障害者差別解消法と図書館サービス 1 -そもそも障害者差別解消法とは-

 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称:「障害者差別解消法」)は、合理的配慮の提供などを義務づけ、障害者の権利の保障と実質的平等を確保することを目的として具体的な措置や義務を定めた法律で、2016年(平成28年)4月に施行を予定しています。
 
 エントリを何回かに分けて、この法律と図書館サービスとの関係を整理してみたいと思います。

1. この障害者差別解消法成立の背景

 後でも少し触れる「障害者の権利に関する条約」(通称:障害者権利条約)批准のための法整備の一環として制定されたものです。2013年6月に障害者差別解消法と障害者雇用促進法の改正法が成立したところで、2014年1月に日本政府は障害者権利条約に批准しています。
2006年12月 「障害者の権利に関する条約」(通称:障害者権利条約)採択
2011年8月  障害者基本法の改正(公布・施行)
2012年6月  障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)の成立
2013年6月  障害者差別解消法の成立・障害者雇用促進法の改正
2014年1月  日本が障害者権利条約を批准
 この障害者差別解消法は、2011年8月に改正された障害者基本法の第四条(以下)を具体化するために制定されたものです。

(差別の禁止)
第四条  何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
2  社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。
3  国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。

つまり、国際条約である障害者権利条約から、以下のように
障害者権利条約
  ↓
障害者基本法
  ↓
障害者差別解消法
という流れで、「障害を理由とする差別」を解消する措置が、具体化され、義務化されています。ですので、障害者差別解消法を理解するためには、障害者基本法と障害者権利条約も必要に応じて参照しなければなりません。
 例えば、用語の定義ですが、以下のように、「合理的配慮」、「障害に基づく差別(障害を理由とする差別)」、「障害者」などの重要なキーワードが、障害者権利条約と、障害者基本法・障害者差別解消法のいずれかにしか定義されていません。もちろん障害者権利条約、障害者基本法、障害者差別解消法はそれ単体で成立する独立したものであるため、それぞれで理解できるようになっていますが、より深く理解するためには必要に応じて、障害者権利条約で定義されたものを参照する必要があります。

障害者権利条約 障害者基本法 障害者差別解消法
障害に基づく差別(障害を理由とする差別) 定義有り 定義無し 定義無し
合理的配慮 定義有り 定義無し 定義無し
障害者 定義無し 定義有り 有り
社会的障壁 定義無し 定義有り 定義有り
ユニバーサルデザイン 定義有り 定義無し 定義無し
意思疎通 定義有り 定義無し 定義無し
言語 定義有り 定義無し 定義無し

2. 「障害を理由とする差別」とは何か

 「障害を理由とする差別」については、障害者権利条約 第二条の定義のところで以下のように定義されています。

障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む。 (障害者権利条約 第二条 定義 「障害に基づく差別」より)

 
 「障害を理由とする差別」は、障害者の基本的人権を侵害する者であり、それには「合理的配慮の否定を含む」とあるように、合理的配慮を提供しないことも含まれています。これが障害者差別解消法では、以下のように

(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)
第七条 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

 
「障害を理由とする差別」は以下のように区別して整理されています。「障害者の権利利益を侵害することとならないよう」とあるように合理的配慮の不提供が、障害者権利条約の考え方を受けて障害者の権利権益を侵害するものとして規定されているところは重要です。

  • 障害を理由とする不当な差別的取扱い
  • 合理的配慮の不提供

3. 障害者差別解消法における「障害者」とは

 では、「障害者」とは?ということになります。障害者基本法及び障害者差別解消法では、以下のように定義され、障害者手帳保持者に限定されません。また、障害は社会的障壁と相対することで生じるものとするいわゆる「社会モデル」の考え方に基づいた定義となっており、障害者差別解消法はこの「社会的障壁」の除去を目的としたものと言えます。

身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。(第二条)

 

医学モデルと社会モデル
医学モデル
機能障害機能障害(impairment)= 障害(disability)。つまり、機能障害(impairment)を障害(disability)の原因と見なす考え方
社会モデル
機能障害(impairment)×社会的障壁= 障害(disability)。つまり、機能障害(impairment)と社会的障壁(つまり、その機能障害に社会が対応できていない状況)が相対する時に障害(disability)が発生するという考え方

