10月 10

障害者差別解消法とウェブアクセシビリティ

 障害者差別解消法とウェブアクセシビリティについて。

 障害者差別解消法とか、合理的配慮については、以下をまずは以下のエントリをご覧ください。

 ウェブサイトのアクセシビリティの改善も、当然、障害者差別解消法の対象になりますが、基本的に障害者差別解消法でいうところの「環境整備」に該当するものになります。

 しかし、ウェブアクセシビリティに関係するケースでも、例えば以下のようなケースは合理的配慮の提供が求められるケースになるかと思います。

  • 特定のページについて、アクセシビリティに問題があり、障害者から改善を求められ、過度の負担なく改善できる場合(たとえば、テキストエディタでHTMLの編集をすれば改善する場合)
  • PDFや画像で提供されている特定のコンテンツについて、それではスクリーンリーダーで読み上げができないからと障害者からテキストデータの提供を求められた場合

 以下のような事例は、合理的配慮の提供がなされない場合、スクリーンリーダーユーザーを排除してしまっていることになり、民間事業者も禁止事項とされている障害を理由とする不当な差別的取扱いになってしまうかもしれない。

  • (あってはならないことだが)CAPTCHAのように画像による認証方法を用いていて、代替手段を提供していなかった場合

 このテーマについては、石川准先生が言うべきことおっしゃっているので、こちらをご参照ください。

7月 02

「視覚障害者の携帯電話・スマートフォン・タブレット・パソコン利用状況調査2013」報告書が公開

2013年に視覚障害者を対象に行われた携帯電話・スマートフォン・タブレット・パソコンの利用状況調査の報告書が新潟大学の機関リポジトリ上で公開されました。新潟大学の渡辺哲也先生が中心となって行った調査です。

 2001年、2003年、2008年と数年おきに同様の調査(以下)が行われています。今回の調査では新たにスマートフォンとタブレットの利用状況が調査対象に加わり、それらに紙幅が大きく割かれています。当然といえば当然ですが、全盲の方とロービジョンの方でスマートフォンとタブレットの用途、利用する機能、望まれる機能がだいぶ異なりますね。

6月 11

アクセシブルな会議、学会、研究会、シンポジウム、ワークショップ、勉強会を行うためのガイドライン

会議、学会、研究会、シンポジウム、ワークショップ、勉強会等を行うためにはどのような配慮が求められるのかを示すガイドライン類を以下のように整理しました。

1. 全般

 以下の書籍があります。まずはこれを。

会議・プレゼンテーションのバリアフリー (コロナ社、2010年)

2. 開催について

2.1. アクセシブルミーティングのJIS規格

 「高齢者・障害者配慮設計指針-アクセシブルミーティング」が規格番号JISS0042で2010年にJIS規格となっています。規格というよりもガイドラインに相当するもので、障害の種類ごとにどのような準備を行えばよいかが、一覧できるようになっています。

 閲覧だけなら日本工業標準調査会(JISC)のウェブサイトで無料で可能です。JSA Web Storeで購入可能ですが、出版物なら『JISハンドブック 高齢者・障害者等[アクセシブルデザイン]』にアクセシビリティに関係するその他の規格といっしょに掲載されています。
 
 この規格の概要は以下のとおりです。

規格番号: JISS0042
規格名称: 高齢者・障害者配慮設計指針-アクセシブルミーティング
制定年月日: 2010/03/23
原案作成団体:財団法人 共用品推進機構
制定改正JIS概要:
この規格は、高齢者及び障害のある人々が参加する会議を行う場合,会議主催者が,安全かつ円滑に会議を運営するための支援機器の利用方法などに関する配慮事項について標準化を行い、生産及び使用の合理化、品質の向上を図るために制定するものである。
 主な規定項目は、次のとおりである。
1.適用範囲
2.引用規格
3.用語及び定義
4.会議を開催するに当たって配慮する要素
4.1 概要
4.2 個々の表の目的
4.3 表の利用方法
5.支援機器などの種類・その用途及び使用方法
6.障害別の特徴及び主な配慮事項
附属書A(参考)アクセシブルミーティング事前登録票
附属書B(参考)アクセシブルミーティングの会議手順の例

 この規格については、「いくお~る : 聴覚障害に関する情報ブログ」さんが以下のエントリで詳しく紹介しています。

2.2. 学会・研究会等における情報保障マニュアル(Ver.1.0) by 電子情報通信学会

 電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループが主催者を対象にまとめたガイドラインで、学会・研究会での聴覚障害者と視覚障害者に対する情報保障の手配について具体的方法等を示すものです。

3. 資料作成時及びプレゼンテーション時のガイドライン

電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループが主に発表者、及び発表資料作成者を対象にまとめたガイドラインで、論文などの発表資料作成アクセシビリティガイドラインとプレゼンテーション時のガイドラインが掲載されています。

 その他、以下のようなガイドラインもありました。

4. 発表資料公開のガイドライン

これに相当するガイドラインはまだ見つけていません(すいません・・・)。ウェブで公開する場合は、上で紹介した他に、ウェブコンテンツアクセシビリティのガイドラインであるW3CのWCAGやJIS X8341-3:2010に従うべきでしょう。

 視覚に障害がある方を対象にするなら、みんなのデジタル教科書教育研究会の以下のイベントのように、PDF形式のほかに、テキスト形式を提供するのがよいのだろうと思います。あと、可能であれば点字データも。

 そして、当然ですが、公開するPDFもアクセシブルにしましょう。