米国・カナダのAccessText Network – 大学と出版社の障害学生支援のためのテキストデータ提供連携

米国のAccessText Networkを紹介します。

AccessText Network とは

AccessText Networkは、障害のある学生が等しく教育をうけられることを目的とした出版社と大学等の高等教育機関の間でのテキストデータのやりとりを仲立ちするネットワークです。米国とカナダの大学の障害学生支援担当者がこのネットワークのシステムを通じて直接、出版社にテキストデータの提供を依頼し、出版社からデータを受け取ることができるようになっています。
以下は、AccessText Networkの概要を紹介する動画。

高等教育向けの情報保障としてテキストデータ化や点訳などを行っている Center for Inclusive Design & Innovation(旧 AMAC Accessibility SolutionsAssociation of American Publishersとの連携によって2009年に立ち上げられたものだそうです。2009年の開始当時は、出版社8社と478の大学によって始まったものが、2018年には41の出版社、2,891の大学が参加する大きなネットワークになっています。

データのリクエストから出版社からの提供まで

大学の障害学生支援担当者がAccessText Network上で検索してタイトルを特定した上で、以下のフォームからデータの提供をリクエストすると、出版社がAccessText Networkにファイルをアップロードという流れになっているようです。リクエストするファイル形式やデータを必要とする学生の名前、障害、そのデータを必要とする科目などを記入するようになっています。

大学からのリクエストフォームの画像。フォームの項目は上で説明したとおり。
大学からのリクエストフォーム
How to Use AccessText for Authorized Usersより

リクエスされたタイトルの92%がこのプラットフォームを通じて出版社から3日以内に提供されているようです。なお、提供されるフォーマットはDRMフリーのPDFがほとんどのとのこと。
テキストデータのやりとり以外に、大学が本をスキャニングするために必要な許諾を出版社から得ることもこのネットワーク上でできるようになっているようです。

出版社から提供を受けたデータの利用

出版社から提供を受けたデータの利用については、いろいろな約束ごとがあり、それが以下の大学向けの会員規約に規定されています。

主立ったもの以下になります。

  1. 対象となる障害学生がデータの原本となる書籍を購入していること
  2. 入手したテキストデータはその特定の学生のみに提供すること(他の学生に提供してはならない。必要な場合は一人一人についてその都度の申請が必要)
  3. 大学は利用後は適切にデータを廃棄等処理すること

出版社のデータ提供の再利用は基本的に不可で、あくまで合理的配慮の範囲内の利用を認めるということでしょうか。大学同士で共有をすることは基本的にできない。このあたりはアクセシブルな教育資源共有プロジェクト“REPOSITORY SERVICES FOR ACCESSIBLE COURSE CONTENT”の2017n年の報告書でも課題に挙げられている。
利用にかかる部分を抜粋翻訳したものを以下に転載します。

  • 私(名称)は、(学校名)を通じてサービスを受けるすべての認定学生が、標準的な印刷教育資料にアクセスする能力に根本的な制限があることを証明する文書を所持することを保証します。
  • 該当するテキストが必要または推奨されるコースに現在登録されている認定受講者に対してのみ、パブリッシャからのパブリッシャ・ファイルまたは別の認定ユーザーからの代替テキストを要求します。
  • 私は、学生が商業的に入手可能な印刷版の代替テキストのコピーを購入したこと、またはそのコピーを購入したことを証明した後にのみ、適格学生に代替テキストを提供する。
  • 代替テキストは、テキストを必要とするIおよび認証ユーザーの両方が発行者から許可を受けた場合にのみ、別の認証ユーザーに提供します。
  • すでに他の適格学生に提供した代替テキストについて適格学生から要請を受けた場合、私は新たな許可申請を提出しなければならず、もし出版社から要請があれば、明示的な許可を受けるまでファイルを再配布してはならないことを承知している。
  • 私は、各パブリッシャ・ファイルを必要としている受講者がコースを修了した場合、またはその教育機関に登録されていない場合のいずれかが発生した時点で、各パブリッシャ・ファイルを安全にアーカイブまたは廃棄することに同意します。さらに、正規ユーザーがもはや大学の管轄下で運営する権限を持たない場合は、代替テキストを迅速かつ安全に処分することに同意します。

英文を脳内音読できないので、スクリーンリーダーを使ってみた

 本を読むのが遅い人は、見た文字を頭の中で音読している?というまとめを読んで。
 私も頭の中で音読している方です。以前読んだ速読法の本でも、速読法は、脳内音読をやめてページを面として視覚的に捉えて理解するのがコツなどと書いたあったような記憶がありますので、上のまとめについては、そうなのかなと思いました。
 ただ、英語の書籍の場合、すらすら英語で音読できるスキルがないため、私の場合は脳内音読がされていないようです。できないというべきか。カタカナ英語のような形でも脳内音読はない。母国語でないからなのでしょうか。英文を読む場合、たぶん脳内で翻訳しながら読んでいるようです。つまり、翻訳した日本語を脳内音読していることになるのかもしれません。だから、さらに英文を読む場合は遅い。
 私は英文のヒアリングが苦手なのですが、自分の状態をよくよく分析すると、全部ではないにしても、英単語はそこそこ(かなり)拾えているような気がする。純粋な「ヒアリング」のスキルの問題ではく、話すスピードで英文を理解することができないことが問題なのかもしれません。いちいち翻訳してたら、そりゃ追いつかないはず。
 上の記事に絡めて、英文はスクリーンリーダで読み上げながら読むと読みやすいというコメントをつけている方がいたので、なるほどと思い、iPadにいれたKindleの洋書をVoiceOverで読み上げながら一週間ほど読んでみたのですが、確かにとても頭にすっと入る感じがします。あと、読むのが速い(理解できているのか)。英文が英文としてそのまま頭に入ってくる感じ(たぶん)。音声でインプットすると違うのでしょうか。よくわからない。
 仕事で担当する障害者サービスの中で、できあがった学術書の録音図書を検査することがあります(これは日本語の書籍ですが)。自分にとっては全く専門外で、個人的には興味のわかない分野の書籍であっても、録音図書で倍速で再生しながら、原本である紙の書籍をあわせて読むと、内容が自然に頭にすっと入ってくるのですが、それに近い。
 録音図書の読み上げなり、スクリーンリーダーの読み上げなり、黙読で行っている脳内音読を外部できると、その分負担が軽減されることもあるのでしょうか。または、視覚情報と聴覚情報の脳内でのインプットのされ方も違うのかもしれません。視覚優位な人と、聴覚優位な人がいるという話もあるので、認知特性の違いがあるのかもしれません。
 上は、あくまで実感以上のものではないので、こういうのをまとめた論文とかないだろうかと探しているところ。

2019年度の抱負 痩せる(痩せたい)

割と散文的な性格と内容の公私ともの生活なので、旧年度の振り返りとか、新年度の抱負とかあまり書かない方ですが、
痩せる
ことにしました。
今年度は大変油断してしまったので、お腹がたいそう出てしまった。まずい。体形もそうだけど、この生活続けてたら身体的にマズイ、ということで、2019年度は健康増進、それを象徴する事項として痩せることを目指すことしたい。
まずは以下の取組みから開始することとする。

  • 自転車通勤(有酸素運動の習慣化)
  • 家飲みは控える(これを飲みながら書いていてアレですが)
  • ストレッチ体操による関節の可動域の拡大化及びそれに伴う運動量の増加
  • 睡眠時間の確保(一日5時間以上は寝る)
  • これまで全く運動してこなかったのだから少し運動すれば劇的に痩せるはずさという自分を信じる楽観主義の維持

以上
2019年度もよろしくお願い申し上げます。