8月 03

EDUPUB Workshopのアクセシビリティに関する過去の発表スライド

EDUPUB(エデュパブ)は、IDPF、W3C、IMS Globalおよび教科書出版社、デジタル教科書・教材企業、教育関連企業などが推進する、EPUB3によるデジタル教科書の標準化を目的とする活動・プラットフォームです。

 EDUPUBの詳細ははイースト社の下川和男氏の以下のスライドをご参照ください。

 
EDUPUBで検討の対象は、以下のとおりメタデータやビュワー、アノテーションなども含まれており、非常に多岐にわたってします。
プロジェクト名: Educational Profile for EPUB3, QTI Integration, LRMI+a11y Integration, Content Linkage to LTI, Outcomes and Analytics services, EPUB3 Widget Spec & Library, EPUB3 “Discrete Entity” Metadata, Reference implementation of fully, accessible Reading System + EDUPUB features (inc MathML!), UAAG 2.0 review: RS perspective, Establish forum for assessment/STEM, Open Annotations for EPUB
from [PDF]“Key Work Areas moving forward” presentation

 EPUPUBは、教育分野のコンテンツの配布や利用に深く関わってくるため、アクセシビリティの担保が大前提とされています。EDUPUBの推進が、電子教科書だけではなく、電子書籍全般のアクセシビリティの向上に寄与することをとても期待しています。

 EPUPUBではワークショップが以下のように過去に3回開催されおり、この9月には第4回目が東京で開催されることになっています。

 上のワークショップで特にアクセシビリィに特化した発表及び発表スライドを一覧してみました。なお、EPDUPUBでは、上で述べたようにアクセシビリティの担保が当然とされていますので、以下で挙げた以外の発表、例えば、メタデータやセマンティクス、ビューワーの発表のところでアクセシビリィについて触れられている可能性があります。

EDUPUB Europe 2014(June 19, Oslo, Norway)

このワークショップでは、発表資料がまだ公開されていないようです。タイトルから判断するに、Liddy Neville氏(La Trobe University)の”SC36 Individualized Accessibility”がアクセシビリティに関係する発表のようです。

EDUPUB2 Workshop(February 12-13 2014, Salt Lake City, USA)

EDUPUB Accessibility Recommendation by Rich Schwerdtfeger, IBM


[PDF]EDUPUB Accessibility Recommendation: yb Rich Schwerdtfeger, IBM

MathML Cloud Prez by Gerardo Capiel, VP of Engineering at Benetech by Gerardo Capiel, VP of Engineering at Benetech

Discovering Accessible Educational Resources via Schema.org and the Learning Registry


 
 このスライドについては、このブログの以下のエントリも参考になるかもしれないです。

EDUPUB1(October 29-30,Boston,USA)

The Need for a Library of Open Source Accessible Interactive EPUB 3 Widgets by TV Raman, Research Scientist Google+Gerardo Capiel and VP Engineering Benetech


[PDF]The Need for a Library of Open Source Accessible Interactive EPUB 3 Widgets by TV Raman, Research Scientist Google+Gerardo Capiel and VP Engineering Benetech

Creating accessible fixed layout EPUB 3 for schools and colleges by Dr Gerald Schmidt, Acting Senior Platform Manager, ebooks-Pearson Schools and Colleges, UK


[PDF]Creating accessible fixed layout EPUB 3 for schools and colleges

Ensuring Accessible Multimedia in EPUB Documents by Geoff Freed, WGBH

スライドの公開なし。

LRMI and Accessibility Metadata for Discovery of Accessible Ed Resources by Michael Jay, Education Systemics and LRMI Gerardo Capiel, VP Benetech


LRMI and Accessibility Metadata for Discovery of Accessible Ed Resources

Accessibility as the Key to Etextbook Integration by Robert Martinengo, Publishing Services


[PDF]Accessibility as the Key to Etextbook Integration

Standardizing Textual Descriptions of Interactive Graphics by Kyle Keane, PhD Research Programmer


[PDF]Standardizing Textual Descriptions of Interactive Graphics

6月 01

IDPFが"Open Annotation in EPUB"の仕様草案を公開。"EDUPUB Profile"仕様草案も

 IDPFが”Open Annotation in EPUB”の仕様草案を公開しました。これはEPUB出版物のアノテーションの作成、レンダリング、配布を規定したもので、Open Annotation Data Modelをベースにしたものです。

