10月 29

10月30日のJEPAセミナーは「電子書籍、電子教科書のアクセシビリティ」

10月30日に行われるJEPAセミナーのテーマが「電子書籍、電子教科書のアクセシビリティ」ということで非常に気になります(まだ申し込み受付中とのこと)。

 私は残念ながら参加できませんが、過去のJEPAセミナーでは講演動画が公開されているようですので、このセミナーの動画も講演されるといいなぁ・・・。

概要

日時:2013年10月30日(水) 14時00分~ 
場所:研究社英語センター B2F 大会議室
URL:http://www.epubcafe.jp/egls/epubseminar32

内容・講師

●EDUPUBライブ報告
 ボストンで開催中の教育用EPUBコンファレンス第1日目の模様を、写真とSkypeで現地から報告(予定)
 EDUPUBプログラム委員(上智大学、ISO/IEC SC36) 田村 恭久 氏

●デジタル教科書・教材に関する課題とその検討
 日立コンサルティング 岡山 将也 氏
 DAISY(アクセシブルな情報システム)との共同作業で策定された「EPUB 3」には、アクセシビリティに関する機能が盛り込まれています。 これを活用して、教科書会社の負担を少なくし、バランスが取れたデジタル教科書の作り方を提案します。 実際にEPUB 3で作られたアクセシブルなデジタル教科書のデモも行う予定です。

●独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 ご紹介
 総括研究員 梅田 真理 氏

●公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 ご紹介
 情報センター長 野村 美佐子 氏

●特定非営利活動法人 支援技術開発機構(ATDO) ご紹介
 副会長 河村 宏 氏

●マイクロソフトのアクセシビリティへの取り組み
 日本マイクロソフト 大島 友子 氏
 東大先端研と進めているAccess Reading、読み障碍のお子さんの実証研究成果、Windows 8.1に内蔵されたTTS機能などをご紹介します。

●EPUBとDAISY「楽しい・簡単・アクセシブル」
 イースト 高瀬 拓史 氏
 EPUBとDAISYの関係、そして、簡単にKindleでも、iBooksでも、Koboでも稼働するEPUB 3コンテンツ制作の方法をご紹介します。

高瀬さんの発表は以下のスライドと

 その後、でんでんコンバーターに追加された以下の機能の合わせ技でしょうか。うーん、聞きたい。

でんでん開発ブログ : でんでんコンバーターに朗読付きEPUB作成支援機能が追加

 それにしても、DAISYとEPUBの間にある越えられそうで今のところなかなか超えられない壁に「あぁ、惜しい!なんとかしたい!」といつも思っているだけに、高瀬さんの上のスライド31にある「この壁をなんとかしたいんです!!」は、言いたいこと言われてしまって嬉しいやら辛いやらなのです > <


でんでんコンバーターによるEPUB制作 スライド31

10月 27

Internet ArchiveのWayback Machineが大幅にサービスをリニューアル

先のエントリでアプリケーションのWaybackの話を紹介しましたが、今回はInternet Archiveが提供するWayback Machineというサービスの話です。Internet ArchiveのWayback Machineが10月25日リニューアルし、サービス・機能を大幅に強化しました。

00
Internet Archive: Wayback Machine

 リニューアル前の画面も当然ですが、Internet Archiveに保存されていますので、見ることができます。
11
Internet Archive: Wayback Machine 2013/10/21

リニューアルの詳細

  リニューアルの詳細は、以下のIAブログで紹介されています。「この世界(インターネット)は俺たちに任せろ」といわんばかりのInternet Archiveの「アーカイブ」に対する強い自負が感じられるエントリです。

 まとめると以下になります。

1.アーカイブされたウェブページをより早く公開

 アーカイブされたウェブページをクローラーで収集されてから1時間強で利用できるようになりました。これまでは利用できるまで数ヶ月かかっていたようですので、すごい時間短縮です。


収集したことを知らせるとともに、利用できるようになるまで数ヶ月かかることを知らせる従来のメッセージ
from
Internet Archive“Wayback Machine” | 世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業より

2.インスタント・オンデマンド・アーカイブサービス

 と、勝手ながら呼ばせていただきましたが、Internet Archiveはユーザーのリクエストに応じてウェブサイトにクローラーを走らせ、ウェブページを保存するサービスを開始しました。

 アーカイブされてから提供されるまで1で紹介したような機能強化がされても1時間強はかかりますが、リンクを貼るためのWayback Machineにおけるウェブページの固定URLはユーザーがアーカイブをリクエストをしたタイミングで知らせてくれます。

 ウェブページを引用や参考文献に使いたい研究者やWikipediaの執筆者、法律家、学生などだれでも利用することができます。1のクローラーによる収集からアーカイブされたウェブページの公開に至るまでの時間短縮とあわせて考えるとこれは凄い機能です。

 簡単に流れを紹介しますと

 トップページに以下のようなフォームが用意されています。Internet Archiveに保存を依頼したいウェブページのURLを入力します。
Save Page Nowというフォーム

