1月 11

DAISY Consortiumのアクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト」(Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist)日本語訳を公開します

 DAISY Consortiumが2013年5月20日に公開した「アクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト」(Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist)を日本語に翻訳してみましたので、公開します。

これは電子書籍ビューアが障害者(全盲者、ロービジョン、ろう者、難聴者、ディスレクシア、学習障害者、そして、移動に障害のある者))にとってどの程度使いやすいものかを評価するためのもので、評価のためのガイドライン及びチェックリストで構成されています。

 まだ、Rev 1.0版ですので、まだドラフトの段階のドキュメントのようです。正直、通して読んでいて全体の構成が分かりづらく、前半はもっと短くできるのではないかと思わせるところがありますが、チェックリストを掲載する「機能テスト」の項は、電子書籍ビューワにどのような機能が求められるかが一覧されていて参考になるところが多いのではないかと思います。ここに上げられた要件に日本語特有の要件を加えれば、必要な要件は揃うのではないかと個人的には思います。

関連エントリ

12月 24

DAISY Planet 2014年12月号紹介

11月号に引き続き、DAISYコンソーシアムのウェブマガジンDAISY Planet Newsletters | DAISY Consortiumの2014年12月号を概要だけですが、紹介します。いつまで続くか…。

DAISY CEO Designate Appointed: Introducing Richard Orme

 Richard Orme氏がDAISY ConsortiumのCEO(最高経営責任者, chief executive officer)に任命されたことを紹介する記事。CEOのことをよくわかっていないのですが、PresidentのStephen King氏とは異なるんですね、とWikipediaのCEOの項を読んでもよく分からなかったりと・・・・。
 
 Richard Orme氏の経歴も紹介されています。一言で言えば、技術畑の人で、Royal National Institute of Blind People (RNIB)でアクセシブルな新聞サービスを開発したり、Dolphin Computer Access LtdでInnovation Directorを務めたり、発展途上国の視覚障害のある若者に教育環境の改善を目的するICEVI (International Council for the Education of Visually Impaired People)では、アクセシブル技術で途上国の若者の教育や社会参加を改善するプロジェクトでリーダーシップととっていたようです。また、Dolphin Computer Access Ltdなどで ディスレクシアなどの障害学生支援としてBookshareの英国内の大学での導入を支援したりもしていたようです。

 Richard Orme氏のウェブサイトにもこれまでの活動が掲載されています。

Accessible Books Consortium: Capacity Building Projects Galvanize Local Partnerships

 WIPOのマラケシュ条約で中心的な役割を果たすAccessible Books Consortiumは、”born accessible”な出版物の普及促進を目的とするInclusive Publishing、アクセシブルなコンテンツの共有・交換の促進を目的とするTIGAR Service、DAISYを利用できるICTスキルを持っていないプリントディスアビリティが発展途上国には多いため、そのICTスキル向上を目的とするCapacity Buildingの3つのプロジェクトを遂行しています。今回のこの記事では、そのうちのCapacity Buildingの一環としてバングラディッシュとスリランカでの活動を紹介しています。

バングラディッシュ

 現地のNGO法人Young Power in Social Action (YPSA)と共同でアクセシブルな本の製作/変換を目的とするプロジェクトをABCは行っています。2014年11月に終了した1フェーズでは90のアクセシブルな本を製作したそうです。政府や商業出版社を対象としたインクルーシブ出版に関するワークショップも開催しています。このワークショップについては、DAISY Planet 2014年9月号でも紹介されています。

スリランカ

ABCは、現地のNGO法人DAISY Lankaと了解覚書(Memorandum of Understanding)を交わして1000のアクセシブルな教材の製作を1年かけて行うプロジェクトを2014年8月から開始しています。スリランカの商業出版社3社とは、そのための電子ファイルの提供を合意しているそうです。

 なお、Accessible Books Consortiumについては、一度このブログでも紹介したことがありますので、こちらをご参照ください。

Availability above all!

Swedish DAISY Consortium Annual Conferenceがストックホルムで11月13日から14日に開催されました。この記事はその会議の概要を紹介しています。

 会議の資料と動画が公開されています(スウェーデン語ですが・・)

Obi & Tobi: New Releases Deliver Advance & Requested Features

 Obiがver.3.6にアップデートし、Tobiのver.2.4.3のテスト版が公開されたとのこと。Obiは音声DAISY、TobiはマルチメディアDAISYの製作を主とするDAISYコンソーシアムのOSSで、どちらもEPUB3の出力もサポートしています。Obiは今回のアップデートで出力する際の音声ファイルのフォーマットが増えたそうです。その他にも改良点がいくつか。Tobi 2.4.3では、構造化の機能が強化されているようです。
 今回のアップデートの詳細はこの記事(原文)か、それぞれのリリースノートをご覧ください。

DAISY Information Resources & Support Summary

DAISYコンソーシアムは情報提供のためのチャンネルをいろいろと持っていますが、それを紹介する記事です。それで終わってしまう記事ではあるのですが、せっかくなのでリンクだけも掲載しておきます。

