7月 21

著作権法第三十七条(視覚障害者等・聴覚障害者等のための複製等)の変遷

昭和45年に著作権法が全面改正された時の著作権法第三十七条は以下のとおりでした。

(点字による複製等)
第三十七条 公表された著作物は、盲人用の点字により複製することができる。
2 点字図書館その他の盲人の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、もつぱら盲人向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる。

 

 それが現在の姿になるまでの改正の変遷をまとめてみました。文化庁のサイト日本法令索引(法令沿革と審議過程がわかるデータベース)をもとにしています。なお、平成15年以前の改正については、文化庁に情報がなく、日本法令索引を目視で1つ1つ変遷を拾うことでまとめたため、見落としのある可能性があります。ご注意ください。

 現行の著作権法(昭和45年法律第48号)は日本法令索引の著作権法 ( 昭和45年 5月 6日法律第48号 ) 法令沿革一覧にあるとおり、昭和45年に明治32年法律第39号の全部が改正され、昭和45年法律第48号になって以降、頻繁に改正されていますが、第三十七条はそのうち、平成12年、平成18年、平成21年、平成26年に改正されています。

  1. 昭和45年の著作権法全面改正(昭和45年法律第48号)
  2. 平成12年改正(平成12年法律第56号)
  3. 平成18年改正(平成18年法律第121号)
  4. 平成21年改正(平成21年法律第53号)
  5. 平成26年改正(平成26年法律第35号)※平成27年1月1日施行

1. 昭和45年の著作権法全面改正(昭和45年法律第48号

(点字による複製等)
第三十七条 公表された著作物は、盲人用の点字により複製することができる。
2 点字図書館その他の盲人の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、もつぱら盲人向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる。

改正点

 著作権法は明治32年法律第39号の全部が改正され、昭和45年法律第48号となった。

参考

  • 著作権法 ( 昭和45年 5月 6日法律第48号 ) | 日本法令索引
  • 2. 平成12年改正(平成12年法律第56号

    (点字による複製等)
    第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。
    2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
    3  点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、専ら視覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる

    (聴覚障害者のための自動公衆送信)
    第三十七条の二
    聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。

    改正点(平成12年法律第56号より)

    第三十七条第一項中「盲人用の」を削り、同条第二項中「盲人」を「視覚障害者」に、「もつぱら」を「専ら」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
     2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。

      第三十七条の次に次の一条を加える。
      (聴覚障害者のための自動公衆送信)
     第三十七条の二 聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。

    参考

  • 著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成12年 5月 8日法律第56号 ) | 日本法令索引
  • 3. 平成18年改正(平成18年法律第121号

    (点字による複製等)
    第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。
    2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
    3  点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、公表された著作物について、専ら視覚障害者向けの貸出しの用若しくは自動公衆送信(送信可能化を含む。以下この項において同じ。)の用に供するために録音し、又は専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行うことができる。

    (聴覚障害者のための自動公衆送信)
    第三十七条の二
    聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。以下この条において同じ。)について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該放送され、又は有線放送される著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。

    改正点(平成18年法律第121号より)

      第三十七条第三項中「おいては」の下に「、公表された著作物について」を、「貸出しの用」の下に「若しくは自動公衆送信(送信可能化を含む。以下この項において同じ。)の用」を加え、「、公表された著作物を録音する」を「録音し、又は専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行う」に改める。
      第三十七条の二中「有線放送される著作物」の下に「(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。以下この条において同じ。)」を、「当該」の下に「放送され、又は有線放送される」を加える。

    参考

    4. 平成21年改正(平成21年法律第53号

     2014年7月21日現在の現行の第三十七条はこれです。

    (視覚障害者等のための複製等)
    第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。
    2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
    3  視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

    (聴覚障害者等のための複製等)
    第三十七条の二  聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
    一  当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
    二  専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。

    改正点(平成21年法律第53号より)

     第三十七条の見出し中「点字による」を「視覚障害者等のための」に改め、同条第三項を次のように改める。

    3 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

     第三十七条の二を次のように改める。

     (聴覚障害者等のための複製等)

    第三十七条の二 聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
     一 当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
     二 専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。

    参考

     