そうすると、すぐにIAのクローラーが走り、ウェブページのアーカイブが開始します。
アーカイブ処理中をしらせる画面

無事、アーカイブ処理が終了するとその固定URLが表示されます。
アーカイブ処理が終了したことをしらせ、その固定URLが表示される

 上のURLでアーカイブされたウェブページが利用できるようになるのは、1時間ほど先ですが、固定URLはすぐに取得できます。論文やなにかの執筆などに挙げる参考文献のために安定したURLを提供する機能として考えれば、アカデミズムへの貢献という観点からみてもウェブアーカイブの面目躍如たる機能だと思います。

3.Wayback Availability JSON API

 Wayback Machineに保存されているかどうかをプログラムによって確認できるWayback Availability JSON APIが公開されました(おそらく新規公開)。

4.Web上からリンク切れをなくす取り組み

 Internet Archiveがアーカイブしたウェブサイトをオリジナルのウェブサイト管理者に活用してもらうことで、リンク切れをなくす取り組みです。

WordPress.com及びセルフホストでWordpressで構築されたウェブサイト

 WordPress.comで公開されているブログと、Wordpressによりセルフホストで構築されたサイト(えっ・・汗)、そして、それらからリンクが貼られている外部のウェブページを含めて、Internet Archiveはクローラーを走らせて保存しているそうです(1日URL300万件分が保存されているとのこと)。

 リンク切れがあった場合にInternet Archiveが保存したウェブサイトのURLに自動的に変更するWordpressのプラグイン”Broken Link Checker”をInternet Archiveが作成し、提供しています。

Wikipedia.org

 Wikipedia.orgの全ての更新記事や新規記事に掲載されている外部リンク先(outlinks)のウェブサイトにクローラーを走らせ、Wikipedia.orgからリンクを貼られているウェブサイトを保存しているそうです(1日URL500万件分が保存されているとのこと)。

 Wikipediaから貼られた外部のウェブサイトが仮に消失してしまい、リンク切れになったウェブサイトは自動的にInternet Archiveが保存したウェブサイトのURLに自動的に変更されるような仕組みについて、Internet ArchiveとWikipediaで協議しているとのことです。

全てのウェブマスター向け

 全てのウェブマスターに以下の数行を404ページに追加することを呼びかけています。

<div id="wb404"/>
<script src="https://archive.org/web/wb404.js"> </script>

 404ページに上の2行のタグを追加しておくと、あるURLのページが消失し、404画面が表示される際に仮にそのURLの過去のウェブサイトがInternet Archiveが保存されていた場合は以下のような案内を404画面に表示して、Wayback Machineに誘導してくれます。

その例が以下です。

 詳しくはIAブログの以下をご参照ください。

 Internet Arhiveのブリュースター・ケール氏、Internet Archiveへのアクセスの集中がすごいために、アクセスを散らすためにSiteless WebsiteなどというP2P方式のコンテンツ提供方式を考えたりしているらしいのですが、そんなInternet Achiveがアクセスを減らす方向ではなく、よりアクセスを集めそうなサービスを展開する、その姿勢はすげーと思います。

関連エントリ

10月 26

Internet ArchiveがHistorical Software Archiveを公開。あのソフトウェアをブラウザ上で実行できるぞ

  Internet Archiveが10月25日にHistorical Software Archive(Historical Software Collection)を公開しました。Internet Archiveはすでに過去のソフトウェアをアーカイブしたSoftware Collection を公開していますが、Historical Software Archiveはその中から著名で歴史的に重要なものを集めたコレクションだそうです。

 Historical Software Archiveと他のソフトウェアコレクションとの違いは、Historical Software Archiveのほうはソフトウェアをブラウザ上で実行できるということでしょうか。JSMESSというJavaScriptベースのエミューターが使用されているそうです。JSMESSが対応している環境が多くてすごい・・・。

 公開されているソフトウェアは28とまだ多くはなく、気のせいか、いや、まちがいなく、ゲームが多くを占めているような・・・。その多くないタイトルの中にあのカラテカがあったりして、ブラウザで遊べたりとか・・・。

10月 26

Game accessibility guidelines

 障害をもつゲーマーが楽しむことができるゲームづくりのためのテレビゲーム作成者向けアクセシビリティガイドラインが公開されています。2012年9月に公開。ゲームデザイナーのIan Hamilton氏を中心とするプロジェクトによって作成されたものだそうです。

Game accessibility guidelines
http://gameaccessibilityguidelines.com/

 ガイドラインは、初級、中級、上級にそれぞれに以下のジャンルでがわかれ、それぞれに

  • General[一般]
  • Motor(Control / mobility)[コントロール/モビリティ]
  • Cognitive(Thought / memory / processing information)[認識]
  • Vision[視覚・UI]
  • Hearing[聴力]
  • Speech[スピーチ・音声]
10月 26

今年もやってるぞ!Books In Browsers 2013

今年も10/24-10/26(hackday含む)にBooks In Browsersがサンフランシスコで開催されています。Books In Browsersは一言でいえば、電子書籍は専用のビューワー上ではなく、ブラウザ上で読ませるべきだと強く思っている人たちがあつまるイベントです。「#bib13」というハッシュタグで関係するツィートを追うことができます。