同じタイミングで、EPUB 3 EDUPUB Profileの仕様草案も公開されています。これはEPUB拡張のデジタル教科書の仕様です。

 EDUPUBについては、イーストの下川さんのスライドがよくまとまっています。

 

関連エントリ

5月 30

IBMがEPUB 3を主たるドキュメントフォーマットに採用したことについて報告書を公開

2月13日に、IBMが主たる社内文書のパッケージドポータブルドキュメントフォーマット(特定の環境に左右されず、どこでも同じように利用できるドキュメントフォーマット、だと思う)としてEPUB3をサポートするというニュースがありました。

 上で、IBMがEPUB3をサポートすると決定してから得られた経験をホワイトペーパーとしてIBMとIDPFが共同でまとめて出すよと予告していたものが、本日、EPUB版で公開されました(ホワイトペーパーとは呼ばれていないものの、おそらくこれですよね・・・)。

 
 内容は、IBMはEPUB3を採用することを決断した経緯・理由を説明しているもので、IBMのMobileFirstが大きなきっかけになったようです。”Mobile First”という言葉そのものは、Luke Wroblewski氏が著書”Mobile First“が提唱したのが最初のようで、モバイルを起点に考え、他のデバイスにも適応できるレスポンブなものを作ろう、そうすると、いろいろなデバイスに適応した無駄のない良いものつくれるよという考えだと理解していますが、それをIBMが2013年に本格的に採用していたんですね。

 Mobile Firstで考えた場合、PDFはモバイル環境での扱いに難がある。PDFやHTMLは可搬性に難がある(PDFも?という気がしないではないですが)。さらにアクセシビリティも考慮するとEPUBがよいんじゃないということになったようです(だいぶ間を端折っています)。

 では、EPUBの生成はどうするかということで、DITAが用いられているようですね。DITA使ってるんじゃない?という話は2月の時点で耳にしていたので、ちょうど3月に行われるDITA Festa2014 Osakaは気になって仕方なかったけど、平日開催で時間が作れず、結局行けなかったことをこのペーパーを読んでいて思い出しました。惜しいことをした。

 おぉと思ったのが、IBMが使用しているEPUBビューワーの話で、FirefoxのプラグインであるLucifox EPUB readerを使用しているそうです。ただし、そのままではアクセシビリティ対応に問題があるということで、IBMが要件をLucifox開発者に挙げて改修してもらったそうです。そして、改修されたアクセシブルバージョンのLucifoxがIBMの40万以上のシステムに展開されて利用されているのだとか。Readiumは将来的には利用できる可能性があるものの、現段階ではアクセシビリティ対応がまだまだということで採用は見送られたようですね。Readium FoundationにIBMも参加しているので、将来的にはIBMが求める機能が実装できるよう頑張るということも書いてありました。

5月 29

Bookshareで個人ユーザーが最も早く簡単にアクセシブルな本を読む方法

DAISY図書などのアクセシブルコンテンツを集めた米国の電子図書館Bookshareを個人ユーザーが使う場合の、最も簡単で早い方法をBookshareブログが紹介しています(サポートチームによくされる質問なのでまとめたとか)。

 動画も公開されています。

 上の動画で紹介されるBookshareのWeb ReaderのUIがほとんどReadiumと同じなので、おや?と思ったのですが、調べてみたらやはりReadiumをベースとしたものでした。

 Bookshareでは、ReadiumをベースにDAISYも読めるように開発をしたのでしょうか。DAISYに対応しているかどうかも気になりますが、現行のReadiumは操作性から見てもまだDAISYユーザーが満足する機能がないように思えますので、Bookshare版では、そこもどのように拡張開発したのかが気になるところです。

#Benetech社のgithubリポジトリには、DAISY Pipeline 2のスクリプトも置かれていますので、もしかしたらビューワーに移す段階で、DAISYからEPUB3に変換しているのかもしれません。

 ちなみにBookshareで個人ユーザーが最も早く簡単にアクセシブルな本を読む方法は以下です。

  1. Google ChromeでBookshareにログインします。
    Bookshare_login
  2.  

  3. 読みたい本を検索します。
    bookshare_Search
  4.  

