DAISY Pipeline 2 ver.1.9公開。EPUB3からDAISY2.02への変換機能を実験的に実装

  DAISY Pipeline 2 ver.1.9が公開されました。

 追加された主な機能は以下の通りで、EPUB3からDAISY2.02への変換機能が実験的に実装されました。数の増えてきたEPUB3コンテンツをDAISY環境で利用することを実現するこの機能は、EPUB3の閲覧環境がDAISYユーザーが整備されるまでの繋ぎとして、非常に重要な機能だと思います。
* a new command line tool, with native executables
* new schema-based DAISY 2.02 validation script
* new DTBook to ODT script
* new EPUB 3 to DAISY 2.02 script (experimental)
* TTS-narration support in DTBook to EPUB 3
* audio-only DAISY 2.02 to EPUB 3 conversion aligned with the TIES guidelines
* and many other bug fixes and improvements
 というわけで、早速試してみました。今回ためしたのは、WebUI版ですが、コマンドラインでも利用することができます。
DAISY Pipeline 2
DAISY Pipeline 2 のWeb UI画面。字が小さくて見づらいがScript欄に”EPUB3 to DAISY 2.02″が表示されている。
 とりあえず以下で公開されているEPUBでDAISY2.02の変換を試みてました。

結果は・・こんな画面が表示されて2つともとりあえず成功です。パチパチパチ。
Successと変換成功を知らせる画面
 しかし、残念ながら、どちらもDAISY2.02の再生ソフトで開けない。具体的にいえば、AMIS 3.13Voice of DAISYで開けない。
 
 まだまだ課題は多そうですが、実験的に実装されたことを考えれば、現時点では暖かい目で見守るべきところでしょうか。今後、どんどん改善されていくでしょうから。
 EPUB3コンテンツの提供者が、DAISY2.02も同時に提供できるようになる日もそう遠くなさそうですね。

研究集会 「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」(2/7-2/8)

研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」と日本点字図書館とNPO法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットによるワークショップ「「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty」」が2月7日、8日と開催されます。

概要

日本学術振興会 平成26年度科学研究費補助金等による研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」
および日本点字図書館とNPO法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットによるワークショップ
「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty3 開発の現状と今後の展望」
「ChattyInfty3 によるマルチメディアDAISYコンテンツ制作体験講習会」
開催日:平成27年2月7日(土),8日(日)
会場:日本大学理工学部駿河台校舎5号館2階(東京,お茶の水)
 プログラムの詳細、参加申し込み方法等は以下をご覧ください。
URL http://www.sciaccess.net/jp/workshops/

プログラム(予定)

〔研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」〕

平成27年2月7日(土) (13:00 受付開始)

13:20 開会
13:30 – 14:00 「マルチプラットフォーム数式処理アプリの作成について」
藤本 光史(福岡教育大)
14:00 – 14:30 「数式の検索と理解を支援するためのテキスト処理技術」
○相澤 彰子(国立情報学研,東京大),大橋 駿介,服部 一浩,Giovanni Yoko Kristianto (東京大),Goran Topić(国立情報学研)
14:30 – 15:00 「ボイス オブ デイジーによるデイジー教科書の利用と課題」
工藤 智行(有限会社サイパック)
15:00 – 15:30 「クラウドソーシングとオープン・コミュニティを活用したテキストDAISY製作の取り組み」
澤村 潤一郎(日本点字図書館)
15:30 – 16:00 休憩
16:00 – 16:30 「視覚障碍者の触図作成時における入力方法と触図提示方法について」
○出町 駿明(富山県立大大学院),守井 清吾(富山大),髙木 昇(富山県立大)
16:30 -17:00 「触知グラフ作成Webアプリケーションの開発」
○荒木 康輔,山口 俊光(新潟大),南谷 和範(大学入試センター),渡辺 哲也(新潟大)
17:00 – 17:30 「視覚障害者の学習支援:描画ソフト『橋立』の開発報告」
DSSP(障害学生学習支援プロジェクト):石川 健司,薄倉 淳子,加納 仁司,○鈴木 公,諏訪 美佐子,樋川 恭平,松村 想子,宮川 貴彦,八木 稔,山廣 真之
18:00 懇親会

平成27年2月8日(日)

10:00 – 10:30 「見えない2次元コードを利用した音声付教科書の普及に向けた取り組み」
○藤芳 明生(茨城大),大澤 彰子,藤芳 衛(テストのユニバーサルデザイン研)
10:30 – 11:00 「点字情報を含むマルチメディアDAISYコンテンツの実現に向けた取り組み」
澤村 潤一郎(日本点字図書館),鈴木 義則(ケージーエス株),鈴木 昌和(サイエンス・アクセシビリティ・ネット),山口 雄仁(日本大),金堀 利洋(筑波技術大)
11:00 – 11:30 「新しいコンセプトによるマルチメディアDAISYプレイヤーの紹介」
○鈴木 昌和(九州先端科学技術研,サイエンス・アクセシビリティ・ネット),山口 雄仁(日本大)
11:30 研究集会まとめ

〔ワークショップ「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty」〕

平成27年2月8日(日) (12:30 受け付け開始)
13:00~14:00 「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty 開発の現状と今後の展望」
鈴木 昌和(サイエンス・アクセシビリティ・ネット),澤村 潤一郎(日本点字図書館)
14:00~14:30 休憩
14:30~17:00 「ChattyInfty によるマルチメディアDAISYコンテンツ制作体験」
サイエンス・アクセシビリティ・ネット,日本点字図書館

「京都市内の大学における点字図書について」京都大学点訳サークル2011 年京都大学 11 月祭個人研究

 京都大学点訳サークルが京都大学の学園祭11月祭で毎年、研究発表をしているそうですが、2011年度に京都市内の大学における点字図書の蔵書について調査し、発表したものが公開されていました。

 他の発表も以下に公開されています。

 この点訳サークルの11月祭での発表は1970年代から行われていたそうなので、上で公開されているものはそのごく一部なのでしょうね。