OPDSの動きが再び活発になってきた(主観)のでアクセシビリティメタデータをのせる夢がみられるか

 OPDS (Open Publication Distribution System)という電子書籍のメタデータをRSSに近い仕組みで公開する規格というか、仕組みがあります。JEPAがわかりやすく解説を書いています。

 この規格については、私も2011年から2013年にかけて、OPDS 1.1の日本語訳を公開したり、ブログ(前身のブログ含む)で積極的に紹介するなどして、かなり推していた仕組みなのですが、残念ながら十分に普及するに至っていません(推していた理由はこのエントリあたり)。日本でも、2012年ごろ、電子書籍クラスタの間でも盛り上がったりもしたのですが。

 ところが、米国のOPDS関係者のメーリングリストを久しぶりに見てみると、2016年でほぼ止まっていたやり取りが今年の3月くらいから少しずつ再開し、6月から月1回の電話会議も開催されているよう。何が起きているのだろう。しばらく見ないうちに、OPDS 2.0のドラフトが公開されたりして。

 
 2.0になって、AtomベースからJSONベースになっている。Readium Web Publication Manifestをベースにしているとのことですが、電話会議のEPUB4とも呼ばれることのあるWeb Publicationsを意識したものらしく、なるほどという感じ。デジタルアーカイブの国際規格IIIF (International Image Interoperability Framework) が次のバージョンで、画像だけではなく、テキストなどにも対象を広げるという話があるので、IIIFのmanifestに期待しているところもあったけど、いずれにしても、manifestに集約されていくのか。妙に感慨深い。

 2013年以降で、OPDSに関する米国で大きな動きとしては、New York Public Library が10の図書館と、Library Simplifiedというプロジェクトを2015年に立ち上げて、これがOPDSを採用しているらしい。Library Simplifiedは、OverDrive、3M、and Baker & Taylorといった複数の電子書籍ベンダOPDSが提供する電子書籍を統合的かつシンプルな手順で利用者に提供するプラットフォームの構築を目指すプロジェクトで、プラットフォーマごとに分担されて利用者に一元的に提供しづらいという、図書館にとっても電子書籍の課題に真正面から取り組んでいて、OPDSを差し置いても興味深い動き。

 OPDSの図書館のユースケースにあわせた拡張も検討しているらしい。

 Library Simplifiedは、あくまでユーザー側に配信するところで、OPDSを活用するようですが、EPUBにアクセシビリティメタデータを搭載することもできるので、それをそのまま流用して、出版社がOPDSとしてアクセシビリティメタデータを公開することができないのかでしょうか。それをアグリゲータが収集して統合的に検索できるようにしたり、DAISY再生環境やEPUBの再生環境でアクセシビリティを検索条件に直接検索できることができればと考えて、理想的なような。

 アクセシビリティメタデータについて、昨年、以下のエントリを書きました。以下のエントリを書いた想いとしては、(OPDSでもmanifestでもよいのですが)出版社にかぎらず、電子書籍を製作するに個人や機関が負担のない方法で標準的な形式でメタデータ(アクセシビリティメタデータを含む)を公開する、それをアグリゲータが収集して統合的に検索する、EPUBやDAISYの再生環境でアクセシビリティ上の要件も検索条件として検索して自分が利用できるコンテンツにたどり着ける未来を引き寄せたい、というのがあります。引き寄せたい。

 いずれにしても、OPDSについては、2010年頃から議論が始まっていますが、盛り上がったときもあれば、低調だったときもあったのではないかと思います。8年以上、コミュニティを支え続けているFeedBooksのHadrien Gardeur氏をはじめとするOPDS関係者には敬意を表したい。

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