Books In Browsers
http://bib.archive.org/

フラクフルトブックフェアとともにHypothes.isがBooks In Browsers 2013のプロデュース及びスポンサーをしているらしく、ちょっと驚きました。

去年まではボイジャーの荻野社長がこのイベントに参加されていましたが、今年は日本からの参加はないようです。BiB/iの方が参加されていたら・・と少し思ったりしまして。

関連エントリ・リンク

10月 24

教育委員会や学校に求められる措置や配慮などを障害ごとにまとめた文科省の「教育支援資料」

kintaさんの以下のブログで知ったのですが、文部科学省が「教育支援資料」というものを10月に公開したようです。インクルーシブ教育のために教育委員会や学校に把握が求められる障害の基本情報や求められる具体的な措置や配慮などがが障害ごとにまとめられています。参考資料含めて300頁弱の大部な資料です。

10月 24

iBooks for Mac OSのMedia Overlays対応

 結論から申せば、iOS版と同じく、固定フォーマットのEPUB版のみでのMedia Overlays対応でした。

 固定フォーマットMedia OverlaysありのEPUBはkintaさんがすでに試されていますが、テキストハイライトに同期させての音声再生が可能です。

 しかし、固定フォーマットでないMedia OverlaysなEPUB(IDPFが公開している以下のサンプル)で試したところ、再生はできませんでした。

 朗読のUIだけは表示されるんですけどね・・


iBooks for Mac OSで固定フォーマットでないMedia OverlaysなEPUBを開いた状態
(朗読メニューが表示されているが、アイコンなどは非アクティブ状態)

10月 23

デスクトップ環境の電子書籍ビューワーのUI

 むかし、むかし、こんなエントリを書き、「電子書籍ビューワーのUIって、なんかいろいろ足らないんじゃないっすかっ!」と訴えたことがありました・・・

 しかし、デスクトップ上では状況が変わってきたようです。今日、公開されたiBooks for Mac OS X や Murasakiでは、当然のように複数の本が開けます。

 本文と巻末の注を電子書籍で読むなんて辛い辛い、と思ってましたが、同じ本の異なる箇所を別々のウィンドウで同時に表示できれば解決じゃないか!ワッショイ!ワッショイ!という感じです(Murasakiは同じ本を複数のウィンドウで立ち上げることができましたが、iBooksは残念ながらできないようですね。これは残念です)。

 2011年にあのエントリを書いた時には1つのビューワー内で複数の本を見比べるにはどんなUIがよいのかと考えていたのですが、複数のウィンドウを表示できればかなり解決しますね。なんというか、マルチウィンドウに気がつかないとか、いつの時代の人間かっ!と思ったりしました。

 ウェブブラウザのようにタブUIも実装してユーザーが、異なるタイトルは別のウィンドウに、同じ本の違う箇所は同じウィンドウにまとめてタブで切り替えとかできるようになるとよいですね。

 複数の書籍を見比べられるようになってくると、いよいよEPUB CFIの実装が重要になってきます。

10月 18

EPUB 3の長期保存に関する検討を行うISOとIECの共同分科会が設置されることに

ISO/IEC JTC 1/SC 34※1、IEC/TC 100/TA 10※2、ISO/TC46/SC 4※3 による共同分科会(Joint Working Group)がEPUB 3のarchivability、つまり、長期保存に関する検討を行うために設置されることになったそうです。

 将来的にOOXMLとODFにもスコープを拡げてることを想定しているようですが、まずはEPUB3の長期保存に適したMETS(Metadata Encoding and Transmission Standard)のプロファイルを作成することを目的としているようです。METSのプロファイル作成はTC 46/SC 4が中心となって進めるようですね。

EPUBの長期保存に関するISO関係の参考文献
METSについての参考文献

※1 ISO/IEC JTC 1/SC 34
International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission Joint Technical Committee 1/SubCommittee 34(国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) の第一合同技術委員会第34専門委員会)。文書の記述と処理の言語の標準化について検討する専門委員会です。
http://www.itscj.ipsj.or.jp/sc34/ 

※2 IEC/TC 100/TA 10
International Electrotechnical Commission/Technical Committee 100 Technical Area10 (国際電気標準会議第100技術委員会第10テクニカルエリア)。 オーディオ・ビデオ・マルチメディアシステムおよび機器に関する専門委員会の下に設けられたマルチメディア電子出版と電子書籍技術に関するテクニカルエリア(という名前のプロジェクトチーム)
http://tc100.iec.ch/about/structure/tc100_ta10.htm

※3 ISO/TC46/SC 4
International Organization for Standardization/Technical Committee 46/SubCommittee 4(国際標準化機構 (ISO) 第46技術委員会第4専門委員会)。 情報とドキュメンテーションに関する技術委員会です。
http://www.iso.org/iso/iso_technical_committee.html?commid=48750

関連エントリ