CoderDojo Advent Calendar 202412日目の記事です。子どもたちがニンジャとしてCoderDojo奈良の奈良と生駒の活動日に定期的に参加させていただいています。この記事では、ニンジャの保護者という視点から子どもたちとCoderDojoとの関わりについて振り返ります(CoderDojoについては、CoderDojo Japanのサイトをご参照ください)。
なお、以降この記事では「CoderDojo奈良」は奈良市、生駒市、平群町の3つの拠点で開催される活動の総称として用います。
CoderDojoへの参加のきっかけ
子どもたちのCoderDojoへの参加のきっかけは、上の子がマンガを読んでプログラミングに興味を持ち、Scratchを始めたことです。せっかく興味をもったので、プログラミングのことで話ができる同世代の友達ができるとよいと思い、上の子に参加を勧めたのがCoderDojoでした。
プログラミングに興味がある子が集まる場所として、プログラミング教室も当初は候補に考えましたが、本人の関心と直接関係がないことも含まれる共通のテキストやカリキュラムに従って習うのは、たぶんプログラムを始めたばかりの子どもにとっては楽しくないのではないかと思いました。プログラミングそのものに興味を失うこともありそうでもったいない。プログラミングやコンピュータにまつわる諸々については、新しいものがどんどん出てくるだろうし、Scratchだけを今後も触り続けるかはわからない。やりたいことがあって、何を使えば、それができるかを知る、という流れのほうが実現したイメージがはっきりしていて本人も楽しいだろう。なので、「やりたい」を刺激したり、「(いろいろな)何ができる」に触れる機会がある場がないかと考えていた中で見つけたのが、CoderDojoでした。
※この時の子供の状況がそうだったというだけで、プログラミング教室そのものを否定したいわけではないのでご留意ください。カリキュラムに沿って学ぶ方法は体系的に学ぶ必要がある場面において、有効な学習方法だと思います。
記録を遡っていくと、上の子がCoderDojo奈良に最初に参加した回は2020年9月に開催されたものでした。コロナ禍の始まった頃だったんですね。その後、下の子も上の子の影響を受けてScratchを始め、兄弟でCoderDojo奈良に参加するようになっています。
CoderDojo奈良に参加してよかったと感じたこと
CoderDojo奈良では、最初の2時間はプログラミング(やマインクラフトその他なにか制作)に集中し、残り1時間は、発表したい人はその成果(その日でなくてもなにかを)を発表するというサイクルで回しています。制作の時間は同じ空間を共有し、プログラミングをしたり、マインクラフトをやったり、隣で自分と違ったことをしているニンジャたちがいて「何をしているの?」と興味があったら覗きにいける環境になっていて、自由だけど、隣に新しいなにかがあったりする。
そして、発表の時間に自分のやっていることを言葉にして人前で発表することで、自分のやろうとしていることもより理解できるし、同世代の発表を聞いて「すげぇ」と思う機会もある。同世代のやっていることはやはり刺激を受けやすい。そういうのは、強制されるよりも「次に〇〇やろう」の強いインセンティブが刺さる。
子どもの「やりたい」を刺激してくれる場だと感じています。
子どもたちにとってのCoderDojo
子どもたちにとっては、学校でも家庭でもない第3の居場所になっていると思います。学校では会えない、共通の興味を持つ友達とCoderDojoでしか会えてとても楽しそう。
子どもたちはScratchやマインクラフトで作ったものを私によく見せてくれますが、その週末にCoderDojoがあると、CoderDojoで見せられることを楽しみにしていたりもする。作った物を見せる機会があるというのは、何かを作る上で大きなインセンティブになるのだなぁとつくづくと感じます。CoderDojoが「どうだ、すごいだろ」と言える場になっていて、自信を得る場にもなっている。
そして、子どもたちは自覚していないかもしれませんが、チャンピオンやメンターという親でも学校の先生でもない大人との交流も、子どもたちにとってはとても大きな経験になっていると思います。子どもにとっては、親や学校の先生は大きな存在で両者の言うことは絶対というか、タテの関係になりがちですが、チャンピオンやメンターとの交流は、大人にもいろいろな意見や考えを持つ人がいることの気づきになっているように思います。
さいごに
2023年に奈良で開催されたDojoCon Japanでは、兄弟で発表する場をいただいて、全国のニンジャにプログラムを紹介する機会と交流する機会をいただきました。加えて、上の子は大会開催側の中の人として、大人に混ざりながらゼロからイベント開催に至るまでのプロセスを関わるという得難い経験もさせていただいています。下の子はDojoCon Japan@奈良で発表した経験が楽しすぎて、2024年に岡山で開催されたDojoCon Japanへも遠征し、そこでもScratchで書いたプログラムを発表しました。岡山でも他のCoderDojoのニンジャの子と友達になって、再会できる日を楽しみにしていたりもする。CoderDojoでは、学校や家庭では経験できないいろいろな経験をさせていただきました。
お世話になっているCoderDojo奈良も10月で10周年を迎えました。おめでとうございます!子どもたちはその10年のうち5年はお世話になっていることになります。継続的に定期開催し続けること、コミュニティを10年維持しつづけることは大変なことだったと思います。子どもたちもニンジャ同士で教え合う関係になって自主的にコミュニティに貢献するようになっていくとよいなと想います。
いくら感謝しても感謝しきれないというのが正直なところですが、全国のニンジャの保護者にも各地で開催されるCoderDojoに対して同様の気持ちでいる方々は多いのではないかと思います。CoderDojo奈良、そして、200ヶ所以上で開催されている全国のCoderDojoのチャンピオン、メンターの皆様にこの場を借りて、心から敬意と感謝を申し上げます。