DAISY2.02、DAISY3の仕様はルートにこのファイルを配置しろ、といったことは定められているものの、関係するファイルをバンドルして1つのファイルとして固めるコンテナ部分を正式に定義がしているわけではありません。CDで配布されることを前提としたフォーマットであったからだと思いますが、ネット経由で配布されるようになると、なんらかの形で関連ファイルを1つのファイルとして固める必要があります。zip形式で固められることが多いようですが、サピエ図書館では自動解凍方式のexe形式が採用されていたりと、DAISYのパッケージの方法が必ずしも統一されているわけではありません。
それではさすがに不便であるということだったのでしょうか、DAISY-AI(DAISY 4) になってようやくそれが仕様として定められました。”9 Container“部分です。
コンテナの仕様はEPUB2.01で採用されているEPUB Open Container Format (OCF) 2.0.1[doc]が採用されています。そのため、構造もEPUB2とほぼ同じです。
mimetype META-INF/ container.xml Z3998-AI/ sample.xml metadata/ mods.xml onix.xml images/ cover.png
DAISY-AI(DAISY 4)コンテナのファイル構造(例)
DAISY-AI(DAISY 4)コンテナのMIMEタイプは”application/z3998-auth+zip”、拡張子は”zai”です。
その他、EPUB2と異なる主な点は以下です。
- Open Packaging Format (OPF) をサポートしていない。
- DAISY-AI(DAISY 4)コンテナはコンテンツの暗号化とDRMの付与が禁止されている。そのため、META-INFディレクトリ配下にはencryption.xmlとrights.xmlを置くべきではないし、サポートもされない。
まだ、私はこのzaiの拡張子のファイルを見たことがありません。DAISY Pipeline2でもまだ対応していません。今のところ、あまり使われていないコンテナなのでしょうか・・。
目次
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