4. 障害者差別解消法によって具体的な措置が義務付けられている機関

 障害者差別解消法が障害者の権利の保障と実質的平等を確保するために各機関に義務付けている大きな柱が以下の4つです。

  • 障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止(第七条第一項、第八条第一項)
  • 環境の整備(事前的改善措置)(第五条)
  • 合理的配慮の提供(第七条第二項、第八条第二項)
  • 職員向け対応要領の作成・公開(第九条、第十条)
  •  
     上について具体的な措置を義務づけている対象は以下の通りです。

    • 行政機関等
      • 国の行政機関
      • 独立行政法人等
      • 地方公共団体
      • 地方独立行政法人
    • 事業者(商業その他の事業を行う者)

     
     そして、図書館は以下のように割り振られます。

    • 公共図書館:「地方公共団体」
    • 国立大学の大学図書館:「独立行政法人等」※
    • 公立大学の大学図書館:「地方独立行政法人」
    • 私立大学の大学図書館:「事業者」
    • 私立の図書館: 「事業者」
    • 学校図書館: 運営主体による

    ※国立大学法人は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律施行令」によって「独立行政法人等」にあたることが規定されます。
     結論から申せば、上の4本柱は以下のように義務付けられています。

    (行政機関等)
    公共図書館
    公立大学図書館
    (行政機関等)
    国立大学図書館
    (事業者)
    私立大学図書館
    不当な差別的取扱いの禁止 義務 義務 義務
    環境の整備 努力義務 努力義務 努力義務
    合理的配慮の提供 義務 義務 努力義務
    対応要領の作成・公開 努力義務
    (設置主体である地方自治体全体に対する努力義務)
    義務
    (国立大学法人全体に対する義務)

    詳細はまた次回に。
    次回以降の更新予定
    障害者差別解消法と図書館サービス 2 -合理的配慮の考え方-
    障害者差別解消法と図書館サービス 3 -セットで考える合理的配慮、環境整備、そして、不当な差別的取扱いの禁止-
    障害者差別解消法と図書館サービス 4 -障害者差別解消法と図書館サービス-
    障害者差別解消法と図書館サービス 5 -(おまけ)障害者差別解消法に係る職員向け対応要領の作成と公開について-

    勉強会で「障害者差別解消法と図書館サービス」というテーマで発表したスライド

     京都情報図書館学学習会 第227回(2015年9月25日)で、障害者差別解消法と図書館サービスというテーマで発表させていただいたので、そのスライド資料を公開用に一部編集して公開しました。


     
     テキスト版とhtml版は以下。

     テキスト版は情報保障のために事前に配布したものを上のスライドと同様に公開用に一部編集したものです。html版は、スクリーンリーダーで見出し単位(この場合はスライド単位)でスキップできる点ではこちらのほうが便利であろうと思い、事後に製作したものです。html版まで製作するのであれば、PowerPointではなく、HTMLベースのプレゼン用のフレームワークを使って発表してもよかったかもしれない。 
     今回の発表では、障害者差別解消法は、図書館に全く新しい義務を課すものではなく、図書館が行っている障害者サービスと同じ目的を持つものであり、むしろそれを支援するものであること、そして、そもそも図書館の障害者サービスは「すべての人に全ての資料とサービスを提供する」という図書館本来の使命に基づくものであるのだから、障害者差別解消法の施行が迫るこのタイミングで、図書館サービスという視点で改めて考えてみませんかということを言いたかったけど、正直、あまり整理されていなかったように思う。
     このテーマはもう少し整理したいところです。
     ところで、最後に余談として、乙武さんの以下の話を取り上げました。

     この話は、障害者差別解消法的にいろいろと考えるべき要素があります。概要をかいつまんで紹介すると。

    • 乙武さんが銀座のイタリアンレストランに予約をして夕食をとろうと試みる(車椅子を使用していることは事前に伝えていない)
    • レストランはエレベータが止まらない2階にある
    • レストラン側は乙武さんが車椅子を使用しているからと入店を拒否した

     車椅子だからと入店を拒否することは、おそらく障害者差別解消法で言うところの、民間事業者も禁止事項となる不当な差別的取扱いに該当するでしょう。しかし、エレベータが2階に止まらないということは、乙武さんは、自分もしくは同伴者でなんとかできなければ、レストラン側が合理的配慮を提供しなければ、入店はできない。しかし、合理的配慮の提供そのものは、民間事業者は努力義務となっているため、仮に入店そのものは拒否しなくても、店側が合理的配慮を提供しなければ、結局、乙武さんは入店できないことになってしまう。どう考えるべきか。
     