    5. 平成26年改正(平成26年法律第35号)※平成27年1月1日施行

    (視覚障害者等のための複製等)
    第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。
    2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
    3  視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

    (聴覚障害者等のための複製等)
    第三十七条の二  聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
    一  当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
    二  専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。

     

    改正点(平成26年法律第35号より)

    第三十七条第三項ただし書及び第三十七条の二ただし書中「受けた者」の下に「若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者」を加える。

     また、平成26年の改正では、将来の第37第3項の改正も視野に入れた付帯決議が衆議院と参議院でなされています。

    参考

    7月 17

    米国のアクセシブルな印刷物を統合的に検索できる"Louis Database"

     American Printing House for the Blind (APH)がアクセシブルな印刷物を統合的に検索できるデータベース”Louis Database”を運営しています。米国の160の組織から点字資料、大活字本、音声データ(MP3、DAISYなど)の書誌情報の提供を受けて構築しています。APHは米国で19世紀から視覚障害者向けの教材や機器を販売している非営利団体で視覚障害者を対象とする製品の研究、開発、販売をする企業としては世界最大らしいです。

    Louis Databaseのトップページ
    Louis Database of Accessible Materials – American Printing House for the Blind (APH)
    http://louis.aph.org/

     
     資料の書誌情報だけではなく、各機関における入手方法も同時にわかるようになっています。
    40
    “The Japanese today”の書誌と入手方法

     Louis Databaseは書誌を検索するだけではなく、電子データを検索・ダウンロードすることができるようになっています。ダウンロードできるデータ以下の通り。 他のサービスから提供を受けているものは点字データのみのようですね。

     申告制ですが、アクセシブルな印刷物を刊行してる出版社のダイレクトリも公開しています。

    7月 16

    4月に行われたW3C Web Annotations Workshop報告が公開されている。

    以下のエントリで紹介したように、Open Annotationなイベントが4月に連続して開催されました。その1つのW3Cのワークショップで、W3C Annotation Working Groupの憲章案について議論が重ねられたようです。

     そのWorkshopのサマリ−、関係者の提案、発表スライド、発表動画が以下でまとめられた形で公開されています。

    7月 16

    アノテーションを付与する機能を実装できるOSSのJavaScirptライブラリ"Annotator"

    Annotatorはウェブページにアノテーションを付与する機能を実装できるオープンソースのJavaScirptライブラリです。シンプルなものであれば、自分のウェブサイトにアノテーションを付与する機能を簡単に実装できるようです(自分では試していない)。開発はOpen Annotation関係者のようですので、Open Annotation Data Modelを使用しているのだろうと思います。(Open Annotation系の語彙を追加するモジュールもあるようですし)


    Annotator
    http://annotatorjs.org

     拡張しやすいように開発されているらしく、プラグインで機能を追加することもできます。サードパーティのプラグインの開発も歓迎しているようで、サードパーティのプラグインが以下で公開されています。映像にアノテーションを付与する機能を追加するプラグインやWordpressやDrupalといったCMSのモジュールとしてプラグインなど様々なタイプのプラグインが公開されています。まだ無いですが、EPUBやPDF、画像、音声にアノテーションを付与するようなサードパーティによるプラグインの開発なども想定しているようです。

     このライブラリを使用しているサービスが以下に公開されています。教育分野での利用が結構多い。見覚えのあるUIだと思ったら、Hypothes.isもこのライブラリを使用しているんですね。

     開発者であるNick Stenning氏がこの4月に行われたI Annotate 2014でAnnotatorを紹介しています。

    7月 16

    W3C Annotation Working Groupの憲章案がW3Cの諮問委員会のレビューの段階に。早ければに9月にWG発足

    この件、わりと細かく追っていますが、2月のエントリで紹介したW3C Annotation Working Groupの憲章案がW3Cの諮問委員会(Advisory Committee)のレビューの段階に入ったようです。このままうまく進めば9月にW3C Annotation Working Group立ち上げとなるようです。

    WGでは以下をスコープとしています。

    1. Abstract Data Model: An abstract data model for annotations
    2. Vocabulary: A precise vocabulary describing/defining the data model
    3. Serializations: one or more serialization formats of the abstract data model, such as JSON/JSON-LD or HTML
    4. HTTP API: An API specification to create, edit, access, search, manage, and otherwise manipulate annotations through HTTP
    5. Client-side API: A script interface and events to ease the creation of annotation systems in a browser, a reading system, or a JavaScript plugin

