Mastodonのアカウント作ったよ

タイトルのとおりなのですが、Mastodonのアカウント(@kzakza@vivaldi.net)つくりました。

どのインスタンス(サーバー)でアカウントを作ってもできることは概ねできるのですが、いくつかのインスタンスを覗いてたりして最終的にVivaldi が立ち上げたインスタンスが自分にとって居心地が良さそうだと思ったので、Vivaldiのインスタンスにしました。

使ってみて感じたことは、時系列にタイムラインが流れるのが懐かしくて新鮮です。昔のTwitterはこれだったのですが、同じ時間に重要な情報もそうでない情報も雑多に流れていくところが面白くて、Twitter始めたんだよなと久しぶりに思い出しました。気楽に投稿できる。

TwitterはTwitterで引き続き使うつもりですが(そもそも2009年から使い始めて、13年も使うことになるとは思いもしませんでしたが・・・)、頻度は減るかもしれません。というか、実は Mastodon 始める前から減っているのですが、なんか以前と比べて書きづらい言論空間になってしまいましたね。

フォロしている方のTLやそのリツィートされたものが自分のTLに流れるのはわかる。プロモーションのツィートが流れるのも運営側の事情としてわかる。

しかし、フォローしている人がいいねををしただけのツィートが自分に流れたり(RTの意味ないし、いいねした本人も他に流れていると自覚ないのでは・・)、さらには誰もいいねしてないツィートもまで自分のTLに流れているのはちょっとという感じはしています。その理由はよくわかりませんが、トレンドに上がる関係のものが多い印象。トレンドにあがるものも、「??」と思えるものがあり、あまり見たくないツィートであることも結構あるので、堪らない。

Twitter社に批判的なジャーナリストのアカウントを凍結したり(解除されたようですが)、Mastodon他のSNSへのリンクツイートをポリシーで禁止したり(これも今はどうなった?)、恣意的な運用(と混乱)が目立ってきています。「大きすぎるプラットフォーマは、「そうそう危ういことはするまい」となんとなく信じていた自分の甘さも気づいたり。中央集権的なプラットフォーマに依存する危うさを感じました。

以前、電子書籍関係で書いたこともありますが、大きな1つのものが世界を覆うよりは、統制されることのない個々の活動が結果として1つの世界を構成するほうが、いろいろな意味でサステナブルだと改めて思いました。

ところで、2021年も少なかったのですが、2022年はプログの書く頻度が劇的に落ちて、我ながらびっくり。このエントリで5つですか・・・。別のところでは、最近、ほぼ毎日書いていますが。

ソーシャルアクションアカデミー受講中

もうすでに始まって1か月が経過しようとしていますが、8月から認定NPO法人サービスグラントが開講するソーシャルアクションアカデミーという講座を受講しています。

サービスグラントは、プロボノとして職業上の知識や経験を積んだ人で社会課題の解決に取り組みたい人を、支援を求めるNPOや地域団体などの非営利組織とマッチングすることで、非営利組織の運営支援を行っているNPOです。ちなみに、2020年に1回だけですが、私もサービスグラントのプロボノプロジェクトに参加したことがあります。

ソーシャルアクションアカデミーは、非営利組織と社会課題解決に関心がある人を対象に2020年から開催されているもので、実際に受講者でチームを作って社会課題解決にむけて企画を立ててプロジェクトを実際に進めてみるという内容で、今回の開催で3期目となります。今期は、社会課題の可視化・構造化に取り組む社会調査の企画、実施を行うソーシャルリサーチ学科も加えて、以下の2つの学科が開講されています。私はこの2学科を同時に受講しています。

参加の動機ですが、異業種の方と社会課題に対して共通の問題意識をもって行動を起こすのは面白そうという単純な動機もありますが、もともとNPOセクタの活動、考え方やプロジェクトの進め方を関心があったというのが第一にあります。私の勤務先がジョブローテーションのある職場なので、担当している業務もいつかは離れることを前提に考える必要があり、「仕事」というフィルターを通さない形で、社会と直接向き合う軸足は持っておきたいなと数年前から考えていまして。

実は、2021年元旦に個人的に2023年までの3年間に実現したい、やっておきたいことを書き出していたのですが(ちなみに司書資格の取得も書き出したToDoに入っていた)、そのToDoの中で曖昧ながら、上の軸足作りの観点で「NPOセクタの活動にならんかの形で加わる?」というのがありました。ちょうどこの4月の人事異動で8年間担当してきた障害者サービスから離れ、いろいろと自身を振り返りもする中で、自分の関心と能力を考える中で、このToDoについて具体的にどのように動こうか思案していたところで、ソーシャルアクションアカデミーの開催の話があったので、学びと行動を繋ぐものとして、参加してみようかという気になりました。