  5. 検索結果一覧の各書籍に表示される“Read Now”をクリックします。
    readnow
  6.  

  7. Chrome拡張プラグインのインストールが求められるので、インストールします(プラグインのインストールは最初だけです)。
  8.  

  9. 本が開きますので
    openbook

    openbook2

    TTSボタン開始ボタンを押して、読み上げをスタートさせます。
    tts

なお、Bookshareの個人会員登録の対象はそのサービスの趣旨から読書に障害を持つ方になっています。

5月 01

EPUB3 からDTBook(DAISY XML)に変換するツールを作るNorwegian Library of Talking Books and Brailleのプロジェクト

EPUB3からDTBook(DAISY3のテキストコンテンツのためのXMLファイル)に変換するツールを作るプロジェクトをNorwegian Library of Talking Books and Braille(NLB)が進めています。DAISY Pipeline2のモジュールとして開発するようです。

EPUB3のコンテンツをDAISYに変換できれば、DAISYユーザーの使い慣れたDAISYのリーディングシステムでEPUB3由来のコンテンツを利用することもできるようになります。

このプロジェクトで作成するモジュールは、ガイドラインに従って厳密にマークアップされた北欧の図書館(NLBMTMCelia, NotaSBS)作成のEPUBからの変換を想定しているようです。ガイドラインから外れたEPUB3ファイルもDTBookに変換できるものになるかはまだ不明です。しかし、DTBookに変換できれば、そこからさらにDAISY2.02への変換も可能ですので、プロジェクトの進展を期待したいところです。

関連エントリ

3月 03

3月2日のみんなのデジタル教科書教育研究会 Open Meeting 09 Saitama 「DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書」配付資料

3月2日(日)に埼玉でみんなのデジタル教科書教育研究会 Open Meeting 09 Saitamaが、「DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書」というテーマで開催されました。その配布資料が以下で公開されています。

Open Meeting 09 Saitamaのプログラムは以下の通りです。

1. 開会(13:30~13:40)
2.(13:40~14:10)
  DAISY / EPUBをめぐる内外の最新情報
  NPO法人支援技術開発機構(ATDO) 濱田 麻邑 氏
  http://www.normanet.ne.jp/~atdo/
3.(14:10~14:40)
  マルチメディアDAISYの自動制作・利用システム
  シナノケンシ 西澤 達夫 氏
  http://www.shinanokenshi.com/japanese/products/plextalk.php
4.(14:40~15:10)
  スマホ・タブレット用DAISYプレイヤーアプリ「ボイス オブ デイジー」
  サイパック 工藤 智行 氏
  http://www.cypac.co.jp/home.html
休憩(10分間・質問用紙回収)
5.(15:20~16:30)
  冒頭10分間追加情報の提供(事務局)
  登壇者と参加者全員による意見交換(質疑応答含む)
  「DAISY / EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書」
6. 閉会(16:30~16:40)

 どれも気になるテーマだったので、日帰りでも参加できないかと思ったのですが、当日は京都を離れてより西方にいたので、難しかったのでしたorz。総務省の助成をうけて開発されているシナノケンシのEPUB3生成ソフト・再生ソフトのお話は、シナノケンシのウェブサイト上にもなかなか出てこないので、個人的に特に気になっていたところです。

1月 31

日本DAISYコンソーシアムがDAISY2.02図書から変換したEPUB3 MediaOverlaysのサンプルを公開している

 日本DAISYコンソーシアムがDAISY2.02図書から変換したEPUB3 MediaOverlaysのサンプルを公開しています。

  ちなみにIDPFもいろいろなEPUB 3のサンプルファイルを以下で公開しています。

1月 31

DAISYコンソーシアムのアクセシブル出版EPUB 3 移行プロジェクト"Transition to Inclusive EPUB 3 Ecosystem (TIES) "

DAISYコンソーシアムは、アクセシビリティに関する機能をメインストリームの電子書籍フォーマットであるEPUB 3に仕様に盛り込むことができたということで、次のステージのプロジェクトとして、アクセシブルな出版をEPUB 3へ移行させるプロジェクト”Transition to Inclusive EPUB 3 Ecosystem (TIES) “を始めるそうです。

