週であまちゃんが最終回ですが、翌週のあまちゃんレスな日々に耐えられそうですか?私は無理です。春に子どもが生まれまして、めでたく父親になりました。子どもは文字通り、日に日に出来ることが増えていってまして、桜木花道をみる安西先生ではありませんが、はっきりと見てとれる日一日の成長がこの上もない楽しみです。表情も本当に豊かになりました(私のではなく)。

 さて、育児に関しては、いろいろな方面の人生の諸先輩より

赤ちゃんは床に置くと泣く
ある高さより低い位置になると泣く

と生まれる前から聞いていましたのですが、その予告通り、我が子にも背中スイッチと高さセンサーが備わっておりまして、長時間立った状態で子どもを抱いてあやさなけれならないことが結構あります。特に寝てるけど半分は起きている、寝てるけど置くと泣く時には、もっと深い眠りにつくまでじっと待つしかないのですが、両手は塞がっている状態なので、私の首から上が暇になってしまいまして。

 そんなときでも指3本くらいならあいていることが多いので、その状態で(端末を)持つ、(ページを)めくる、が可能なKindle Paper Whiteを結構重宝しています。寝かしつける時は部屋を消灯するので、暗いところで読めるのもいい。今は講談社現代新書の歴史系のタイトルをいろいろと読みあさっています。

 Kindle Paper Whiteでも読むのが辛い場合は、Kindle for iPhoneで読むのですが、端末間のデータが同期されるので、Kindle Paper Whiteで最後に読んだ箇所をKindle for iPhoneですぱっと表示される。状況に応じて端末を変えても無問題。すばらしい。

 アクセシビリティというと、身体的な障害にフォーカスが当てられがちですが、読みたくても読めない状況はだれでもあるはずです。暗いので読めない、両腕がふさがっているので本が持てないという状況などです。そういう状況を当たり前のものと思い、そこで思考停止になっている、なんてことは他にいろいろとあるのでしょうか。「なぜできないのか」という問いかけは常に必要であると乳飲み子を抱えて改めて思う今日この頃です。

 Kindle日本の上陸が1年遅かったら、アマゾンヘビーユーザーの私はこの利便性を享受できなかったわけですが、そう考えると我々の前にある障害が少しずつ取り除かれていると考えるべきなのでしょうか。Amazonの思惑通りにその利便性の上で踊らされていると感じなくはないですが、一方で、市場原理によって利便性が追求された結果として、多くの人にその障害の存在が認知されることもなくいつのまにか解消されるというのは、あり得るべきかも思ったりもしまして。

プラットフォームに囲われて実現するのではなく、オープンスタンダードで分散的に実現されるのが一番良いですが、難しいでしょうか。しかし、オープンでシンプルなスタンダードを組みあわせることで、この世にもう1つの世界を構築させたWebを考えれば、ほとんどのものは不可能ではなかろうとも思うのです。

2013/09/25 追記
まったく本質的ではないのですが、冒頭のあまちゃんのくだりはいらないじゃないか、とか、もしかしてあまちゃんとAmazonをかけているのかというご指摘をいただいたので、後者を採用して、タイトルを「Amazonの手のひらで踊らされ続けていて辛い」から「あまちゃん(Amazon)の手のひらで踊らされ続けていて辛い」に変更しました。

9月 22

古地図のデジタルアーカイブにOpen AnnotationなアノテーションをつけるMaphubプロジェクト

 今回は、コーネル大学が行っているMaphubプロジェクトの紹介です。古地図のデジタルアーカイブにOpen Annotationなアノテーションをつける実証実験です。

 米国議会図書館から提供された約6000件のパブリックドメインの地図データを使用したデモが公開されています。ここでは、便宜上”Historic Map”を「古地図」と訳しましたが、1990年代の地図も公開されていたりと結構新しい年代の地図も使用されているようです。

 デモサイトでどのようなことができるのかを紹介する動画が公開されています。

Maphub Demo Screencast from slhck on Vimeo.