    ※2014/97/16 追記
     その後、W3Cの諮問委員会にレビューされている憲章案が公開されました。

     このWGで検討される仕様は以下の6つです。いずれの仕様も2016年7月にW3C勧告にするマイルストーンが示されています。

    • Annotation Abstract Data Model. W3C Recommendation.
    • Vocabulary for the Annotation Abstract Data Model. W3C Recommendation.
    • Serializations of the Annotation Abstract Data Model. W3C Recommendation.
    • HTTP API for Annotations. W3C Recommendation.
    • Client-Side API for Annotations.W3C Recommendation.
    • Robust Link Anchoring. W3C Recommendation.

    Ivan Herman氏がこの4月に行われたI Annotate 2014でW3C Annotation Working Groupの今後について紹介しています。

    W3C Annotation Working Group and Charter Progress ~ Ivan Herman @ I Annotate 2014

    関連エントリ

    W3C Annotation Working Group立ち上げの動きについて

    Open Annotationについて

    Open Annotation関連の動き

    7月 12

    前のブログを閉鎖しまして、代わりに404からInternet ArchiveのWayback Machineに飛べるようにしました

     このブログと並行して公開していた”e-chuban blog”(http://wp.kzakza.com/)というブログを先日閉鎖しました。中国語圏の出版情報や図書館情報を集めていたブログでした。ここ数年はこの分野への私の関心が薄れてしまったせいもあって、更新頻度も激減し、最後の記事を掲載してから1年以上経過してしまいました。掲載している情報もかなり古くなってしまって、鮮度も落ちてしまった。もういいかなと。更新を停止してもブログをそのまま残しておくことも考えたのですが、更新しないブログにログインしてWordpressのアップデート等のメンテナンスをし続けるのも、もはや面倒。もういいかなと。

     そういうわけで、ブログを先日閉鎖しました。

     代わりにというわけではないのですが、e-chuban blog”(http://wp.kzakza.com/以下)にアクセスすると404のページからInternet ArchiveのWayback Machineに飛べるようにしてみました(ちょっとやってみたかった)。Wayback Machineに該当ページが保存されていれば、以下のようなリンクが表示され、収集されたページ誘導されるはずです。保存されていなければ表示されません。

    Would you like to see an archived version of this page in the Internet Archive's Wayback Machine?

     自分のブログの全エントリを積極的にInternet Archiveに永久保存してほしいとはとても思えないので、保存依頼はとくせず、Internet Archiveに保存されるにまかせました。印象としては、保存されていればラッキーと思える程度という感じです。個人のブログだとそんなものですかね。

     これについてやったことは、404のページに以下の2行を追加したぐらいです。

    <div id="wb404"/>
    <script src="https://archive.org/web/wb404.js"> </script>
    

     
     この404については、以下を参照してください。

    7月 10

    指でなぞった印刷媒体の箇所を読み上げるウェラブル端末"FingerReader"をMIT Media Labが開発

    MIT Media Labが印刷媒体の指でなぞった箇所を読み上げてくれるウェラブル端末”FingerReader”を開発しました。


    FingerReader | Fluid Interfaces

     以下は紹介動画です。視覚障害の方のために開発したとのことですが、ディスレクシアや発達障害の方が使っても有用な端末ではないかと思いました。また、印刷媒体を用いて電子書籍でできるようなこと、たとえば、辞書を引く、SNSに投稿する、コメントを残すなんてこともこれを使えばできるのではないでしょうか。

    FingerReader – Wearable Text-Reading Device from Fluid Interfaces on Vimeo.