     おそらくは乙武さんが使用している車椅子は電動の車椅子でしょうから、非常に重くて男2人でも担いで階段に上るのは難しいのではないかと思います。できそうなのは、車椅子は1階に置いておいて、乙武さんを担いで2階に上がることですが、夕食の時間ということは、レストランそのものが非常に忙しい時間帯であり、合理的配慮を提供するだけの余裕がない可能性もあります。さあ、どうする。どうすれば、乙武さんがこのお店で食事ができないという事態をさけられたかということですが、ここでお互いが対立し、一方的にそれぞれが意見を言いあうよりは、建設的対話を重ねて問題の解決がはかれればよかったのかもしれません(このケースで問題になってしまっているのは、乙武さんが店側からそういう誠意を感じられなかったことによるところが大きいように思えます)。
     なお、いろいろと考える要素はありますが、払うべき合理的配慮というのは、個別具体的な対応ですので、当事者同士が納得するものが結論といえるものになると思います。その場に立ち会っていない第三者が論じても、それらしい意見は言えても、おそらくは正解といえる最終的な結論は出せないということは注意が必要かと思います。

    図書館の障害者サービスと点字図書館関係年表(1825年から2016年まで)(テキスト形式)

     先のエントリにおいて、表形式で公開した「図書館の障害者サービスと点字図書館関係年表(1825年から2016年まで)」のテキスト版です。こちらのほうがスクリーンリーダーによる読み上げでもわかりやすいだろうということで、作成してみました。内容は表形式のものと同じです。
    参考 表形式版
     各年ごとにその年に起こった出来事を図書館関係、点字図書館関係、著作権法関係、その他で分類してあります。
     年表中のリンクは、該当する機関や団体のホームページへのリンクだったり、関連する参考資料へのリンクです。

    年表(1825年から2016年まで)

    1825年

    (その他)

    • ルイ・ブライユがアルファベットの6点式点字を開発

     

    1854年

    (その他)

    • ブライユ式点字がフランスで正式に採用

    1880年(明治13年)

    (図書館・点字図書館関係)

    • キリスト教宣教師ヘンリー・フォールズ、築地病院に「盲人図書室」を設置(日本における施設としての障害者への情報提供の最初の事例?)

    1890年(明治23年)

    (その他)

    • 石川倉次が日本語の6点式点字を考案、同年に東京盲唖学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)で採用

     

    1901年(明治34年)

    (その他)

     

    1916年(大正5年)

    (図書館関係)

    • 東京盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)の学生である加藤梅吉が自身が所蔵する点字図書200冊を東京市立本郷図書館に寄託。それを受けて、東京市立本郷図書館は点字文庫開設(公共図書館による障害者への情報提供の嚆矢)

     

    1922年(大正11年)

    (点字図書館関係)

    (その他)

     

    1931年(昭和6年)

    (その他)

    1932年(昭和7年)

    (点字図書館関係)

    • 岩橋武夫、自宅にて点字図書貸出事業を開始

    1933年(昭和8年)

    (図書館関係)

    • 第27回全国図書館大会で「点字図書及盲人閲覧者の取扱」というテーマで障害者への情報提供が取り上げられる。

     

    1934年(昭和9年)

    (その他)

     

    1936年(昭和11年)

    (図書館関係)

    (点字図書館関係)

    • 日本ライトハウス、世界で13番目のライトハウとして公認される(4月)

     

    1937年(昭和12年)

    (その他)

    • ヘレン・ケラー、来日

     

    1940年(昭和15年)

    (点字図書館関係)

     

    1948年(昭和23年)

    (点字図書館関係)

    • 日本盲人図書館、「日本点字図書館」と名を改める(4月)

    (その他)

     

    1949年(昭和24年)

    (点字図書館関係)

     

    1950年(昭和25年)

    (図書館関係)

    • 図書館法公布

     

    1953年(昭和28年)

    (その他)

     

    1955年(昭和30年)

    (点字図書館関係)

    • 日本点字図書館、厚生省委託点字図書製作・貸出事業開始(1月)