12月 24

アクセシブルな出版物の制作 出版社のためのベストプラクティスガイドライン (Accessible Books Consortium)

世界知的所有権機関(WIPO)のマラケシュ条約で中心的な役割を果たすAccessible Books Consortium(ABC)は、”born accessible”な出版物の普及促進を目的とするInclusive Publishing、アクセシブルなコンテンツの共有・交換の促進を目的とするTIGAR Service、DAISYを利用できるICTスキルを持っていないプリントディスアビリティが発展途上国には多いため、そのICTスキル向上を目的とするCapacity Buildingの3つのプロジェクトを遂行しています。この3つのプロジェクトの中のInclusive Publishingの中で、「アクセシブルな出版物の制作 出版社のためのベストプラクティスガイドライン」(Accessible Publishing Best Practice Guidelines for Publishers)というものを公開しています。

これは、WIPOの出資によってEDItEURのSarah Hilderley氏が作成したもので、これまではEDItEURのウェブサイトで公開されていたのですが、2014年6月にABCが発足したタイミングでABCのウェブサイトに移ったみたいです。ちなみにこのガイドラインは日本障害者リハビリテーション協会が日本語に翻訳して公開しています。

 なお、Accessible Books Consortiumについては、一度このブログでも紹介したことがありますので、こちらをご参照ください。

12月 24

全ての人のために出版物をアクセシブルにするには?(DAISYpediaの記事紹介)

 DAISYコンソーシアムがDAISY規格に関する情報発信を体系的に行うために設置しているDAISYpedia で「全ての人のために出版物をアクセシブルにするには?」(Making publications accessible for all)というエントリが掲載され、出版物をアクセシブルにする条件や方法等を紹介しています。

 全ての人にとってアクセシブルな出版物の条件として以下を挙げています。

  • Compatibility with screen readers and text to speech (TTS)
    スクリーンリーダー及び音声合成に対応していること
  • Reflowability in order to fit all screen sizes
    全てのスクリーンサイズに対応できるようリフローであること
  • Rich navigability
    章節単位、ページ単位、センテンス単位など様々なレベルでのフォーカスの移動が可能なほか、注やサイドバーなどのスキップが可能であるなど、豊富なナビゲーションを用意していること
  • Support for multiple input methods
    キーボード、マウス、タッチ入力など多様な入力方法に対応していること
  • Accessible images: 画像についてキャプションやテキストによる説明が用意されているなど、画像がアクセブルであること。ビデオについても字幕かテキストのスクリプトが用意されているべきである
  • Multi-platform support
    PC、携帯、タブレット、点字ディスプレイなど様々な端末に対応していること

 

12月 23

「視覚障害児童生徒のための『音訳教材』製作マニュアル」(日本ライトハウス)

 日本ライトハウスが文部科学省の「平成25年度民間組織・支援技術を活用した特別支援教育研究事業障害のある児童生徒のための教材普及推進事業)」を受託する形で「視覚障害児童生徒のための『音訳教材』製作マニュアル」を作成し、平成26年3月に公開しています。視覚障害児童生徒のために教科書等を音訳しDAISY編集するためのマニュアルです。

 日本ライトハウスは平成26年度には、文部科学省の事業(音声教材の効率的な提供方法等に関する調査研究事業)を受託する形で、「音訳教材データベース」を構築しているようです。以下は、「ワンブック」2014年11月号(に掲載されているイメージ図です。

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from 「ワンブック」2014年11月号(PDF)p4

 「ワンブック」2014年11月号のp3-p4に事業の紹介が掲載されています。

12月 14

アクセシブルな電子書籍をテーマとしたIFLA LPD サテライト会議の発表資料とアブストラクトが公開されている

2014年8月に開催されたIFLA World Library and Information Congress 2014にあわせて開催された、IFLA LPD(Libraries Serving Persons with Print Disabilities Section)主催のサテライト会議のアブストラクトと発表資料が公開されています。サテライト会議のテーマは”eBooks for everyone! An opportunity for more inclusive libraries”ということで、アクセシブルな電子書籍、マラケシュ条約に関係する発表が多いようです。

12月 01

DAISY Planet 2014年11月号紹介

DAISYコンソーシムは、月刊のDAISY Planetというウェブマガジンを刊行しています。海外のアクセシビリティに関するイベントや動向を追うのであれば、これを読むがよいと思います。

 といいつつ、私もきちんと毎号読んでいるわけでもないのですが、少し勉強する気になったので、気が向いた時にこのブログでDAISY Planet を紹介していきたいと思います。「感想」業界には、ささくれというブログがCA-E感想を隔週で更新するというすごいことをやっているのですが、ここまで自信もあまりないので、もう少しだらけた感じで簡単にこんなこと書いてあったと紹介することにしたいと思います。

 というわけで、最新号の2014年11月号の紹介をします。実は11月号、イベント紹介ばかりでさほど面白くはなかったですね・・・。

Techshare Middle East 2014: A Successful First

 11月4日から11月5日の2日間、カタールのドーハで行われた支援技術とアクセシビリティをテーマにした会議 Techshare Middle Eastの紹介記事。Techshare Middle EastはQatar Assistive Technology Center (Mada)主催、DAISY Consortiumとボーダフォンの後援という形で行われたそうで、アラビア語圏で支援技術とアクセシビリティをテーマにした国際会議が開催されたことにこの会議の意義があったようです。

