7月 12

前のブログを閉鎖しまして、代わりに404からInternet ArchiveのWayback Machineに飛べるようにしました

 このブログと並行して公開していた”e-chuban blog”(http://wp.kzakza.com/)というブログを先日閉鎖しました。中国語圏の出版情報や図書館情報を集めていたブログでした。ここ数年はこの分野への私の関心が薄れてしまったせいもあって、更新頻度も激減し、最後の記事を掲載してから1年以上経過してしまいました。掲載している情報もかなり古くなってしまって、鮮度も落ちてしまった。もういいかなと。更新を停止してもブログをそのまま残しておくことも考えたのですが、更新しないブログにログインしてWordpressのアップデート等のメンテナンスをし続けるのも、もはや面倒。もういいかなと。

 そういうわけで、ブログを先日閉鎖しました。

 代わりにというわけではないのですが、e-chuban blog”(http://wp.kzakza.com/以下)にアクセスすると404のページからInternet ArchiveのWayback Machineに飛べるようにしてみました(ちょっとやってみたかった)。Wayback Machineに該当ページが保存されていれば、以下のようなリンクが表示され、収集されたページ誘導されるはずです。保存されていなければ表示されません。

Would you like to see an archived version of this page in the Internet Archive's Wayback Machine?

 自分のブログの全エントリを積極的にInternet Archiveに永久保存してほしいとはとても思えないので、保存依頼はとくせず、Internet Archiveに保存されるにまかせました。印象としては、保存されていればラッキーと思える程度という感じです。個人のブログだとそんなものですかね。

 これについてやったことは、404のページに以下の2行を追加したぐらいです。

<div id="wb404"/>
<script src="https://archive.org/web/wb404.js"> </script>

 
 この404については、以下を参照してください。

7月 07

British Libraryが現在、英国のウェブサイトを網羅的に収集中

British Libraryのウェブアーカイビングプロジェクト UK Web Archiveが6月12日より英国のウェブサイトを網羅的に収集しています。現在進行形で収集中。

 British Libraryは2013年から法に基づいて英国のウェブサイトの網羅的な収集(バルク収集)を開始しました。今回は2回目のバルク収集です。

 収集開始当日である2014年6月12日に掲載されたUK Web Archiveブログのエントリによると、前回の2013年は19億のURL、総容量で30.84TBのウェブリソース(ウェブサイトやイメージファイル、ドキュメントファイルなど)を集めたそうです。収集に70日かかったとか。今回は”.uk”ドメインと英国にホストがあると分かっている”.com”、 “.net”ドメイン “.info”ドメインなどを持つウェブサイトが収集の対象になるそうです。今年はどれくらい集まるか、その予想をハッシュタグ#ukwebcrawl2014で投稿するよう、Twitter市民に呼びかけたりもしています。

 現在の状況はUK Web ArchiveのTwitterのアカウント@UKWebArchiveで報告されています。2014年7月7日の報告では、3週間を経過したところで 8.4TBを収集したようです。

ハッシュタグは上にも出てきている#ukwebcrawl2014です。しばらくはこれで楽しめそうです。

5月 29

IIPC総会 2014のプレゼン資料が公開されている

ワークショップを含めると、5月19日から5月23日までフランスで行われていたIIPC総会 2014のプレゼン資料が以下で公開されています。

 ちなみにIIPCはウェブアーカイブ関係機関で構成される国際コンソーシアムです。Internet Archiveやウェブアーカイビングプロジェクトを進めている各国の国立図書館、研究機関がメンバーになっています。日本では国立国会図書館がメンバーになっています。IIPCについては、以下が日本語で詳しく紹介しています。

 今回の総会では、日本からは国立国語研究所の浅原先生達がウェブコーパスについて発表されていますね。

個人的にはロスアラモス研究所のMartin Klein氏のHiberlinkのプレゼンが興味深いと思いました。これはHiberlinkそのものに対してというよりは、いつの間にか私が追っかけをしてしまっている同研究所のHerbert Van de Sompel氏繋がりではあるのですが。

5月 29

ウェブアーカイブの利活用とMementoを扱ったAhmed AlSum氏の博士論文発表会スライド

 久しぶりに今回はウェブアーカイブネタ。 Old Dominion University、Web Science and Digital Libraries Research GroupのAhmed AlSum氏が博士論文の発表会で用いたスライドが公開されています。Ahmed AlSum氏のことはよくしらないのですが、スライドがMementoを中心にウェブアーカイブの利活用を中心にまとめて面白かったです。
 