    参考

    7月 10

    漫画の「音訳」(まんがDAISYの話)

    「音訳」(おんやく)とは、文字情報や図表などの視覚情報を聴覚情報、つまり、音声に忠実に置き換える行為で、具体的には紙媒体の図書や雑誌をDAISYやテープという形式によって録音図書や録音雑誌にすることなどを指しています。視覚障害者等のための情報保障の手段の1つです。

     いわゆる「朗読」とよく混同されますが、視覚情報を忠実に音声に置き換えることが求められますので、本文のテキスト情報だけではなく、図や表、写真のような非テキスト情報に対してはその説明をする必要があります。また、同音異義語・記号等、文字、略称をただそのまま読んだのでは意味が正しく伝わらないものがありますので、意味がわかるよう、必要に応じて説明をつける、1文字ずつ読む、略称を元のフルネームに戻して読んだり等々を行う必要があります。繰り返しますが、視覚情報を忠実に聴覚情報に変換することが求められますので、誤読のないように読むことが求められます。日本語だと、漢字の読みの問題がありますので、読みの調査を含めた事前の調査が欠かせません。その資料の分野の知識をある程度を知っていなければ、これらの調査を行うこともできませんから、対象資料の専門性が高くなればなるほど難易度は高くなっていきます(例えば、医学系の書籍に掲載された画像に説明をつけることを想像していただけば・・・)。

     前置きが長くなってしまいました。ここからが本題漫画の音訳についてです。

     視覚情報を忠実に音声に置き換えることが求められる音訳ですが、対象が漫画になるとどうなるかという話を少々。漫画の音訳について日本ライトハウス情報文化センター「ワンブックワンライフ」で少し紹介されています。

    近畿視情協録音製作委員会では、昨年から各施設がまんがの音訳に取り組んでいけるよう、読み方の要点や製作作業の流れなどを整理してきました。今回の録音分科会では、この報告がなされた後、まんが表現の基本について学びました。
    まんが音訳は、絵と文字で表現されたものを音声化します。文章の読み上げと絵の説明の順序、絵の描写の説明の仕方(音訳者により個人差がある)、コマの変わり目やページの変わり目の案内方法など、さまざまな工夫が必要になります。説明が多すぎるとストーリーの流れが損なわれますし、少ないと内容が理解できにくくなるため、バランスが大切です。
     報告では利用者の感想も発表され、まんがの音訳に対する期待感が伝わってきました。また、10年以上前からまんが音訳に取り組んでいるグループN-BUNの方々にもお話を伺いました。原本から文章を抜き出し、絵の説明などを加えた「シナリオ原稿」を作成してから録音することなど、実際の作業について説明されました。
     後半の講義では、花園大学の畑先生による「まんがの読み方」の講義があり、まんが表現の基本について説明を受けました。まんがの紙面には「重要な情報」と「背景的な情報」があること。それらを判別するには、コマの位置や、コマ内部のレイアウトが関係していること。具体的には、ページがめくられる前後のコマが重要であることや、コマの内部では台詞と台詞の間(視線の通り道)に人物(表情)が描かれており、これらは重要な情報。それ以外の視線から外れやすいものなどは背景的な情報であることが多いなど、非常に興味深いお話でした。
     まんが表現の基本を学ぶことで、音訳の際、優先して伝えるべき情報が把握しやすくなり、聴きやすい録音図書の製作につながります。今後も各施設・団体で協力し、まんが音訳の基本ルールを作っていければよいと思いました。
    from 日本ライトハウス情報文化センター「ワンブックワンライフ」2014年2月号

     他のジャンルの資料と同じような詳細な説明を漫画の絵に対して付すと、コマのテンポを損ねてしまうかもしれない。しかし、逆に説明を省きすぎると必要なコマの状況が伝わらない。コマの大きさにも意味がありますので、コマ割りをどのように音訳で表現するべきか。セリフの読み上げと絵の説明はどういう順序で行うべきか。擬音などの漫画独特の表現方法をどう音訳するか。などなど漫画ならではの苦労があるようです。

     ウェブや「サピエ図書館」を調べるとまんがDAISYを製作している機関はすでにいくつかあるようです。「ワンブックワンライフ」を読むかぎりまだまだ試行錯誤の段階なのかもしれません。漫画の音訳について詳しく知りたい。

    7月 09

    第3次障害者基本計画(平成25年9月閣議決定)

     国は、障害者基本法に基づき、障害者施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者基本計画を定めています。この障害者基本計画は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定されるもので、政府が講ずる障害者のための施策の最も基本的な計画として位置付けられています。平成25年9月閣議決定された第3次障害者基本計画は平成25(2013)年度から29(2017)年度までの概ね5年間を対象としています。