 詳しくは上の動画をみていただければと思いますが、

範囲を選択して

コメントをつけたり、タグ付けしたり ←(1)

GeoNamesなどのURIと組み合わせて地理参照(georeference)させる、つまり、地理的な識別子を古地図の画像データに付与したり ←(2)

できるようです。

 Open Annotation Data Modelを利用してどのようにアノテーションが表現されているかは以下のドキュメントで紹介されています。

(1)のコメントの付与やタグ付けのモデルは以下になります。

図  Open Annotation Commentarial Annotation

(2)の地理参照(georeference)のモデルは以下になります。

図 Open Annotation Georeference Annotation (Control Point)

以上、ここに掲載した図や画像はMaphub Open Annotation API Documentationからの転載でした。

 Maphubプロジェクトはフェーズ2を終了したところのようで、実証実験の報告書が公開されています。

関連エントリ

9月 19

Open Annotationで動画にコメントをつけるOpen Video Annotation Project

 Web上に公開された動画にコメントをつけるOpen Video Annotation Projectというプロジェクトのウェブサイトが公開されています。Open Annotation Data Modelが採用されています。

Open Video Annotation Project
http://openvideoannotation.org/

 Twitter上のやりとりからおそらく公開されたのは9/17前後でしょうか。このプロジェクトはハーバード大学のヘレニズム学センター(The Center for Hellenic Studies)のイニシアチブによって進められているようです。なぜここが・・という事情はよくわかりませんが、なんとなく属人的な事情のような気がします。

公開されたばかりであるためか、サイトに情報があまり掲載されていませんが、デモ動画が公開されており、コメントを付与してみることができます。

Explore Open Video Annotation

関連エントリ

9月 13

スーパーマリオ EPUB

 @commonstyle さんのツィートより。

https://twitter.com/commonstyle/status/378448635253387264
https://twitter.com/commonstyle/status/378452814004899841

EPUB3でスーパーマリオを作った方がいるようです。

 こういうのを紹介すると、ゲームをEPUB内にいれて何の意味があるのかという意見を聞くことがあるのですが、こういうのは、どんなものが作れるのかということをやってみせるということがなにより重要です。スーパーマリオはもってこいの素材ですね。

9月 04

EPUB版点字図書(点字記号フォント埋め込み版)をつくってみた

 @momdo_さんのブログの中で言及されている点字記号フォント同梱のEPUBがなかなか興味深かったので作ってみました。
 
 EPUB版点字図書の作成には、Project Gutenbergで提供されている以下の図書のテキストデータを使用しました。

 上のProject Gutenbergの図書のテキストデータを元に作成したのが以下のUnicode点字のEPUB版点字図書です。


図 iBooksで開くEPUB版点字図書

 TrueTypeとWOFF、OpenTypeの点字記号フォントを同梱しています。端末に点字フォントがない場合でも、WOFFとTrueType、OpenTypeのWebフォントにEPUBビューワーが対応していれば表示できるはずです(埋め込んだフォントの関係で、空白スペース部分は以下のように□が表示されます。ご了承ください)。
※なお、点字プリンタ、点字ディスプレイを利用する場合、出力先の機器がユニコードに対応していればよいだけですので、ここで行っているような点字フォントの埋め込みは本質的には必要ありません。

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 点字コンテンツの作成中に晴眼者がコンテンツを確認する以外にフラットなスマートフォンやタブレット端末で点字記号を表示させることに、あまり意味はないかもしれません。しかし、点字プリンタや点字ディスプレイにつなげることができれば話は別です。少なくともiOS端末は点字ディスプレイに対応しているようです。ここで作成したEPUB版点字図書を点字ディスプレイで閲覧するためには、さらに点字ディスプレイがUnicodeに対応している必要がありそうですが、ここで作成したEPUB版点字図書が使用できるかどうか気になるところです。

 なお、このEPUB版点字図書を作成するために変換に変換を重ねた上に(後述の「参考 作成のプロセス」を参照)、私自身、点字を読むことができないため、最終的にできあがったEPUB版点字図書には見出しがない、目次がない、パラグラフが適切でない、そもそも点訳がおかしいなどなどいろいろと問題があろうかと思います。今回はあくまで実験的にEPUB版点字図書を作ることに主眼をおいていますので、点訳の不備等についてはご了承ください。

 以下、蛇足ですが、変換するまでのプロセスです。

参考 作成のプロセス

 適度の量のUnicode点字のテキストファイルがなかなか見つからないため、以下の手順でProject Gutenbergで公開されている図書のテキストデータからEPUB版点字図書に変換しました。