 ウェブアーカイブというよりも、時間軸でウェブをどのように利用させるかと言ったほうが、伝わる方には伝わるかも知れませんね。それにもMemento台湾大学も参加していたことは知りませんでした。アジアでは最初ではないですかね。

 
 

関連エントリ

10月 27

Internet ArchiveのWayback Machineが大幅にサービスをリニューアル

先のエントリでアプリケーションのWaybackの話を紹介しましたが、今回はInternet Archiveが提供するWayback Machineというサービスの話です。Internet ArchiveのWayback Machineが10月25日リニューアルし、サービス・機能を大幅に強化しました。

00
Internet Archive: Wayback Machine

 リニューアル前の画面も当然ですが、Internet Archiveに保存されていますので、見ることができます。
11
Internet Archive: Wayback Machine 2013/10/21

リニューアルの詳細

  リニューアルの詳細は、以下のIAブログで紹介されています。「この世界(インターネット)は俺たちに任せろ」といわんばかりのInternet Archiveの「アーカイブ」に対する強い自負が感じられるエントリです。

 まとめると以下になります。

1.アーカイブされたウェブページをより早く公開

 アーカイブされたウェブページをクローラーで収集されてから1時間強で利用できるようになりました。これまでは利用できるまで数ヶ月かかっていたようですので、すごい時間短縮です。


収集したことを知らせるとともに、利用できるようになるまで数ヶ月かかることを知らせる従来のメッセージ
from
Internet Archive“Wayback Machine” | 世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業より

2.インスタント・オンデマンド・アーカイブサービス

 と、勝手ながら呼ばせていただきましたが、Internet Archiveはユーザーのリクエストに応じてウェブサイトにクローラーを走らせ、ウェブページを保存するサービスを開始しました。

 アーカイブされてから提供されるまで1で紹介したような機能強化がされても1時間強はかかりますが、リンクを貼るためのWayback Machineにおけるウェブページの固定URLはユーザーがアーカイブをリクエストをしたタイミングで知らせてくれます。

 ウェブページを引用や参考文献に使いたい研究者やWikipediaの執筆者、法律家、学生などだれでも利用することができます。1のクローラーによる収集からアーカイブされたウェブページの公開に至るまでの時間短縮とあわせて考えるとこれは凄い機能です。

 簡単に流れを紹介しますと

 トップページに以下のようなフォームが用意されています。Internet Archiveに保存を依頼したいウェブページのURLを入力します。
Save Page Nowというフォーム

そうすると、すぐにIAのクローラーが走り、ウェブページのアーカイブが開始します。
アーカイブ処理中をしらせる画面

無事、アーカイブ処理が終了するとその固定URLが表示されます。
アーカイブ処理が終了したことをしらせ、その固定URLが表示される

 上のURLでアーカイブされたウェブページが利用できるようになるのは、1時間ほど先ですが、固定URLはすぐに取得できます。論文やなにかの執筆などに挙げる参考文献のために安定したURLを提供する機能として考えれば、アカデミズムへの貢献という観点からみてもウェブアーカイブの面目躍如たる機能だと思います。

3.Wayback Availability JSON API

 Wayback Machineに保存されているかどうかをプログラムによって確認できるWayback Availability JSON APIが公開されました(おそらく新規公開)。

4.Web上からリンク切れをなくす取り組み

 Internet Archiveがアーカイブしたウェブサイトをオリジナルのウェブサイト管理者に活用してもらうことで、リンク切れをなくす取り組みです。

WordPress.com及びセルフホストでWordpressで構築されたウェブサイト

 WordPress.comで公開されているブログと、Wordpressによりセルフホストで構築されたサイト(えっ・・汗)、そして、それらからリンクが貼られている外部のウェブページを含めて、Internet Archiveはクローラーを走らせて保存しているそうです(1日URL300万件分が保存されているとのこと)。

 リンク切れがあった場合にInternet Archiveが保存したウェブサイトのURLに自動的に変更するWordpressのプラグイン”Broken Link Checker”をInternet Archiveが作成し、提供しています。