    (その他)

    • ヘレン・ケラー、3度目の来日

     

    1957年(昭和32年)

    (点字図書館関係)

    • 国際基督教奉仕団(現・日本キリスト教奉仕団)テープライブラリ発足(2月)
    • 厚生省が点字図書館設置基準暫定案を作成(3月)

     

    1958年(昭和33年)

    (点字図書館関係)

    • 日本点字図書館が録音図書の製作を開始し、「声のライブラリー」を設置

     

    1959年(昭和34年)

    (点字図書館関係)

    • 日本ライトハウス、「声の図書館」(テープライブラリー)を開設。

     

    1961年(昭和36年)

    (点字図書館関係)

    • 日本点字図書館・日本ライトハウス、厚生省委託声の図書製作・貸し出し事業開始。
    • 日本点字図書館、「声のライブラリー」を「テープライブラリー」と改称(4月)

    (その他)

    • 郵便法改正(盲人用郵便が無料化)

     

    1963年(昭和38年)

    (点字図書館関係)

    • 日本ライトハウス、厚生省委託点字図書製作・貸出事業開始

     

    1967年(昭和42年)

    (その他)

    • 京都で視覚障害学生と点訳サークル学生を中心に関西SL(Student Library)発足(4月)

     

    1969年(昭和44年)

    (図書館・点字図書館関係)

    • 国立国会図書館と東京都立日比谷図書館に対して、日本盲大学生会・関西SL等が図書館蔵書の開放運動を行う。

     

    1970年(昭和45年)

    (図書館関係)

    • 東京都立日比谷図書館、視覚障害者サービスを開始(4月)

    (著作権法関係)

    • 旧著作権法を全部改正した著作権法(①)公布。37条(点字による複製等)等を新たに規定(5月)

    (その他)

    • 日本盲大学生会・関西SL等が視覚障害者読書権保障協議会(視読協)結成(6月)

     

    1971年(昭和46)

    (図書館関係)

    (その他)

    • 著作権法(①)施行(4月)

     

    1972年(昭和47年)

    (点字図書館関係)

    • 京阪神点字図書館連絡協議会発足(参加4館) (6月)

     

    1973年(昭和48年)

    (その他)

     

    1974年(昭和49年)

    (図書館・点字図書館関係)

    • 京阪神点字図書館連絡協議会から近畿点字図書館研究協議会が発足(近点協)に(参加12館、うち公共図書館2館)(11月)

    (図書館関係)

    • 大阪府立夕陽丘図書館開館、対面朗読サービスや郵送貸出を開始(5月)
    • 全国図書館大会で初めて障害者サービスの分科会「身体障害者への図書館サービス」が設置される(11月)

     

    1975年(昭和50年)

    (図書館関係)

    • 公共図書館の録音サービスが日本文芸著作権保護同盟から、著作権侵害と指摘する新聞記事報道(『愛のテープは違法の波紋』報道)(公共図書館における録音図書の製作が著作権者の許諾を取らなければ行えないということが明確に)(1月)
    • 国立国会図書館、学術文献録音サービス開始(10月)

     

    1977年(昭和52年)

    (点字図書館関係)

    • 第1回点字図書館館長会議(東京)開催

     

    1978年(昭和53年)

    (図書館関係)

    • 日本図書館協会(JLA)、障害者サービス委員会設置(最初から関東小委員会と関西小委員会があった)(4月)

     

    1979年(昭和54年)

    (その他)

    • IFLA/RTLB(盲人図書館会議)発足

     

    1981年(昭和56年)

    (図書館関係)

    (点字図書館関係)

    • 全国点字図書館協議会、発足(4月)
    • 全国点字図書館長会議、「点字・録音・拡大資料の相互貸借に関する申し合せ」決議(11月)

    (その他)

     

    1982年(昭和57年)

    (図書館関係)

    • 国立国会図書館、「点字図書・録音図書全国総合目録」(冊子体)を刊行開始(3月)

     

    1984年(昭和59年)

    (その他)

     

    1986年(昭和61年)

    (図書館・点字図書館関係)

    • IFLA、東京で世界大会開催(8月)

    (図書館関係)

    • 国立国会図書館、「点字図書・録音図書全国総合目録データベース(AB01)」提供開始。国会、行政・司法の各支部図書館、都道府県立・政令指定都市立図書館のほか、一部の点字図書館にオンラインで提供を開始。

