Open Annotation Data Modelを活用したWebのアノテーションサービスHypothes.isがアルファ版を公開しています。
http://hypothes.is/
Open Annotationはアノテーション、つまり、注記の付与のオープンな標準技術で、現在も熱い議論が交わされ、様々な面白い実証実験が行われています。
- 日本よっ!これがOpen Annotationだっ!!(※2013/08/05追記)
ハイライトした箇所や付与したコメントを共有したり、それらをTwitterやfacebookに流すソーシャルリーディングサービスを各電子書籍プラットフォームが提供していますが、 Hypothes.isはそのWeb版です。
※2013/08/01追記
Hypothes.isを紹介するアニメーション動画が公開されました。Open AnnotationとHypothes.isが意図するところがわかりやすく紹介されています。
Webにはソーシャルブックマークというものが古くからありますが、現在のソーシャルブックマークでは、基本、ページ単位でしかブックマークすることしかできません。Hypothes.isはページ内の任意の場所にセンテンス、単語レベルでアノテーションを付与し、それを共有することができます。また、従来のアノテーション共有サービスはその共有範囲が各プラットフォーム内のコンテンツとユーザーに限られてしまうものがほとんどですが、Open Annotationの仕様を採用することで、Open Annotationを採用するプラットフォーム間とのアノテーションの相互運用が可能になります。
上でHypothes.isを便宜上「Web版アノテーションサービス」と紹介しましたが、HTMLだけではなく、PDF, 動画、音声、電子書籍など様々なフォーマットへの対応、つまり、クロスフォーマット対応を志向しています。すでにアルファ版を試すことができます。現時点では、HTMLとPDF※1に対応しているHTMLのみしか対応していないようです。
※1 2013/06/06追記
PDFについては、pdf.jsを有効にしたFirefoxのみの対応です。
Wikipediaの”Hypothes.is”のページにアノテーションを付与してみました。Hypothes.isのアカウントを取得してログインすると、他の人でも以下のコメントを見ることができます。
アノテーションには固定URLが与えられ、以下のように、アノテーションごとに固有のページが生成されます。
<img src=”https://code.kzakza.com/wp-content/uploads/2013/06/6cbef6e8988b3d1dcfe3e6233c3c1ff8-300×141.png” alt=”Wikipediaの”Hypothes.isにふったアノテーションの固定ページ。アノテーションを振った部分とふったアノテーションが掲載されている” width=”300″ height=”141″ class=”alignnone size-medium wp-image-5565″ />
Hypothes.is – Wikipedia, the free encyclopedia | en.wikipedia.org
上のページにリンクをする形で、他の文書からセンテンスを引用する際にこういう形で本文にリンクを貼ることができるようになります。
The plan is that the comments will be stored in the Internet Archive.
アルファ版では、まだ対応していませんが、Youtubeのように他のページへの埋め込みも対応する予定だそうです。オリジナルのページに変更があった場合には、もしかすると埋め込んだページにもリンクが反映されるようになるかもしれません。ザナドゥの夢が今になってようやく現実に・・・。
フラグメント識別子がオリジナルのページに付与されない限り、従来はページ単位でリンクを貼ることしかできませんが、
ページ内の任意の箇所、それも点ではなく、エリアを指定してリンクを貼れるようになったり、
引用として埋め込むことができるようになると素敵ですね。
ちなみに、Hypothes.isで付与されたアノテーションはInternet Archiveで保存されるそうです。Hypothes.isはWebにアノテーションという別のレイヤーを加えるようなイメージですが、Internet Archiveはそのもう1つのレイヤーも保存したいと思っているようで、おもしろいですね。