Wikipedia.org

 Wikipedia.orgの全ての更新記事や新規記事に掲載されている外部リンク先(outlinks)のウェブサイトにクローラーを走らせ、Wikipedia.orgからリンクを貼られているウェブサイトを保存しているそうです(1日URL500万件分が保存されているとのこと)。

 Wikipediaから貼られた外部のウェブサイトが仮に消失してしまい、リンク切れになったウェブサイトは自動的にInternet Archiveが保存したウェブサイトのURLに自動的に変更されるような仕組みについて、Internet ArchiveとWikipediaで協議しているとのことです。

全てのウェブマスター向け

 全てのウェブマスターに以下の数行を404ページに追加することを呼びかけています。

<div id="wb404"/>
<script src="https://archive.org/web/wb404.js"> </script>

 404ページに上の2行のタグを追加しておくと、あるURLのページが消失し、404画面が表示される際に仮にそのURLの過去のウェブサイトがInternet Archiveが保存されていた場合は以下のような案内を404画面に表示して、Wayback Machineに誘導してくれます。

その例が以下です。

 詳しくはIAブログの以下をご参照ください。

 Internet Arhiveのブリュースター・ケール氏、Internet Archiveへのアクセスの集中がすごいために、アクセスを散らすためにSiteless WebsiteなどというP2P方式のコンテンツ提供方式を考えたりしているらしいのですが、そんなInternet Achiveがアクセスを減らす方向ではなく、よりアクセスを集めそうなサービスを展開する、その姿勢はすげーと思います。

関連エントリ

10月 26

Internet ArchiveがHistorical Software Archiveを公開。あのソフトウェアをブラウザ上で実行できるぞ

  Internet Archiveが10月25日にHistorical Software Archive(Historical Software Collection)を公開しました。Internet Archiveはすでに過去のソフトウェアをアーカイブしたSoftware Collection を公開していますが、Historical Software Archiveはその中から著名で歴史的に重要なものを集めたコレクションだそうです。

 Historical Software Archiveと他のソフトウェアコレクションとの違いは、Historical Software Archiveのほうはソフトウェアをブラウザ上で実行できるということでしょうか。JSMESSというJavaScriptベースのエミューターが使用されているそうです。JSMESSが対応している環境が多くてすごい・・・。

 公開されているソフトウェアは28とまだ多くはなく、気のせいか、いや、まちがいなく、ゲームが多くを占めているような・・・。その多くないタイトルの中にあのカラテカがあったりして、ブラウザで遊べたりとか・・・。

10月 13

Open Wayback Project – Waybackをオープンソース化して開発をリランチ

 Waybackといえば、Internet Arhiveが提供するWayback Machineというアーカイブされた過去のウェブサイトを閲覧するウェブサービスが有名ですが、アーカイブされたウェブサイトを閲覧するためのWaybackというアプリケーションもあります。Internet Archiveが中心となって開発し、Internet Archiveがこのアプリケーションを使用してWayback Machineというサービスを提供していますので、サービスとアプリケーションが混同されがちですが(IAの中の人は区別してないかもねぇ・・)、この両者は一応区別されるべきものです。IA以外にアプリケーション”Wayback”を使用している機関はいくつかあるようです。

 前置きが長くなりましたが、今回は後者のアプリケーションの話です。
 
 これまで、Waybackの開発は前述のようにInternet Archiveが中心になって進めてきましたが、今後はアイスランド国立大学図書館、ロスアラモス国立研究所、ノルウェー国立図書館が中心になり、オープンソースとして開発をすすめることなりました。Internet Achiveは英国図書館、フランス国立図書館とともに中心貢献機関という立場で、コード全体の監督やこれまで作成してきたコードの提供をする立場になり、直接の開発から離れることになったようです。

 International Internet Preservation Consortium(IIPC)のウェブサイトでOpen Wayback Projectのページが公開されています。

8月 03

Open Annotationとウェブアーカイブのちょっとした関係

 先のエントリでOpen Annotationの紹介をしましたが、余談としてOpen Annotationとウェブアーカイブのちょっとした関係を1つ。

 Open Annotation Data Modelのエディタの1人にロスアラモス国立研究所のHerbert Van de Sompel氏が名を連ねています。Sompel氏はOpen Annotation Collaboration(OAC)でプロジェクトのフェーズ1から主任研究員(principal investigator)の1人としてOpen Annotationに中心人物として参加され続けているようです。このSompel氏、このブログで時々紹介しているウェブアーカイブプロジェクトMementoの方でもありまして(その他、いろいろな顔をお持ちですが)、忙しいにも関わらず毎日、Mementoの“SiteStory Web Archiveのデモ用に自分の写真をBBCのトップページとともにを毎日公開している方でもあります。