     この計画、国の障害者を対象とする施策の基本となるだけに、どの項目の動向も追っていかねばならないところですが、特に施策の動向が気になるのは以下でしょうか。そのほか、エントリが長くなるので、以下には挙げませんでしたが、「7.安全・安心 (1)防災対策の推進」、「10.国際協力」も気になるところです。

    (3) 高等教育における支援の推進
    ○ 大学等が提供する様々な機会において,障害のある学生が障害のない学生と平等に参加できるよう,授業等における情報保障やコミュニケーション上の配慮,教科書・教材に関する配慮等を促進するとともに,施設のバリアフリー化を推進する。3-(3)-1
    ○ 大学入試センター試験において実施されている障害のある受験者の配慮については,障害者一人一人のニーズに応じて,より柔軟な対応に努めるとともに,高等学校及び大学関係者に対し,配慮の取組について,一層の周知を図る。3-(3)-2
    ○ 障害のある学生の能力・適性,学習の成果等を適切に評価するため,大学等の入試や単位認定等の試験における適切な配慮の実施を促進する。3-(3)-3
    ○ 入試における配慮の内容,施設のバリアフリー化の状況,学生に対する支援内容・支援体制,障害のある学生の受入れ実績等に関する各大学等の情報公開を促進する。3-(3)-4
    ○ 各大学等における相談窓口の統一や支援担当部署の設置など,支援体制の整備を促進するとともに,障害のある学生への修学支援に関する先進的な取組を行う大学等を支援し,大学等間や地域の地方公共団体,高校及び特別支援学校等とのネットワーク形成を促進する。3-(3)-5
    ○ 障害のある学生の支援について理解促進・普及啓発を行うため,その基礎となる調査研究や様々な機会を通じた情報提供,教職員に対する研修等の充実を図る。3-(3)-6

    (4) 文化芸術活動,スポーツ等の振興
    ○ 障害者が地域において,文化芸術活動,スポーツに親しむことができる施設・設備の整備等を進めるとともに,障害者のニーズに応じた文化芸術活動,スポーツに関する人材の養成等の取組を行い,障害の有無にかかわらず,文化芸術活動,スポーツを行うことのできる環境づくりに取り組む。特に,障害者の芸術活動に対する支援や,障害者の芸術作品の展示等を推進するための仕組みを検討し,推進を図る。3-(4)-1
    ○ 国立博物館,国立美術館,国立劇場等における文化芸術活動の公演・展示等において,字幕や音声案内サービスの提供等,障害者のニーズに応じた工夫・配慮が提供されるよう努める。3-(4)-2
    ○ 障害者芸術・文化祭や全国障害者スポーツ大会の開催を通じて,障害者の文化芸術活動,スポーツの普及を図るとともに,民間団体等が行う文化芸術活動,スポーツ等に関する取組を支援する。特に,身体障害者や知的障害者に比べて普及が遅れている精神障害者のスポーツの振興に取り組む。3-(4)-3
    ○ パラリンピック,デフリンピック,スペシャルオリンピックス等への参加の支援等,スポーツ等における障害者の国内外の交流を支援するとともに,パラリンピック等の競技性の高い障害者スポーツにおけるアスリートの育成強化を図る。3-(4)-4
    ○ 聴覚障害者及び視覚障害者が映画を楽しむことができるよう,関係団体等の協力の下,日本語字幕の付与や音声ガイドの制作等のバリアフリー映画の普及に向けた取組を推進する。3-(4)-5

    6.情報アクセシビリティ
    【基本的考え方】
     障害者が円滑に情報を取得・利用し,意思表示やコミュニケーションを行うことができるように,情報通信における情報アクセシビリティの向上,情報提供の充実,コミュニケーション支援の充実等,情報の利用におけるアクセシビリティの向上を推進する。

