11月 27

国際ユニヴァーサルデザイン協議会のIAUDアウォード2013

 国際ユニヴァーサルデザイン協議会がユニバーサルデザインの推進に貢献した事業に対して授与するIAUDアウォード2013の結果が発表されています。ユニバーサルデザインに関するいろいろな取り組みが一覧できて勉強になります。

 パナソニックは、三菱電機と共同で行っている「視覚障がい者のQOL(Quality of Life)向上を目指した音声読み上げ商品の普及活動」や「音声読み上げ機能搭載TVのグローバル展開」などいろいろな部門で受賞しています。これについてパナソニックからプレスリリースもだされています。

11月 27

ロン・マッカラム氏 の「私の読書を可能にした技術革新」 on TED

 国連障害者の権利委員会委員長のロン・マッカラム(Ron McCallum)氏のTEDにおけるスピーチが公開されています。全盲者であるロン・マッカラム氏が家族やボランティアの支援を受けて、また、技術革新の恩恵を受けてどん欲に本を読んできたことが語られています。WIPOのマラケシュ条約(盲人、視 覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)が採択される会議の直前だったので、この条約についても語っています。


ロン・マッカラム: 私の読書を可能にした技術革新 | Video on TED.com

11月 25

EPUB内のアノテーションの標準化を目指す「Open Annotations in EPUB プロジェクト」、始動。

先のエントリでも少し紹介しましたが、IDPFが11月にEPUBのアノテーションの仕様化の検討を開始しました。Open Annotationが、アノテーションの仕様として組み込まれることになりそうです。

 EPUBにコメントを付与したり、ハイライトする機能は、ほとんどのEPUBのリーディングシステム(ビューワー)で備えられています。しかし、ある特定のリーディングシステムでつけたコメントを他のリーディングシステムで共有することができないため、同じリーディングシステムを常に利用するような個人のユーザーの個人的な利用に利用範囲が限定されざるを得ませんでした。

 これはそれぞれのリーディングシステムにアノテーション機能が独自実装されているためですが、アノテーションが標準化されることで、あるリーディングシステムで付与されたコメント、ハイライトなどが他のどのリーディングシステムにおいても表示できるようになるはずです。当然ですが、複数の人間でアノテーションを共有することも可能になりますので、利用範囲は後述するユースケースのように大幅に拡がります。

プロジェクトの概要

 プロジェクトの概要はIDPFの以下のドキュメントで知ることができます。

 EPUBのための相互運用可能なアノテーションの検討は、EPUB 3の仕様策定の段階からサブグループが立てられ、その中で検討されていました。しかし、EPUB3の仕様が公開された時点では結論が出ずに保留扱いになっていたようです。その後、W3CのOpen Annotation Data Modelが仕様として安定してきたということで、その成果を取り込む形でEPUBのアノテーションの標準化を実現しようということのようです。

 プロジェクトの期間は、2013年11月から2014年3月。検討メンバーにはW3CのOpen Annotation Community Groupの共同チェアであるロスアラモス国立研究所のRob Sanderson氏とハーバード大学の Paolo Ciccarese氏も加わっています。Rob Sanderson氏はMarkus Gylling氏ともにOpen Annotations in EPUB Projectのチェアにもなっています。

 なお、アノテーションの仕様は、EPUB 3.0.1の拡張モジュールとしてまとめられるそうです。

アノテーションの標準化にあたっての要検討事項

 検討事項がまだドラフトですが、以下にまとめられています。

  簡単に挙げると以下になるようです。

  • 識別(識別子)
  • アノテーションのアクセシビリティ
  • アノテーションの格納、アクセス、同期
  • アノテーションの移動、集約、管理

   
 識別(識別子)については、プラットフォームや出版社の間で共有できるような出版物の識別の課題、出版物内のある特定のセグメントの識別の課題、リーディングシステム内の出版物の識別の課題(コンテンツがローカル環境に置かれる事が多いためURIでどう表現しようか)と様々なレベルで課題が挙げられており、個人的に興味がつきません。これらの識別子の課題がクリアできたら、アノテーションだけではなく、電子書籍の抱える様々な問題が解決できるのではないかと期待してしまいます。

EPUBアノテーションのユースケース

  まだドラフトであり、書きかけの段階ですが、EPUB内アノテーションのユースケース案も公開されています。

 内容は以下に挙げたとおりです。先のエントリで「Open Annotationにおけるアノテーションの本質は、オリジナルのコンテンツ本体に異なる別のレイヤーとして付加的な情報を追加すること」と紹介したことがありましたが、まさにそんなイメージです。
コンテンツレイヤーにアノテーションレイヤーを追加する