 

 Open Annotatationとウェブアーカイブに関係する部分ですが、Open Annotation Data Modelの「3.3.1. Time State」あたりにでています。ウェブアーカイブされたウェブサイトなどデジタルリソースの過去のバージョンを参照するモデルを規定するところです。例示としてMementoプロトコルが言及されていますね

Time Stateのモデル
Time Stateのモデル

 
 Open Annotation Core Data Model Example Listには上のモデルの例示が掲載されています(ウェブアーカイブされたコンテンツがターゲットではありませんが)。

  <x:MyAnno> a oa:Annotation ;
    oa:hasBody <http://www.youtube.com/watch?v=uPh81LIe7B8> ;
    oa:hasTarget <urn:uuid:5D9AD68D-2043-4C77-A40C-ECB00F6248F9> .

  <urn:uuid:5D9AD68D-2043-4C77-A40C-ECB00F6248F9> a oa:SpecificResource ;
    oa:hasSource <http://en.wikipedia.org/> ;
    oa:hasState <urn:uuid:681821DE-E7C3-4486-9E30-F8B9A75AD16B> .

  <urn:uuid:681821DE-E7C3-4486-9E30-F8B9A75AD16B> a oa:State ;
    oa:when "2012-01-18 12:00:00Z" .

Example ListからリンクされているStateより

関連エントリ

7月 10

Memento関係の小ネタ3本

 このブログでなんどか取り上げている Memento関係で小ネタを3つ。

Mementoプロトコル草案 ver.0.8公開

Mementoプロトコル草案のver.0.8が7月9日に公開されました。

HTTP framework for time-based access to resource states — Memento draft-vandesompel-memento-08

参考

Mementoプロトコル対応のブラウザ

iOSとAndoroid向けのMementoプロトコル対応のブラウザが公開されていました。

参考

Archive.isがMementoに対応

Archive.isがMementoに対応しました。

関連エントリ

3月 29

様々なレイヤーのArchived website の統合インターフェイスを志向するMementoプロトコル

 過去のエントリでMementoの以下のようなウェブアーカイブに係る取り組みについて紹介しました。

 上だけでも結構すごいと思うのですが、いよいよ本丸ということで、Mementoが公開しているMementoプロトコルのドラフトを読んでみました。

 

 がっ!

 ようわからん・・・( ̄Д ̄;;

 
 頑張ってみましたが、私の知識ではちょっと理解するに及びませんでした。そこでMementoの以下のMementoプロトコルの紹介と

 MementoのHerbert Van de Sompel氏の一年前のスライド(以下)を手がかりに軽く紹介したいと思います。

 

 完全に理解しているわけでもないの紹介するのは少々躊躇われますが、Mementoプロジェクトが志向していることがよくわかるプロトコルです。紹介せずにいられない。

Mementoプロトコルを一言でいえば

 様々なレベル、手法でアーカイブされている過去のウェブ情報に一元的にアクセスさせるためのHTTPを拡張したフレームワーク

です。

標題にある通り、アーカイブされたウェブサイトの一元的なインターフェイスを提供を試みるHTTPプロトコル拡張というべきかもしれません。

 様々なレベル、手法といってもいろいろとありますが、Herbert Van de Sompel氏が上のスライドで挙げた例を参照すると以下のようなものでしょうか。現時点では、もちろん全てがMementoに対応しているわけではありません。

  • Internet Archiveなどのウェブアーカイブプロジェクトが保存した過去のウェブサイト
  • WikiやWordpressなど、バージョン管理システムを搭載しているCMSの差分情報
  • Googleなどが持っているキャッシュ

 つまり、Mementoは、Internet Archiveや世界の国立図書館のウェブアーカイビングプロジェクトだけを対象としているのではなく、検索エンジンのキャッシュやCMSの差分情報など普段、ウェブアーカイビングの文脈では語られにくいコンテンツもラップして統合的なアクセスを試みようとしていることになります。先日紹介したMementoの“SiteStory Web Archive”もそういった様々なウェブアーカイブの1つにサーバーサイド分散型セルフウェブアーカイブ というレイヤーを1つ追加しようという試みなのでしょう。