    (1) 情報通信における情報アクセシビリティの向上
    ○ 障害者の情報通信機器及びサービス等の利用における情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため,障害者に配慮した情報通信機器及びサービス等の企画,開発及び提供を促進する。6-(1)-1
    ○ 研究開発やニーズ,情報技術の発展等を踏まえつつ,情報アクセシビリティの確保及び向上を促すよう,適切な標準化(日本工業規格等)を進めるとともに,必要に応じて国際規格提案を行う。また,各府省における情報通信機器等(ウェブコンテンツ(掲載情報)に関するサービスやシステムを含む。)の調達は,情報アクセシビリティの観点に配慮し,国際規格,日本工業規格への準拠・配慮に関する関係法令に基づいて実施する。6-(1)-2
    ○ 国立研究機関等において障害者の利用に配慮した情報通信機器・システムの研究開発を推進する。6-(1)-3
    ○ 障害者に対するIT(情報通信技術)相談等を実施する障害者ITサポートセンターの設置の促進等により,障害者の情報通信技術の利用及び活用の機会の拡大を図る。6-(1)-4

    (2) 情報提供の充実等
    ○ 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律(平成5年法律第54号)に基づく放送事業者への制作費助成,「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」に基づく取組等の実施・強化により,字幕放送(CM番組を含む),解説放送,手話放送等の普及を通じた障害者の円滑な放送の利用を図る。6-(2)-1
    ○ 聴覚障害者に対して,字幕(手話)付き映像ライブラリー等の制作及び貸出し,手話通訳者や要約筆記者の派遣,相談等を行う聴覚障害者情報提供施設について,情報通信技術(ICT)の発展に伴うニーズの変化も踏まえつつ,その整備を促進する。6-(2)-2
    ○ 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律に基づく助成等により,民間事業者が行うサービスの提供や技術の研究開発を促進し,障害によって利用が困難なテレビや電話等の通信・放送サービスへのアクセスの改善を図る。6-(2)-3
    ○ 電子出版は,視覚障害や学習障害等により紙の出版物の読書に困難を抱える障害者の出版物の利用の拡大に資すると期待されることから,関係者の理解を得ながら,アクセシビリティに配慮された電子出版の普及に向けた取組を進めるとともに,教育における活用を図る。6-(2)-4
    ○ 現在の日本銀行券が,障害者等全ての人にとってより使いやすいものとなるよう,五千円券の改良,携帯電話に搭載可能な券種識別アプリの開発・提供等を実施し,券種の識別性向上を図る。また,将来の日本銀行券改刷が,視覚障害者にとり券種の識別性の大幅な向上につながるものとなるよう,関係者からの意見聴取,海外の取組状況の調査等,様々な観点から検討を実施する。6-(2)-5
    ○ 心身障害者用低料第三種郵便については,障害者の社会参加に資する観点から,利用の実態等を踏まえながら,引き続き検討する。6-(2)-6

    (3) 意思疎通支援の充実
    ○ 障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者に対して,手話通訳者,要約筆記者,盲ろう者向け通訳・介助員等の派遣,設置等による支援を行うとともに,手話通訳者,要約筆記者,盲ろう者向け通訳・介助員,点訳奉仕員等の養成研修等の実施により人材の育成・確保を図り,コミュニケーション支援を充実させる。6-(3)-1
    ○ 情報やコミュニケーションに関する支援機器の開発の促進とその周知を図るとともに,機器を必要とする障害者に対する給付,利用の支援等を行う。6-(3)-2
    ○ 意思疎通に困難を抱える人が自分の意志や要求を的確に伝え,正しく理解してもらうことを支援するための絵記号等の普及及び利用の促進を図る。6-(3)-3

    (4) 行政情報のバリアフリー化
    ○ 各府省において,障害者を含む全ての人の利用しやすさに配慮した行政情報の電子的提供の充実に取り組むとともに,地方公共団体等の公的機関におけるウェブアクセシビリティの向上等に向けた取組を促進する。6-(4)-1
    ○ 災害発生時に障害者に対して適切に情報を伝達できるよう,民間事業者等の協力を得つつ,障害特性に配慮した情報伝達の体制の整備を促進する。6-(4)-2
    ○ 政見放送への手話通訳・字幕の付与,点字又は音声による候補者情報の提供等,障害特性に応じた選挙等に関する情報の提供に努める。6-(4)-3
    ○ 各府省において,特に障害者や障害者施策に関する情報提供及び緊急時における情報提供等を行う際には,知的障害者等にも分かりやすい情報の提供に努める。6-(4)-4

     なお、平成24年度までの施策の進捗状況は以下で公開されています。