 これまでDAISY 3 /2.02で制作されてきたアクセシブルな出版物を、EPUB 3で制作するために必要な検証と技術的・業界関係的な環境作りを目的とする2カ年プロジェクト(2014-2015)で、主に以下のようなことが行われるようです。

制作環境のアップグレード(DAISY 3/2.02 → EPUB 3)の検証

 すでに普及している既存の DAISY 3/2.02の制作環境からEPUB 3の制作環境に移行について、実証実験を行いながら検証する。

出版社の連携強化

 以下を実現するために出版社との連携の強化を進める。

  • EPUB 3制作者が効率よくコンテンツを制作できるように出版社からソースファイルの提供をうける。
  • DAISYコンソシアムメンバーと出版社と連携により、アクセシビリティの機能が埋め込まれた出版物を出版社から出版する。
リーディングシステム
  • Readiumのようなオープンソースなリーディングシステム開発に貢献する。
  • リーディングシステムデベロッパーへの働きかける。

関連エントリ

1月 28

EPUB 3 リーディングシステムに優先的に実装してもらいたい10の機能(AAP EPUB 3 Implementation Project 報告書より)

先のエントリで紹介した米国の出版団体 Association of American Publishers (AAP) のEPUB 3 Implementation Project 報告書には、 EPUB 3.0 の36の機能の中を調査し、機能の重要度、そして、実装の難易度の観点から、EPUB 3 リーディングシステムに優先的に実装してもらいたい10の機能が順位をつけて掲載されています。

 AAPの報告書という形でEPUB 3の機能の実装について優先順位を公に示し、共通認識とすることで、リーディングシステムデベロッパーの参考に資することを目的としているようです。

 報告書の該当部分を以下に転載します。

Specific EPUB 3 Features Ranked as High Priorities

1.Navigation

  • TOC: A linked table of contents is a high priority. The EPUB <nav> uses HTML5 markup that is accessible and easy to create,
    replacing a cumbersome navigation format in EPUB 2 (NCX). Elimination of dependence on the NCX by reading systems and its use by publishers is a high
    priority.
  • Page-list: An optional mapping to print pages as part of navigation. Offering page-mapping enables users of print and ebook to be “on
    the same page” whether in a book club or the classroom, and enables textual references to page numbers (e.g., indexes, cross references, and citations) to
    work. It is considered critical for accessibility.
  • Landmarks: An optional short table of contents, the landmarks nav can be used to access key elements of book. It is easy to implement.

2. Audio:The EPUB spec requires support for one of two audio formats (this is a prerequisite for media overlays):

  • MP3, currently the more popular and common audio format
  • AAC, the audio format within the MP4 multimedia format

3. SVG:Scalable Vector Graphics are XML-based vector images that can be zoomed infinitely without loss of clarity. This is important to publishers, which can use
SVG images without grappling with responsive design. Further, SVG is accessible in that the content is machine readable and can work with Braille readers
and even 3D printers.

4. Fonts:It is important to see support for fonts and information about fonts in EPUBs and EPUB 3 reading systems. Fonts are not just for design purposes; they are
often needed in order to render characters that are not part of default character sets. This is common in non-English words and for special characters,
such as those used in phonetics, physics, or math. Important font issues are:

  • Font descriptors: The characterization of font data. Support for basic CSS font descriptors without relying on work-arounds is a high
    priority:

    • font-family (at least serif and sans-serif, without font embedding)
    • font-weight
    • font-style
    • font-size
    • font-face
  • Embedding: Inclusion of font files inside the EPUB package.
  • Font obfuscation: A standard method for inclusion of font files inside the EPUB package such that they cannot easily be exported for
    usage outside the publication. (Note that this is not the same as encryption, which is required by some font licenses.)

5. Media Overlays: Representation of audio synchronized with text content. This can be a visual display, such as a bouncing ball highlighting words in an early reading book,
or it can be an audio book/ebook that keeps one’s place between reading and listening. Use of Media Overlays is particularly important for publishers in
segments such as children’s books as well as for the accessibility community,

6. Semantic inflection (e.g., page-break, part, chapter, index, glossary, sidebar, footnote): an attribute that allows for precise statements to be made about markup within HTML
(e.g., “noteref” and “footnote”). This allows for precise and uniform markup and rendering across publications and reading systems, allowing for contextual
search and improved navigation.