Mementoプロトコルしくみ

  
 簡単に説明するとHTTPのリクエストに以下のようなAccept-Datetimeヘッダを含めて、あるURLの特定の時点のページをサーバー側に要求を投げ、サーバー側とコンテンツのネゴシエートをする仕組みです。Mementoはこのネゴシエートする対象を様々なレイヤーにひろげようと考えているようなのです。

GET /memento/timegate/http://www.yahoo.co.jp/ HTTP/1.1
Host: purl.org
User-Agent: Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10.8; rv:19.0) Gecko/20100101 Firefox/19.0
Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8
(省略)
Accept-Datetime: Sat, 18 Aug 2007 12:00:00 GMT
Connection: keep-alive

 

 リクエストを投げた後のフローですが、一番シンプルなケースの場合、オリジナルのURL(URL-R)とアーカイブされたそれぞれの時点のウェブサイト(URL-M)の間にTimeGate(URL-T)というリソースをおいて、このTimeGateでコンテンツをネゴシエートして、求める時点のウェブサイト(URL-M)に誘導します。

オリジナルのURL(URL-R)とアーカイブされたそれぞれの時点のウェブサイト(URL-M)の間にTimeGate(URL-T)というリソースをおいて、このTimeGateでコンテンツをネゴシエート
from Memento Guide: Introduction

  もう少し複雑な例として、TimeBundleとTimeMapを含めたフローもあります。Mementoプロトコルを読んでいて躓いたのは、実はこのTimeBundleとTimeMapでして、あまり詳しい説明ができません。こういうのがあるんだという紹介だけですまさせていただきます。


from Memento Guide: Introduction
 

まとめ?

 以前、「Web情報を保存するとは何かの続きの続き」というエントリを書いた事がありますが、あのエントリで書いたある程度の解はMementoプロトコルかもしれません。どこまで普及するかわからないプロトコルですが、非常に興味深い試みだと思います。IETFのインターネットドラフトとして公開されているのも興味深いですね。RFC化を目指しているのでしょうか。どうせなら、今、ちょうど議論されているHTTP2.0に組み込むよう働きかけたらどうだろうかと勝手ながら思ったりします。 
 

【参考】サーバー・クライアント間のリクエストとレスポンスの大まかなフロー

  
 Memento拡張のヘッダを入れ込んだHTTPでのリクエストとレスポンスのフローを1つ見てみたいと思います。
 ちなみにMementoプロトコルは以下のFirefoxのアドオンをインストールすることで使用することができます。

 今回はMementoでYahoo!Japan(http://www.yahoo.co.jp/)の2007年9月18日時点のウェブサイトにアクセスするとします。この場合、最終的にはInternet Archiveが保存した以下の2007年8月23日時点のウェブサイトが表示されるわけですが、そこまでの大まかなクライアント側とサーバー側のリクエストとレスポンスのフローを紹介します。

(1)リクエスト(クライアント側)

 クライアント側からTimeGateのあるhttp://purl.org/に対して以下のようなリクエストを投げています。2007年9月18日時点のYahoo!Japanのトップページほしいと言っているわけですね。

GET /memento/timegate/http://www.yahoo.co.jp/ HTTP/1.1
Host: purl.org
User-Agent: Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10.8; rv:19.0) Gecko/20100101 Firefox/19.0
Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8
(省略)
Accept-Datetime: Sat, 18 Aug 2007 12:00:00 GMT
Connection: keep-alive

 「Accept-Datetime: Sat, 18 Aug 2007 12:00:00 GM」が肝です。

(2)レスポンス(purl.orgサーバー側)

  purl.orgサーバーは02(Moved Temporarily)を返しつつ、http://mementoproxy.lanl.gov配下のTimeGateへ誘導します。

HTTP/1.1 302 Moved Temporarily
Date: Thu, 28 Mar 2013 15:21:19 GMT
Server: 1060 NetKernel v3.3 – Powered by Jetty
Location: http://mementoproxy.lanl.gov/aggr/timegate/http://www.yahoo.co.jp/
Content-Type: text/html; charset=iso-8859-1
X-Purl: 2.0; http://localhost:8080
Expires: Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 GMT
Content-Length: 299

 

