マラケシュ条約が目標とするところを実用レベルで実現することを目的とするコンソーシアムAccessible Books Consortium(ABC )が6月30日に発足するようです。後述のステークホルダー・プラットフォームの後継機関として設置されるようです。
発足の経緯は、WIPOの27回目のStanding Committee on Copyright and Related Rights(SCRR/27)で提示された、ステークホルダー・プラットフォームの第9回会合(2014年2月14日)の結果をまとめた第8次中間報告(”Eighth Interim Report of the Stakeholders’ Platform(SCCR/27/4)”)が詳しいです。
ステークホルダー・プラットフォームはWIPOに設置されたステークホルダーのあつまりで、プリントディサビリティへの著作物の提供と著作権の保護の両立についてステークホルダーの間で話し合う場のようです。Accessible Books Consortiumはこのステークホルダー・プラットフォームの後継機関として設置されることになります。
コンソーシアムは、プリントディサビリティ、権利者、出版社、著者などのステークホルダーを代表する団体、機関によって構成されます。主な機関は以下の通り。
- World Blind Union
- DAISY Consortium
- International Association of Scientific, Technical & Medical Publishers
- International Authors’ Forum
- International Federation of Library Associations and Institutions
- International Federation of Reproduction Rights Organizations
- International Publishers Association
これまでステークホルダー・プラットフォームが進めてきた以下の3つのプロジェクトを恒常的な組織として引き続き遂行することが主な活動内容になります。
- Capacity Buildingプロジェクト
- TIGAR Service (Trusted Intermediary Global Accessible Resources)プロジェクト
- Inclusive Publishingプロジェクト
また、この1年間の活動内容として、Authorized Entittyを増やすこと、Accessible Publishing憲章の策定に向けた検討が挙げられているようです。