『7つの言語 7つの世界』(オーム社)を読みながら、IOという言語で少し遊んでいます。プロトタイプベースの言語なので、オブジェクトがクラスの代わりになるんだそうで、オブジェクトを複製してさらに別のオブジェクトを作成したり、インスタンスを生成したりします。
IO言語については以下の解説をご覧ください(私には解説はムリぽ)。
・io(公式サイト。ダウンロードもこちら)
・Io (プログラミング言語) – Wikipedia
・Rubyist Magazine – Rubyist のための他言語探訪 【第 3 回】 Io
といいつつも、メモ程度には書いてみたいと思います(そのほうが書いた方が理解しやすいので)。
1.最初の儀式
まずはということで、”Hello,World!”。
Io> "Hello, world!" println Hello, world!
2.プロトタイプチェーン
ルートレベルのオブジェクトはObjectオブジェクトです。このObjectオブジェクトからこんな感じでオブジェクトを複製します。
Io> Thing := Object clone ==> Thing_0x46ff60: type = "Thing"
これはOjectオブジェクトを複製して、Thingという変数に代入することで、Objectオブジェクトを複製したThingオブジェクトを作成している、という理解でよいのですかね。同じようにThingオブジェクトを複製して他のオブジェクトをつくることができます。
Io> CreativeWork := Thing clone ==> CreativeWork_0x475980: type = "CreativeWork" Io> Blog := CreativeWork clone ==> Blog_0x47b3d0: type = "Blog"
ここまでで、プロトタイプチェーンは以下のような感じになります。
Object > Thing > Creativework > Blog
たとえば、Thingオブジェクト内に “description”というキーを持つプロパティを定義してみます(「スロット」というらしいです)。
Io> Thing description := "The most generic type of item. " ==> The most generic type of item.
当然ですが、BlogオブジェクトはThingオブジェクトを継承したCreativeWorksオブジェクトを継承しているので、Blogオブジェクトで”description”をキーに持つスロットを定義していなければ、以下のようにThingオブジェクトで定義したスロットが引き継がれます。
Io> Blog description ==> The most generic type of item.
当然、Blogオブジェクトでdescription”をキーに持つスロットを定義してやればそちらが優先されます。
Io> Blog description := "A blog" ==> A blog Io> Blog description ==> A blog
3.インスタンス?
これまで、Thing、CreativeWork、Blogという頭文字が大文字のオブジェクトばかり生成してきました。小文字にすると、インスタンスっぽいものを生成することができるようです(多分、インスタンスですよね・・)。といってもインスタンスもオブジェクトなので、大文字と小文字の違いは独自のtypeをもつか、もたないかぐらいの違いしかないようです。
Io> myBlog := Blog clone ==> Blog_0x2b4290: Io> myBlog type ==> Blog
はぁ〜と思ったのが、頭小文字(インスタンス?)を複製して頭大文字のオブジェクトを生成することができるようで、「他の言語(Rubyぐらいしか知りませんが)だとどうだったか・・・・」とかいろいろと。
Io> MarchEntry := myBlog clone ==> MarchEntry_0x4567e0: type = "MarchEntry" Io> MarchEntry type ==> MarchEntry Io> MarchEntry description ==> A blog Io> myBlog description := "更新頻度低め" ==> 更新頻度低め Io> MarchEntry description ==> 更新頻度低め
この場合、継承関係はこうなるのでしょうか。
Object > Thing > Creativework > Blog >myBlog > MarchEntry
4.シングルトン
上で以下のようにBlogオブジェクトを生成しました。
Io> Blog := CreativeWork clone ==> Blog_0x47b3d0: type = "Blog"
もう一度BlogオブジェクトをCreativeWorkオブジェクトから複製して生成すると同じオブジェクト名であっても、異なるオブジェクトが生成されます。
Io> Blog := CreativeWork clone ==> Blog_0x48d3f0: type = "Blog"
しかし、以下のように一度生成したBlogオブジェクトをBlogオブジェクトを複製するときに代入すると、”Blog_0x48d3f0″という全く同じオブジェクトが生成されます(「シングルトンオブジェクト」というかしら?)。
Io> Blog clone := Blog ==> Blog_0x48d3f0: clone = Blog_0x48d3f0 type = "Blog"
このシングルトンオブジェクトから生成したインスタンスは異なる名前を当てても同じオブジェクトになるようです。
Io> hisBlog := Blog clone ==> Blog_0x48d3f0: clone = Blog_0x48d3f0 type = "Blog" Io> herBlog := Blog clone ==> Blog_0x48d3f0: clone = Blog_0x48d3f0 type = "Blog" Io> hisBlog == herBlog ==> true
プロトタイプベースのオブジェクト指向言語では、オブジェクトがクラスの役割を果たすというのはわかってきたような気もしないでもないですが、正直まだよく分からない部分が多いですね。少なくともクラスベースのRubyではどうだったかなという疑問はすぐに確認しておいたほうがよさそう。
『7つの言語 7つの世界』でIOを取り上げた章の2/3を読んだところです。あと1/3がんばります。