7. MathML: An XML vocabulary for describing mathematical notations and capturing both its structure and content. MathML allows for reflowable, resizable, searchable
math equations. It is considered crucial for STEM and Education publishers, otherwise math must be displayed as static images. It is also critical for the
accessibility community, as images are meaningless and descriptions of images do not convey the same meaning as the MathML.

8. Video:The EPUB specification offers two options for video support. Neither is a requirement. However, if video is not supported, the reading system should
support a fallback to an image. Being able to “not support” video properly is as important as supporting video, so that each publisher can create one file
for all retailers. The two video formats supported by EPUB 3 are:

  • H.264, currently the more popular video format
  • VP8, a royalty-free format increasingly used on the web

9. Float: The CSS property that enables elements to be positioned independently of the linear narrative flow. This is often a property of the underlying system or
browser upon which the reading system is built.

10. Fixed Layout (FXL): A method for creating static, fixed e-book “pages“. Some content is better suited for a “fixed“ instead of reflowable display. This is important to some
segments of the publishing industry.

from “II. Priorities for EPUB 3 Reading System Features” AAP EPUB 3 Implementation Project 報告書より

 

 同報告書では、コンテンツ作成者向けのアクセシブルEPUB 作成TIPSも掲載されていますが、そののTIPSと以下のリーディングシステムデベロッパー向けの10の優先順位は必ずしも対になるものではないようです(以下の10の機能を実装するだけでは、TIPSに従って作成したアクセシブルなEPUBの機能を全て生かせるわけではない)。

関連エントリ

1月 18

EPUB を アクセシブルにする13のTIPS(AAP EPUB 3 Implementation Project 報告書より)

先のエントリで紹介した米国の出版団体 Association of American Publishers (AAP) のEPUB 3 Implementation Project 報告書には、 EPUB を アクセシブルにする13のTIPSが掲載されています。

 DIAGRAM Centerの”Top Tips for Creating Accessible EPUB 3 Files “をベースにまとめられたものです。今回は、どのようなものがTIPSとしてまとめられれているか、その概要を紹介します。
  
 なお、以下でそれぞれのTIPSの参考に挙げているものは、基本的に報告書で参考資料として紹介されたものですが、私が参考資料として挙げたものを含まれています(私が挙げたものは【追加】と記載してあります)。

1. コンテンツと表現を分ける
  Separate content and presentation

 スタイルや書式が適用されている状態とされていない状態でコンテンツの意味が異なってはいけない。色づけされたテキスト、フォントサイズによって重要性を伝えるなどのような、視覚表現にのみに頼る方法はグッドプラクティスとは言えない。

 また、全てのテキストは、論理的順序(人間が読んで自然な順序)で利用できることが重要である。

参考

 
 

2. 完全なナビゲーションを提供する
  Provide complete navigation

 本文の前に完全な目次をつける。そして、各セクションのはじめも小さな目次をつけることも検討する。
 論理的順序(人間が読んで自然な順序)を定義するために<section>、<figure>、<aside>タグをコンテンツの中で使用するのもベストプラクティスである。特に学術、教育、そして、児童書のような複雑で視覚的なレイアウトを用いたコンテンツには重要である。

 
 

3. 可能なかぎり意味のある構造にする
  Create meaningful structure wherever possible

 論理的な構造に番号が付された見出しをもちいた構造にする。また、その他のタグもepub:type属性を用いてコンテンツを指定する。
 例:前書きところに<section epub:type=”preface”>

  なお、HTML5の仕様に特定のコンテンツに使用されることが規定されているタグ(引用のために用いる <cite>タグなど)はHTML5の仕様に準じて使用する。

参考

 
 

4. コンテンツ内のタグにセマンティックな情報を追加する
  Define the content of each tag

  EPUB 3 Structural Semantics Vocabularyなどの語彙を活用してコンテンツ内のタグにセマンティックな情報を追加することを検討する。
 
例:
目次に使用されるsectionタグ:<section epub:type=”toc”>
用語集に使用されるdlタグ:<dl epub:type=”glossary”>

 
 

5. 表やテキストを表示するためではなく、絵や写真のためだけに画像を使用する
  Use images only for pictures, not for tables or text