  1. 元となる図書のテキストデータを用意
  2. テキストファイルをBRF形式の点字ファイル(Braille ASCII点字)に変換
  3. BRF形式の点字ファイルをPEF形式の点字ファイル(Unicode点字)に変換
  4. PEF形式の点字ファイルをEPUBに変換しやすいテキスト形式のUnicode点字ファイルに整形
  5. Unicode点字のテキストファイルをEPUB形式に変換
  6. EPUBに同梱する点字フォントを用意
  7. EPUB形式の中のメタデータを修正
  8. EPUBファイルを再作成
  9. 作成したEPUBファイルをバリデート
  10. デキタ! ヽ(`・ω・´)ノ

1.元となる図書のテキストデータを用意

  Project Gutenbergで提供されている以下の図書のテキストデータを使用します。

 私は点字を読むことができないため、この段階で意味のある単位である程度ファイルを分割・修正しておきます。
分割・修正後のファイル一式: pg35597_src.zip

2.テキストファイルをBRF形式の点字ファイル(Braille ASCII点字)に変換

 テキストファイルをBRF形式のBraille ASCII点字に変換してくれるWebサービスで1で用意したテキストファイルを点字ファイルに変換します。

変換後ファイル一式: pg35597_brf.zip
※上はBraille ASCII点字であり、1文字1点字の逐字点訳ですので、通常のテキストエディタで開くと、それなりに理解できるセンテンスや単語が表示されます。

3.BRF形式の点字ファイルをPEF形式の点字ファイル(Unicode点字)に変換

 BRFファイルからPEFファイルへの変換します。変換にはDAISY Piplelineを使用しました。このブログでよく紹介しているDAISY Pipleline 2のほうではなく、DAISY Pipleline 1のほうです。

47
図 DAISY Pipleline 1でBRF形式の点字ファイルをPEF形式の点字ファイルに変換

変換後ファイル一式: pg35597_pef.zip
※上はUnicode点字です。テキストエディタで開くと昨今の最新のOSであれば、点字記号の並んたテキストが表示されるはずです。

4. PEF形式の点字ファイルをEPUBに変換しやすいテキスト形式のUnicode点字ファイルに整形

 PEF形式の点字ファイルをEPUBに変換するコンバータは残念ながら、見つかりませんでした。次で変換に使用する「でんでんコンバーター」で変換できるようにテキストファイルに変更し、でんでんマークダウンの記述に変更します(ここは手作業)。

整形後ファイル一式: pg35597_txt.zip

5.Unicode点字のテキストファイルをEPUB形式に変換

 でんでんコンバーターで4までで作成したテキスト形式のUnicode点字ファイルをEPUBに変換します。
 

電書ちゃんのでんでんコンバーター – でんでんコンバーター

変換後: a_treatise_on_the_brewing_of_beer_e_hughes.epub

6.EPUBに同梱する点字フォントを用意

5で作業を終えてもよいのですが、点字フォントを搭載していない端末もまだ多いため、点字記号フォントをEPUBに同梱します。今回使用したの@momdo_さんに教えていただいたライセンスフリーの以下のフォントです。

 ただし、上で提供されているものは、TrueTypeフォントですので、EPUB 3の仕様でフォントのコアメディアタイプに指定されているWOFFフォントとOpenTypeフォントも用意したいところ。

 今回は以下を使用してTrueTypeからWOFFフォントとOpenTypeフォントに変換しました。

 5で作成したEPUBファイルの中を開いて以下の記述をそれぞれ追加します。

@font-face {
	font-family: Braille6;
	src: url(font/braille6.otf) format('opentype'), url(font/braille6.ttf) format('truetype'),url(font/braille6.woff) format('woff');
}
body {
  text-align: justify;
  text-justify: inter-ideograph;
	font-family: "Apple Braille", Georgia, "Segoe UI Symbol", Braille6, monospace;
  vertical-align: baseline;
  word-wrap: break-word;
}

OEBES/style.css

<manifest>
・・・
<item media-type="application/font-woff" href="font/braille6.woff" id="_braille6.woff" />
<item media-type="application/x-font-ttf " href="font/braille6.ttf" id="_braille6.ttf" />
<item media-type="application/x-font-opentype " href="font/braille6.otf" id="_braille6.otf" />
</manifest>
</metadata>