(3)再度のリクエスト(クライアント側)

 クライアント側から(2)で誘導されたTimeGateのあるhttp://mementoproxy.lanl.gov/へ改めてリクエストを出します。(1)と同じようなリクエストですね。

GET /aggr/timegate/http://www.yahoo.co.jp/ HTTP/1.1
Host: mementoproxy.lanl.gov
User-Agent: Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10.8; rv:19.0) Gecko/20100101 Firefox/19.0
Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8
(省略)
Accept-Datetime: Sat, 18 Aug 2007 12:00:00 GMT
Connection: keep-alive

 

(4)レスポンス(mementoproxy.lanl.govサーバー側)

  mementoproxy.lanl.govサーバーは以下のようなレスポンスを返します。

HTTP/1.1 302 Found
Date: Thu, 28 Mar 2013 15:21:20 GMT
Server: Apache
Vary: negotiate,accept-datetime
Link: ;rel=”original”,;rel=”timemap”;type=”application/link-format”,;datetime=”Wed, 20 Nov 1996 06:53:42 GMT”;rel=”first memento”,;datetime=”Sun, 05 Aug 2012 00:00:00 GMT”;rel=”last memento”,;datetime=”Sun, 12 Aug 2007 04:46:13 GMT”;rel=”prev memento”,;datetime=”Mon, 27 Aug 2007 07:53:33 GMT”;rel=”next memento”,;datetime=”Thu, 23 Aug 2007 00:35:41 GMT”;rel=”memento”
Location: http://api.wayback.archive.org/memento/20070823003541/http://www.yahoo.co.jp/#

Content-Length: 0
Keep-Alive: timeout=15, max=98
Connection: Keep-Alive
Content-Type: text/plain; charset=UTF-8

 2007年9月18日時点のYahoo!Japanのトップページがないので、保存されているページのうちで近い日付のものをネゴシエートしています。そして、最終的に、以下のURL、つまり、2007年8月23日にInteret Archiveが保存したのものが一番望む日付に近いよとクライアント側に返します。

http://api.wayback.archive.org/memento/20070823003541/http://www.yahoo.co.jp/
 

(5)Internet Archiveへのリクエスト(クライアント側)

(4)を受けてクライアントはInternet Archiveに2007年8月23日時点のYahoo!Japanのトップページをリクエストします。

GET /memento/20070823003541/http://www.yahoo.co.jp/ HTTP/1.1
Host: api.wayback.archive.org
User-Agent: Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10.8; rv:19.0) Gecko/20100101 Firefox/19.0
Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8
Accept-Language: ja,en-us;q=0.7,en;q=0.3
Accept-Encoding: gzip, deflate
DNT: 1
Cookie: wayback_server=37
Accept-Datetime: Sat, 18 Aug 2007 12:00:00 GMT
Connection: keep-alive

 

(6)Internet Archiveのレスポンス(api.wayback.archive.orgサーバー側)

  Internet Archiveのapi.wayback.archive.orgサーバーは以下のようなヘッダーを返します。

HTTP/1.1 200 OK
Server: Tengine/1.4.3
Date: Thu, 28 Mar 2013 15:21:21 GMT
Content-Type: text/html;charset=euc-jp
Transfer-Encoding: chunked
Connection: keep-alive
Memento-Datetime: Thu, 23 Aug 2007 00:35:41 GMT
Link: ;rel=”timebundle”, ;rel=”original”,;rel=”memento”; datetime=”Thu, 23 Aug 2007 00:35:41 GMT”, ;rel=”last memento”; datetime=”Mon, 18 Mar 2013 14:17:56 GMT”, ;rel=”first memento”; datetime=”Wed, 20 Nov 1996 06:53:42 GMT”, ;rel=”prev memento”; datetime=”Sun, 12 Aug 2007 04:46:13 GMT”, ;rel=”next memento”; datetime=”Mon, 27 Aug 2007 07:53:33 GMT” , ;rel=”timemap”; type=”application/link-format”,;rel=”timegate”
(省略)

 「Memento-Datetime: Thu, 23 Aug 2007 00:35:41 GMT」を返しています。 Memento-Datetimeはその時点のウェブサイトを持っていることを意味しています。あとは、2007年8月23日時点のYahoo!Japanのトップページを受け取るためにクライアント側とサーバー側でやり取りを繰り返します。

関連エントリ