EPUBにOpen Annotationを組み込むための検討が始まったようです

 11月7日の村田真さんのツィートによるとEPUBにOpen Annotationを組み込むための検討がはじまったようです。EPUB3.01に係る議論※1の中での話でしょうか?


議論の詳細は不明ですが、アノテーション機能が仕様で規定されているPDFのように、どのビュワーでもアノテーションが付与できて、どのビュワーでもそのアノテーションを閲覧・編集することができるようになるのでしょうか。
Readiumの開発の議論を追っていると、Open Annotation Data Modelを利用したアノテーション機能の実装も提案されているようですし、EPUBにおけるアノテーションの標準化がここ数年で一気にすすむかもしれませんね。

※1 EPUB 3.01に関する情報はepub-revisionの以下のページに集約されているようですが、残念ながらドキュメントは非公開で詳細を知ることが現時点ではできません。

 Matt Garrish氏が以下のブログである程度まとまった情報を発信されているようです。

 

Open Annotationに関するエントリ

iBooks for Mac OSのMedia Overlays対応

 結論から申せば、iOS版と同じく、固定フォーマットのEPUB版のみでのMedia Overlays対応でした。
 固定フォーマットMedia OverlaysありのEPUBはkintaさんがすでに試されていますが、テキストハイライトに同期させての音声再生が可能です。

 しかし、固定フォーマットでないMedia OverlaysなEPUB(IDPFが公開している以下のサンプル)で試したところ、再生はできませんでした。

 朗読のUIだけは表示されるんですけどね・・

iBooks for Mac OSで固定フォーマットでないMedia OverlaysなEPUBを開いた状態
(朗読メニューが表示されているが、アイコンなどは非アクティブ状態)

デスクトップ環境の電子書籍ビューワーのUI

 むかし、むかし、こんなエントリを書き、「電子書籍ビューワーのUIって、なんかいろいろ足らないんじゃないっすかっ!」と訴えたことがありました・・・

 しかし、デスクトップ上では状況が変わってきたようです。今日、公開されたiBooks for Mac OS X や Murasakiでは、当然のように複数の本が開けます。
 本文と巻末の注を電子書籍で読むなんて辛い辛い、と思ってましたが、同じ本の異なる箇所を別々のウィンドウで同時に表示できれば解決じゃないか!ワッショイ!ワッショイ!という感じです(Murasakiは同じ本を複数のウィンドウで立ち上げることができましたが、iBooksは残念ながらできないようですね。これは残念です)。
 2011年にあのエントリを書いた時には1つのビューワー内で複数の本を見比べるにはどんなUIがよいのかと考えていたのですが、複数のウィンドウを表示できればかなり解決しますね。なんというか、マルチウィンドウに気がつかないとか、いつの時代の人間かっ!と思ったりしました。
 ウェブブラウザのようにタブUIも実装してユーザーが、異なるタイトルは別のウィンドウに、同じ本の違う箇所は同じウィンドウにまとめてタブで切り替えとかできるようになるとよいですね。
 複数の書籍を見比べられるようになってくると、いよいよEPUB CFIの実装が重要になってきます。