OEBES/content.opf

追記 埋め込みに使用した点字フォントについて

埋め込んだ点字フォントが表示される場合は、以下のようにスペースに当たる部分が□で表示されます。
38

 これは埋め込み使用した点字フォントにUnicodeにおけるU+2800に割り当てるべきフォント(点字における全く点のないフォント、つまり、点字における空白スペース)が用意されていないために生じている問題です。この問題を改善するためには埋め込むフォントそのものに手を入れる必要がありますが、フォントの改修はこのエントリの目的を超えるものになりますので、このままとさせていただきます。ご了承ください。

参考

 点字フォントの埋め込みについては、@momdo_ さんが以下のブログでまとめていただいていますので、こちらもご参照ください。

7.EPUB形式の中のメタデータを修正

 現時点ではメタデータの拡張どころか、詳細なメタデータ情報を表示するリーディングシステムがあまり多くないため、メタデータの記述で頑張ってもそれをあまり生かせませんが、せっかくの点字図書なので、メタデータのタイトルと著者には、墨字と点字の両方を記述したいところです。というわけで、dcterms:alternativeとdcndl:creatorAlternativeを使用して点字版のタイトルと著者をそれぞれ記述しました。点字記号のタイトルや点字記号の著者の方をdc:titleやdc:creatorにするべきかもしれませんが、スクリーンリーダーなどで読み上げることを考慮して墨字タイトル・著者をdc:titleやdc:creatorにあてました。

<package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" unique-identifier="identifier0" version="3.0" prefix="dcndl: http://ndl.go.jp/dcndl/terms/ ibooks: http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0/">
<metadata xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
<dc:identifier id="identifier0">urn:uuid:9a2b5539-34b4-469e-824b-5371cac917fa</dc:identifier>
<meta refines="#identifier0" property="identifier-type" scheme="xsd:string">uuid</meta>
<dc:title id="title0">A Treatise on the Brewing of Beer[braille]</dc:title>
<meta property="dcterms:alternative">⠂⠁⠀⠂⠂⠞⠗⠑⠁⠞⠊⠎⠑⠀⠂⠂⠕⠝⠀⠂⠂⠞⠓⠑ ⠂⠃⠗⠑⠺⠊⠝⠛⠀⠂⠂⠕⠋⠀⠂⠂⠃⠑⠑⠗⠡</meta>
<dc:creator id="creator0">E. Hughes</dc:creator>
<meta property="dcndl:creatorAlternative">⠀⠂⠑⠹⠀⠂⠂⠓⠥⠛⠓⠑⠎⠹</meta>
<dc:format>application/epub+zip</dc:format>
<dc:language>en-US</dc:language>
<meta property="ibooks:specified-fonts">false</meta>
<meta property="dcterms:modified">2013-09-03T16:30:43Z</meta>
</metadata>

OEBES/content.opf
※dcterms:alternativeとdcndl:creatorAlternative部分の点字記号がうまく表示できない場合はこちら

8.EPUBファイルを再作成

 以上の修正を終え、zipコマンドで再度、EPUBを再作成します。

cd pg35597
zip -0 -X ../pg35597.epub mimetype
zip -r ../pg35597.epub * -x mimetype


図 EPUBへ変換する前のソースファイル

9.作成したEPUBファイルをバリデート

 8で作成したEPUBを念のため、バリデータで確認します。ここで結構ひっかかりました・・。

10.デキタ! ヽ(`・ω・´)ノ

 バリデータが祝ってくれたら完成です ヽ(`・ω・´)ノ
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図 問題なしということで、祝ってくれるEPUB Validatorの図

完成版(再掲): pg35597.epub

関連エントリ

9月 02

ウェブアクセシビリティ基盤委員会主催の公的機関Web担当者のためのアクセシビリティセミナーのスライド資料

 東京、名古屋、大阪で開催されたウェブアクセシビリティ基盤委員会主催の公的機関Web担当者のためのアクセシビリティセミナー~JIS X 8341-3:2010対応のすすめかた~のスライドが公開されています。障害者差別解消法に必要な対応がまだ具体的ではないのかな・・。

 参加できるなら参加したかったところです。個人的にはEPUBがJIS X 8341-3:2010の対象になるか否かについて確認してみたかった(対象になると思いますが)。