 画像に埋め込まれた情報を視覚障害者は利用できない。表や画像にテキストコンテンツが含まれているならば、テキストと表形式のための適切で完全なマークアップをすることが重要である(header要素やscope属性を用いるなど)。
もし表の表示に画像を用いることが避けられないならば、表形式の適切にマークアップされた別のページを用意して、そのページへのリンクを掲載する。 
 もしテキストの表示に画像を用いることが避けられないならば、テキストの内容を説明したものか、テキストを書き起こしたものを提供することが重要である。また、アクセシブルなSVG形式の画像を使用することが重要である。

 

6. 画像に説明と代替テキストをつける
  Use image descriptions and alt text

 装飾目的の画像でないかぎり、全ての画像に、説明やキャプションや代替テキストが付されているべきである。

参考

 

7. ページ数をいれる
  Include page numbers

 コンテンツが紙版の書籍と同じである場合は、紙版の書籍でページが改める位置にepub:type=”pagebreak”属性で例えば以下のようにページ数を記述する。

例: <span xml:id=”page361″ epub:type=”pagebreak”>361</span>
 
 さらにPackageドキュメントで提供するEPUB書籍のメタデータに紙版の書籍のISBNを記述しておくとベストである。.

参考

 
 

8. 言語を指定する
  Define the language(s)

 支援技術が正しく理解できるようにコンテンツに使用されている言語情報を提供する。

 ルートとなるhtml要素にはコンテンツのデフォルトの言語を指定した上で、デフォルトの言語と異なる部分については、@xml:lang属性を用いて単語、フレーズ、パラグラフ単位で以下のように指定する。

例: <span xml:lang=”fr” lang=”fr”>rueSaint-Andre-des-Arts</span>

参考

 
 

9. MathMLを使用する
  Use MathML

  数式を記述するためのマークアップ言語MathML(Mathematical Markup Language) で数式を記述する。

参考

 
 

10. メディアコンテンツの代替物を提供する
  Provide alternative access to media content

 映像コンテンツや音声コンテンツに対するHTML5のネイティブコントロールを初期設定の段階で有効にする。
 映像コンテンツや音声コンテンツには、キャプション、映像に対する説明、音声を書き起こしたものなどような代替コンテンツを提供することが重要である。
 聴覚障害者にとってや、手話を提供されることも重要である。

参考

 

11. インタラクティブなコンテンツをアクセシブルに
  Make interactive content accessible

 JavaSciptやSVGを用いたインタラクティブなコンテンツをアクセシブルにするために、すべてのカスタムコントロールに、ARIAのロール(role)、ステート(state)及び属性を必要に応じてすべて実装するべきである。

参考

 
 

12.アクセシビリティの情報をメタデータとして提供する
  Use accessibility metadata

 コンテンツのファイルの中でアクセシビリティに関する情報をメタデータとして提供して、ユーザーがそのコンテンツがアクセシブリティについてどのような機能をもっているのかわかるようにしたり、検索エンジンがアクセシブルなコンテンツを発見できるようにする。

参考

 
 

13. 以上のベストプラクティスを組織がサポートする体制にする
  Make sure your processes support the above best practices

 以上の1から12のベストプラクティスを組織がサポートできる体制をするためのTIPSが(以下)が13番目のTIPSとして紹介されています。

  • アクセシビリティについて、内部の人間と外部の人間の間を結ぶコミュニケーションのルートとして動ける人間を組織内に置く。
  • アクセシビリティを、自社製品やマーケティングなどの核となる価値をするために企業レベルの継続的な努力を開始する。
  • アクセシビリティガイドラインを作成した上でそれを実施し、著者向けに研修を行う。
  • アクセシビリティガイドラインを作成した上でそれを実施し、編集スタッフと製作スタッフむけに研修を行う。
  • ベンダーとアクセシビリティの問題とスタンダードについて議論する。
  • 品質保証管理のプロセスにアクセシビリティの観点からのレビューを含める。
  • ウェブサイトやマーケティング資料にアクセシビリティ情報を追加する。
  • アクセシビリィに対する意識をもたせるためのカスタマーサービスセンタースタッフ向けの研修を行う。
参考

 

関連エントリ