RDA (Resource Description and Access) のアクセシビリティメタデータへの対応状況

 以前のエントリで、MARC21にアクセシビリティメタデータの項目が2018年11月に追加されたことを紹介しました。

 MARC21で実際に上の項目が活用されるためには、メタデータをどのように記述するかをまとめたガイドライン(目録規則)であるRDA(Resource Description and Access)がこれらの項目に対応している必要があります。

 現在の状況について、トライアルでオンラインのRDAであるRDA Toolkitを用いて調べてみました(特にアクセスモードに関係する341項目への対応の有無がとても気になった)。
 
 結論から言えば、
 
 正規版の最新版である2017年版、更新が現在も継続されている  ベータ版の最新版いずれも、2018年に追加されたMARC21の048, 341532フィールドに対応していない

ようです。
 
 RDAは、2017年版において、”Section 2: Recording Attributes of Work & Expression” > “7. Describing Content” > “7.1.4 Accessibility Content”でアクセシビリティに関する要素を表現形の内容要素(content element)としてAccessibility Contentを以下のように規定しています。なお、Accessibility Contentはコア・エレメント(必須要素)とされていません。

7.14 Accessibility Content
7.14.1 Basic Instructions on Recording Accessibility Content
7.14.1.1 Scope
accessibility content: An indication of content that provides alternative sensory modes to perceive the primary content of an expression.
Accessibility content includes accessible labels, audio description, captioning, image description, sign language, and subtitles. Accessibility content does not include subtitles in a language different from the spoken content.

7.14.1.2 Sources of Information
Take information on an accessibility content from any source.

7.14.1.3 Recording Accessibility Content

Record information about an accessibility content if the information is evident from the manifestation or is readily available from another source.

EXAMPLE
Closed captioning in German
Includes subtitles
Open signed in American Sign language

 Accessibility Contentは現時点では、MARC21で言うところの以下のフィールドに対応するものとされているようです。

 ”7.14.1.1 Scope”でなされている用語の定義に若干の変更が見られますが、それ以外はRDAが公開された初版(2010年版)から正規版最新版の2017年版まで変わっていません。また、2017版が公開されて以降、現在に至るまで更新が続けられているベータ版では、書誌の記録のとり方(Recording)について以下が追加されて、Accessibility Contentは、注記(unstructured description)としての利用が想定されていることが具体的に書かれています。

Recording

Recording an unstructured description

OPTION
Record a value for accessibility content if the information is evident from the manifestation or is readily ascertained from another source.

Example
For general guidance on unstructured descriptions, see Guidance: Recording methods. Recording an unstructured description.

Recording a structured description

This recording method is not applicable to this element.

Recording an identifier

This recording method is not applicable to this element.

Recording an IRI

This recording method is not applicable to this element.

 つまり、現時点では、2018年に追加されたMARC 21の341には対応していないことになります。

 なお、RDA との相互運用性を担保されている『日本目録規則 2018年版』は、アクセシビリティメタデータに関し、「第5章 表現形」の5.14で以下のとおり、規定していますRDAのAccessibility Contentとほぼ同じです。

5.14 アクセシビリティ
5.14 アクセシビリティ
 アクセシビリティは、エレメントである。

5.14.0 通則
5.14.0.1 記録の範囲・情報源
5.14.0.1.1 記録の範囲
 アクセシビリティは、視覚または聴覚に障害をもつ利用者などが、資料の内容を理解できるように補助する手段である。アクセシビリティ・ラベル、音声解説、キャプション、字幕、画像解説、手話などがある。
 アクセシビリティには、発話と異なる言語の字幕は含まない。

5.14.0.1.2 情報源
 アクセシビリティは、どの情報源に基づいて記録してもよい。

5.14.0.2 記録の方法
 アクセシビリティに関する情報は、資料から明らかな、または他の情報源から容易に得られる情報を記録する。
手話付き

※2020年3月23日追記
 Accessibility Contentの改定が近く予定されています。そのあたりの議論とその結果を以下のエントリでまとめました。

アクセシビリティメタデータマッピング表(Schema.org <EPUB Accessibility 1.0 >, ONIX for Books 3.0, JPRO ONIX, MARC21, BIBFRAME, JAPAN/MARC MARC21)

※2020年3月4日追記 1月23日に公開したものにJPRO ONIXデータ仕様第4版(フェーズ2)とJAPAN/MARC MARC21フォーマットを追加しました。

 アクセシビリティに関するメタデータ(アクセシビリティメタデータ)のマッピング表の作成を試みましたので、公開します。あくまで kzakza案です。

EPUB Accessibility 1.0 については、各プロパティの各値の利用についてAdvanced-Publishing-Laboratoryのgithub上の議論を参考までに入れています。
 
 マッピング表の作成にあたり、一部は以下を参考にしました(が、そのままではありません)。

関連エントリ

 それぞれのアクセシビリティメタデータについては、以下のエントリも参照してください。

EPUB Accessibility 1.0

ONIX3.0

MARC21

You see English versions of the mapping table at another entry.