著者・出版社が付与するアノテーション

 コンテンツ作成時にコンテンツに補助的なコンテンツをつけるケースです。

  • 著者によるコメント・解説(例えば音声、テキスト、ビデオなど)
  • アクセシビリティの確保を目的としたより詳細な記述

読者がプライベートで付与するアノテーション

 1人のユーザーがプライベート目的で使用するケースです。

  • 重要な箇所(テキスト、画像、表、ビデオなど)にアンダーライン、ハイライト
  • ブックマーク(リーディングシステムが読んだ最終地点を自動的に記録する機能も含む)
  • ある選択された範囲(テキスト、画像、音声、ビデオ)にコメントを追加
  • あまり深く考えずに絵を描く、落書きをする
  • ある選択された範囲に画像を追加
  • ある選択された範囲に録音された音声もしくは動画を追加
  • あるドキュメントのある地点とその他のドキュメントのある地点の間に関係をつくる(リンクさせる)
  • 離れた複数の箇所にアノテーションを追加
  • 出版物の一部分にタグ付けさせる
  • 出版物全体に対してアノテーションを付与またはタグ付けをする
  • アノテーションにアノテーションを付与する
  • 画像、オーディオ、テキストなど複数のリソースからなる1つのアノテーション

公開されるアノテーション

 商業目的に付加されるか、特定のグループ内でシェアすることを目的とするケースです。

  • これまで上で挙げられたもの全て
  • 先生用の課題の回答
  • 一人の人間から複数の人間にむけてのメモ、または一人の人間から特定に複数の人間に向けたメモ(学校の先生から学生へ、自分自身からブッククラブのメンバーへ など)
  • オリジナルの著者からのメモ
  • 追加の実験データを持った表を、既存の表に追加する(学術誌)
  • すでに出版された出版物に対して第三者の出版社や出版物の著者がオーバーレイする追加の情報を販売・配信
  • 発音(音声、発音記号など)
  • ユーザーがアノテーションを受け取って、発信元を確認する(認証?)

関連エントリ

11月 24

Open Annotation Data ModelがついにW3C勧告ルートにのるか?

IDPFがEPUBにOpen Annotationを組み込む仕様を検討しています。その話はまた別のエントリで紹介する予定ですので置いておきますが、そのIDPFのOpen Annotation in EPUBプロジェクトチームが公開している以下のドキュメントに、以下のような記述がありましたので少し紹介します。

As of September 2013, the Open Annotation Data Model is considered generally stable, and the OA Community Group has begun preparations to take this specification on the W3C REC track, an effort targeted to begin before years end.

 W3CのCommunity DraftだったOpen Annotation Data Modelが仕様として安定してきたため、W3C勧告にむけて動き出したという話です。IDPFのプロジェクトチームには、Open Annotation Community GroupのチェアであるPaolo Ciccarese氏とRobert Sanderson氏が参加していますので信頼できる情報だと思います。

 W3C REC trackに乗るということは、Open Annotation Workiing Groupが立ち上げられ、Open Annotation Data ModelもCommunity DraftからWorking Draftに移行するのでしょうか?

 W3C REC track(W3C勧告ルート)については、The Web KANZAKI の以下のページを、

 W3CのCommunity Groupについては、以下のエントリをご参照ください。

 Community GroupからWorkng Groupへの昇格はもしかすると初めての事例になるのではないだろうか・・・?Comunity Groupで時間をかけている分、それ以降のステージは従来よりも短くすみそうな気がしますが、どうなんでしょうか。

※2013/11/24 追記
 すでに現在、勧告案になっているJSON-LDがCommunty Group発の仕様であるという情報をいただきました。

JSON-LDの場合、2013年3月にCommunty Groupの最終草案が出され、2013年4月にワーキンググループの最終草案(Last Call Working Draft)、2013年9月に勧告候補(Candidate Recommendation)、そして、2013年11月に勧告案(Proposed Recommendation)ですので、ペースが早いように思えます。
 
 Communty Groupの最終草案が出る前も、Community GroupからRDF Working Groupに送られた草案がワーキングドラフトとしてRDF Working Groupから公開されています。Communityドラフトも仕様として安定してくると、Working Group内で並行してレビューされていたようです。

 Open Annotation Data Modelも同様にWorking GroupとCommunty Groupがしばらく並行して仕様をレビューするようになるのでしょうか。

関連エントリ

11月 21

EPUB3によるデジタル教科書の標準化を目的とするワークショップEDUPUB Workshop の資料一式が公開された

10月29日にボストンで行われたたIDPFワークショップ「EDUPUB」のスライドや議事録が公開されています。EDUPUBはEPUB3によるデジタル教科書の標準化を目的とするワークショップです。

 EDUPUBについては、10月30日のJEPAセミナー「電子書籍、電子教科書のアクセシビリティ」で、ちょうどこの時EDUPUBに参加されていた上智大学の田村恭久先生が第1日目の模様を、写真とSkypeで現地から報告されています。


[PDF]EDUPUB Workshopレポート(田村先生の上のJEPAセミナーの発表資料)