From Exclusion to Empowerment: Role of ICT for Persons with Disabilities: UNESCO Conference

 10月24から26日の3日間、インドのニューデリーで行われたUNESCOの国際会議”From Exclusion to Empowerment: Role of ICT for Persons with Disabilities”の紹介記事。3日間行われたこの会議をこの字数でまとめるのもなかかな苦労したのではないかというのが最初読んだ時の感想でしたが、全体的テーマとして、教育や情報アクセシビリティの南北格差の解消が縦軸になっているのかになっているようです。
 
 マラケシュ条約の最初の批准国となったインドだけに、TIGARプロジェクトAccessible Books Consortiumの動向に関心が集まっている印象を記事を読んで受けました。

 あと、日本から発表者として記事では、日本大学教授の山口 雄仁氏の発表の紹介されていました。

DAISY Delivers at Techshare Middle East

 上で紹介したTechshare Middle EastにあわせてDAISYコンソーシアムの理事会が初めて中東で開催されたよという記事ですが、記事そのものは、Techshare Middle Eastでは、DAISYコンソーシアム関係者がたくさん発表したよという内容になっていたり。Techshare Middle Eastの発表資料一覧は公式サイトで公開されていますが、DAISYコンソーシアム関係者のスライドの一覧が抜き出されてこの記事に掲載されていたので、以下にそれらを参考までに転載。興味深い発表が多いですが、Pedro Millet氏のクラウドでDAISYを製作するシステムDORINA DAISY PLATFORMは面白そうですね。PDFのインポートもできるようにしたいとか。あと、韓国国立中央図書館もDAISYコンソーシアムのメンバーで、中東で発表とかしていたりするのかー。

In France Productivity Improves with Obi

 フランスのAssociation Valentin Haüy (AVH)がDAISYコンソーシマムのOSSであるObiのフランス語へのローカライズを行っているという記事です。ちなみにObiはおもに音声DAISYの製作に力点が置かれたアプリケーションで、最近公開されたver3.5でaudio onlyのEPUB3の製作にも対応しています。

Center on Technology and Disability: Assistive and Instructional Technology Supporting Learners with Disabilities

 11月に米国のCTD(Center on Technology and Disability)がオンラインサービスの提供を開始したという記事ですか?CTDという組織を不勉強ながら、初めて知りましたが、障害者の家族や支援者・団体をICT技術やその単お支援技術の情報提供等で支援する団体だそうです。LibraryCTD CaféLearning Centerで構成されて、登録すれば様々なサービスが受けられるとのこと。

10月 20

「DAISYオンライン配信プロトコル(DAISY Online Delivery Protocol)仕様(2010年5月29日付)」の日本語訳を公開します。

DAISY ConsortiumのDAISYオンライン配信プロトコル(DAISY Online Delivery Protocol)の仕様を日本語に翻訳してみましたので、公開します。

 この日本語訳は、私自身がDAISYオンライン配信プロトコルを理解するために個人的に訳したものであり、当然ですが、DAISY Consortiumの公式な日本語訳ではありません。また、翻訳の正確性、その内容について一切保証をするものではありません。ご注意ください。

 DAISYオンライン配信プロトコルについては、以下の記事をご参照ください。

関連エントリ

9月 21

「インクルーシブ教育システム構築の 基礎的環境整備としての デジタル教科書」(井上 芳郎さん発表資料@日本デジタル教科書学会)

井上 芳郎さんが8月に新潟で行われた日本デジタル教科書学会で発表されたスライドが公開されています。イクルーシブ教育に関する政府の政策的動向と法制度的動向、デジタル教科書に関する教科書出版社の動向などがまとめられています。

9月 09

DAISYユーザーのためにEPUB 3リーディングシステムはまだか、という話

 先日、 「DAISYの種類とバージョン」というエントリでDAISYの各バージョンについて紹介しましたが、EPUB 3で、読み情報を格納できるようになったことは、日本語圏のDAISYユーザーにとって非常に大きいことだと改めて感じました。なるべく早いEPUB 3への移行が望まれるのですが、EPUB 3でDAISYユーザーが満足するリーディングシステムはまだないため、残念ながら現状では難しいと思われます。

 昨年、以下のようなエントリで、私案でDAISYユーザーが利用するためのEPUBのリーディングシステムの要件を整理したことがありますが、EPUBの閲覧環境はアクセシビリティ視点でこれを書いた当時とあまり状況は変わっていないような気もします。

とはいえ・・見落としているリーディングシステムが結構あるような気もしますので、ちょっと調べねばとも思っています。

 EPUBTestBISG EPUB 3 Support Grid: Current Resultsで、各リーディングシステムの実装状況が一覧できるようになっており、項目として”Accessibility”も評価項目が設けられています。現時点で”Accessibility”の評価が掲載されているリーディングシステムが2つしかないのは、残念ですね。

関連エントリ