ソーシャルアクション学科とソーシャルリサーチ学科、それぞれの学科で各10回+グループ企画+成果発表なので、育児と家事をしながらだと同時に進めるのは大変ですが、考えるときはキャパオーバーになるくらい詰め込まないと、考えがまとまらないところがあるので、8月から半年間、頑張りたいと思います。

JIS X 23761:2022(EPUBアクセシビリティ)が制定

EPUBのアクセシビリティ要件をまとめたJIS X 23761:2022がISO/IEC 23761:2021に対応する規格として8月22日に制定されました。

JIS X 23761:2022は、 上のJSAサイトで購入できるほか、閲覧のみであれば、日本産業標準調査会(JISC)で可能です(なぜ日本規格協会のHPでは部分的にしか見られないのか・・)。

JIS X 23761は、2017年に策定されたIDPFのEPUB Accessibility 1.0 に由来しています。このEPUB Accessibility 1.0がベースとなり、国際規格としてISO/IEC 23761:2021が制定され、それが今回JIS化されたという経緯があります。このEPUB Accessibility 1.0が、

このEPUBが誰にとってアクセシブルなのか(誰にとってアクセシブルではないのか)をメタデータとして情報を提供して、ユーザーが実際に利用する前にはっきりわかるようにせよ

というスタンスをとり、アクセシビリティメタデータの提供、特にアクセスモードの提供を必須としたことは、当時から深く同意できることだったので、機会があれば触れて紹介していました。そのEPUB Accessibilityが今回、JIS化まで至ったことは感慨深いです。

他でもすでに紹介もされていますが、JIS X 23761の主な内容は以下のとおりです。

  1. だれにとってアクセシブルなのか、そして、どのようなアクセシビリティの機能を有するのかをメタデータとして提供することを必須とすること。
  2. EPUB出版物がアクセシブルであることの要件
    • ページナビゲーション、メディアオーバーレイズなどのEPUB特有の部分について、要件を制定。それ以外のウェブコンテンツに共通する大部分はWCAG2.0(JIS X 8341-3) に則るとしている(WCAG 2.0レベルA(JIS X 8341-3)が必須、WCAG 2.0レベルAA(JIS X 8341-3)が推奨) 
  3. 規格本体には含まれないが、附属書として、日本語固有の事情(ルビ、わかち書き、読み上げの問題)が整理されている。

対応するISO/IEC 23761:2021に同等性において、一致する(identical)規格であるため、JIS X 23761に対応することで、ISO/IEC 23761:2021にも対応することにもなります。

JIS X 23761本体は抽象的な要件制定にとどめていますので、具体的な実装方法は関連文書に位置付けられているW3Cの達成方法集”EPUB Accessibility Techniques”を参照する必要があります。

ISO規格が元になっているため、JISはISO制定当時のTechniques 1.0を参照するように促していますが、附属書で若干言及もされているTechniques 1.1を参照する方が今となってはよいかもしれません。

今後の課題は、いよいよJIS X 23761の普及です。以下、私見ですが・・

JIS X 23761は、EPUB Accessibility Techniquesを参照する必要がある上、アクセシビリティの大部分をWCAG 2.0に委ねているため、WCAG 2.0とその関連文書も参照する必要もあり、参照しなければならない文書が多岐にわたります。例えば、WACGのレベルAへの準拠が必須ということから、画像に対して代替テキストの提供が求められるということを理解する必要があります。制作されるEPUBのほとんどが内製ではなく、外注によって制作されていると思いますが、(おそらくWeb技術などにあまり精通していない方が多いであろう)外注する側の出版社の担当者が、どのように仕様にかいて制作会社に発注すれば、JIS X 23761に対応したEPUBができるのかは、整理が必要かもしれません。

JIS X 23761は、EPUBというコンテンツを対象とした規格ですが、出版社がこの仕様に則ってEPUBというコンテンツをよりアクセシブルするだけは十分ではありません。JIS X 23761の「9. 配信」でも言及されていますが、そのEPUBとユーザーの間を繋ぐ書店が、アクセシビリティメタデータに対応し、ユーザーが自分にとって使い易いコンテンツを容易に発見できるようしていくこと、そして、支援技術を阻害しない形でデジタル著作権管理を適用させるなどの注意が払われることで、初めてJIS X 23761が活かせるのだと思います。

課題をいくつか書いてしまいましたが、JISの制定まで至ったからこそ、次の課題に臨めるようになりました。大きな一歩前進だと思います(お疲れ様でした!)。今後のJIS X 23761の普及でアクセシブルな読書環境が大きく拡大することを祈ります。

関連エントリ