アクセシビリティの観点からWebブラウザで標準で取り入れて欲しいUI

6年ほど前に以下のエントリで電子書籍のUIでWebブラウザのUIをまねて欲しいところを書いたことがありますが(6年前かぁ・・・)、今回は逆の話で、WebブラウザのUIで電子書籍のUI(機能というべきかもしれない)を取り入れて欲しいという話。

 ウェブサイトに自治体や公的機関のサイトで、文字の拡大縮小や白黒反転機能などを備えているものものあります。これの要否については、OSやブラウザの標準の機能で備えているので、それを阻害しないようなウェブサイト作りをするべきで、まずはそれにリソースを割くべきという考えがおそらく主流なのだと思います。私も基本的にはこれに同意しますが、一方で、OSやウェブブラウザの機能がどこまで使いやすいかということもやや疑問がなくはありません。

 例えば、OSで白黒反転表示することは可能ですが、これはPC上で行う全ての作業が白黒反転されてしまうので、これに切り替えて使うには、かなりの覚悟がいるというか、白黒反転でなければもう使えないという方に限られてしまうのではないかと思ったりする。

 私も子どもが寝かしつけで抱っこしている際は、部屋を真っ暗にして、iPhoneで電子書籍などを読んでいたこともありましたが(片手で指挟んででも読めるし、暗いところでも読めるので重宝した→当時のエントリ)、そういう場合は、普通の画面ではまぶしすぎるので、白黒反転表示で環境によって読んでいましたが、環境によって、表示を切り替えたいというニーズもあるのではないか。
 
 いわゆる「健常者」と、いわゆる「障害者」の間にはとても大きな層があって、例えば、高齢者の方などはだんだんWebブラウザが使いづらくなっていくことに気がつかないまま、使わなくなるか、遠ざかってしまうという人もいるのではないか。

 Webブラウザで文字の拡大縮小はだいたいついていますし、ボタンで変更できるUIを備えたブラウザもある。しかし、それ以外は、ユーザー側で表示を切り替えるのはかなりハードルが高い。ウェブサイトごとに表示を切り替えたい気もするし、環境に応じて切り替えたい。

 電子書籍だと、文字拡大や、フォント変更、行間変更、配色変更などはほぼ標準的についていますが、Webブラウザでもそういう機能とそれを気軽に使えるUIを備えてもらえないかなと思ったりする。拡張機能で追加できるかもしれないけど、標準で備えてもらってこそ多くの人の手の届くと思うので。

障害者差別解消法とウェブアクセシビリティ

 障害者差別解消法とウェブアクセシビリティについて。

 障害者差別解消法とか、合理的配慮については、以下をまずは以下のエントリをご覧ください。

 ウェブサイトのアクセシビリティの改善も、当然、障害者差別解消法の対象になりますが、基本的に障害者差別解消法でいうところの「環境整備」に該当するものになります。

 しかし、ウェブアクセシビリティに関係するケースでも、例えば以下のようなケースは合理的配慮の提供が求められるケースになるかと思います。

  • 特定のページについて、アクセシビリティに問題があり、障害者から改善を求められ、過度の負担なく改善できる場合(たとえば、テキストエディタでHTMLの編集をすれば改善する場合)
  • PDFや画像で提供されている特定のコンテンツについて、それではスクリーンリーダーで読み上げができないからと障害者からテキストデータの提供を求められた場合

 以下のような事例は、合理的配慮の提供がなされない場合、スクリーンリーダーユーザーを排除してしまっていることになり、民間事業者も禁止事項とされている障害を理由とする不当な差別的取扱いになってしまうかもしれない。

  • (あってはならないことだが)CAPTCHAのように画像による認証方法を用いていて、代替手段を提供していなかった場合

 このテーマについては、石川准先生が言うべきことおっしゃっているので、こちらをご参照ください。