 JEPAセミナーでは、電子教科書をテーマとしたセミナーを2013年に入って上のセミナー以外にすでに2回も開催しています。教育分野、熱いです。

 私はまだEDUPUBのスライドや議事録を読めていませんが、ちらちら議論を追っていると初見の教育関係の規格やメタデータが出てきて、とても整理しきれない。いつか整理せねばと思います。2日目15.25-16.15の”Key Work Areas moving forward”のスライドで関連するプロジェクトが一覧されていますが、これを1つ1つ追っていくだけでけも沼は実に深い。

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from “Key Work Areas moving forward” presentation

 11月25日には場所を変えて今度は韓国で以下のようなイベントが開催されるようです。

 そして、EDUPUB Workshopに参加された方による報告会が12月4日にあるので、かなり気になりますね。

11月 14

今年もAdvent CalendarにWeb Accessibilityのテーマで参加します

 今年も(といっても2回目ですが)、ブロガーのクリスマスイベントのAdvent Calendarに参加します。

 ちなみにWebにおけるAdvent Calendarとはあるテーマで12月1日から25日まで1日に1つ、みんなで記事を投稿していくというイベントです。

 2年前にはHTML5をテーマとしたAdvent Calendarに参加しましたが、今年はWeb AccessibilityをテーマとしたAdvent Calendarの12/23に投稿予定です(ネタは未定)。

 今年もいろいろなテーマでAdvent Calendarが行われています。

 素晴らしい完全体の食べ物である寿司のAdvent Calendarにも参加したかったのですが、残念ながらすでに満席でした。素晴らしい完全体の食べ物である寿司の完成形である鉄火巻に対するLoveについて年末にえんえんと文章に目立つ形で書いてみたかった。

 ブログを立てている皆様もどれかに参加してみてはいかがでしょうか。

関連エントリ

11月 12

TED「セルゲイ・ブリン: なぜグーグル・グラスなのか?」

今回は、Google Glassの話です。すでに知られすぎているので、今更さらな話ですが、Googleのセルゲイ・ブリンのTEDにおけるGoogle Glassの講演を観て、改めてすごいと思ったのでちょっと紹介。
 
  Google Glassを紹介した動画は以下で、

 Google Glassを語るセルゲイ・ブリンのTEDにおける講演は以下です。

 頭でこういうものだろうと想像できても、映像でみると受ける印象がかなり違いますね。ウェアラブルコンピューティングが少し前からいろいろと話題になっていますが、Google Glassはウェアラブルコンピューティングをわかりやすい形で実現するかもしれません。iPhone以来の新しいカテゴリのデバイスになるのではないかと思ったりも。
 
 Google Glassが私の興味をひいたのは、検索行動そのものが1つ上の段階に進むのではないかと思わせたことです(えっ、今更言うか・・・。

 Googleの検索技術がどんなに進化しても、Googleの基本的はサービスは検索窓からキーワードを放り込んで検索させるテキスト検索です。人が脳内にある探したいものをキーワードに変換してアウトプットせねばならない点では、検索そのものはそれほど進化はしていないともいえます。頭の中にぼんやりとある調べたいこと、探したいことを、キーワードという抽象的なものにものに変換するフローですでにいろいろな情報が削られてしまっている。適切なキーワードに変換できないこともある。間にキーワードに変換するというフローがあるために必要な情報に正確にたどり着けなかったりするであろうと。

 理想は頭の中にぼんやりとある調べたいこと、探したいことを直接そのまま検索エンジンに理解させて探させることです。スマートフォンなどが搭載する各種センサーはそれを実現させる筆頭であろうと思っていましたが、Google Glassも視覚情報をベースに検索という行為を少しそっちよりにもっていくかもしれない。

11月 11

EPUBにOpen Annotationを組み込むための検討が始まったようです

 11月7日の村田真さんのツィートによるとEPUBにOpen Annotationを組み込むための検討がはじまったようです。EPUB3.01に係る議論※1の中での話でしょうか?

議論の詳細は不明ですが、アノテーション機能が仕様で規定されているPDFのように、どのビュワーでもアノテーションが付与できて、どのビュワーでもそのアノテーションを閲覧・編集することができるようになるのでしょうか。

Readiumの開発の議論を追っていると、Open Annotation Data Modelを利用したアノテーション機能の実装も提案されているようですし、EPUBにおけるアノテーションの標準化がここ数年で一気にすすむかもしれませんね。

※1 EPUB 3.01に関する情報はepub-revisionの以下のページに集約されているようですが、残念ながらドキュメントは非公開で詳細を知ることが現時点ではできません。

 Matt Garrish氏が以下のブログである程度まとまった情報を発信されているようです。

 

Open Annotationに関するエントリ

11月 04

東芝が音訳クラウドサービス DaisyRingsを11月初めに開始予定

 東芝が「DaisyRings」という音訳クラウドサービスを11/6前後に試験的に開始するようです。

DaisyRings 音訳クラウドサービス
https://daisyrings.jp/

 著作権フリーな電子書籍や電子文書をアップロードして音訳データに変換し、これをストリーミング配信の方式で、アップロードしたユーザー自身が試聴できるようサービスのようです。TTSによる音訳でしょうか?