    (点字図書館関係)

    • 近点協、「製作資料の着手情報システム(NLB)」を開始(3月)

    (その他)

     

    1987年(昭和62年)

    (その他)

    • 点訳絵本/点訳入りFDの郵送料が無料になる(8月)

     

    1988年(昭和63年)

    (点字図書館関係)

    • 日本IBMが点訳オンラインサービス「IBMてんやく広場」開始

    (その他)

    • スウェーデン国立点字録音図書館(TPB)がデジタル図書開発を計画

     

    1989年(平成元年)

    (図書館関係)

     

    1990年(平成2年)

    (点字図書館関係)

    (その他)

    • スウェーデンのラビリテンテン社、DAISYの開発に着手
    • 米国でADA法案可決(5月)

     

    1991年(平成3年)

    (図書館・点字図書館関係)

    • IFLA視覚障害者セミナーを東京(東京大学安田講堂、国立国会図書館東京本館新館講堂など)で開催(1月)

     

    1993年(平成5年)

    (点字図書館関係)

    • 運営を日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)点字図書館部会 特別委員会が引き継ぎ、「IBMてんやく広場」から「てんやく広場」に改名

    (その他)

    • 障害者基本法公布

     

    1994年(平成6年)

    (点字図書館関係)

    • 日本点字図書館、厚生省委託事業として、「点字図書情報サービス事業」(点字図書・録音図書目録の一括化)を開始(1月)。
    • てんやく広場、国立国会図書館点字図書・録音図書総合目録(AB01)のデータを借り受けてテスト稼働(11月)
    • 第19回全国点字図書館大会(この年から「全国点字図書館長会議」が「全国点字図書館大会」に)

    (その他)

    • 『障害者白書』が刊行される(12月)

     

    1995年(平成7年)

    (図書館関係)

    • 国立国会図書館、「NDL CD-ROM Line点字図書・録音図書全国総合目録」頒布開始

    (点字図書館関係)

    • てんやく広場、1994年の点字図書・録音図書全国総合目録データのテスト稼働をもとにオンラインリクエストの試行を開始(2月)
    • 日本点字図書館と東京都公共図書館の蔵書目録を搭載した「NIT(ニット)」に国立国会図書館の点字図書・録音図書全国総合目録のデータを搭載し、ニットプラスと改称(6月)

    (その他)

    • シナノケンシがデジタル録音図書の試作一号機を開発

     

    1996年(平成8年)

    (図書館関係)

    • 新しくオープンした大阪府立中央図書館が児童室の場所を「視覚障害児のためのわんぱく文庫」に提供

    (点字図書館関係)

    • 日本点字図書館、厚生省委託点字図書近代化事業を受け、点字資料のデジタル化を開始(5年間)(4月)
    • 全国点字図書館協議会、全国視覚障害者情報提供施設協議会に名称変更(11月)
    • 日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)、点字図書館部会の名称を「情報サービス部会」に変更

    (その他)

    • DAISY Consortium設立

     

    1997年(平成9年)

    (図書館関係)

    (点字図書館関係)

    (その他)

    • DAISY Consortium、DAISY 2.0の仕様を公開
    • IFLA盲人図書館会議で DAISYがデジタル録音図書の標準規格になることが決定(8月)

     

    1998年(平成10年)

    (図書館関係)

    • 国立国会図書館の「点字図書・録音図書全国総合目録」の冊子体が34号(1997年2号)で終刊

    (点字図書館関係)

    • 「てんやく広場」を全視情協に移管(7月)
    • 「ないーぶネット」に名称を変更(9月)

    (その他)

     

    1999年(平成11年)

    (点字図書館関係)

    • 全国視覚障害者情報提供施設協議会、全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)に名称変更(6月)
    • 日本点字図書館と全視情協と協議の結果、類似した2つのサービスである日本点字図書館の「ニットプラス」と全視情協の「ないーぶネット」を一本化し、「点字図書情報ネットワーク整備事業」として、両者の協力のもとに全視情協が運営する「ないーぶネット」の構築を行うことで合意(12月)
    • 日本ライトハウス、DAISY図書製作・貸出開始
    • 日本点字図書館、DAISY図書(デジタル録音図書)の貸出開始

     

    2000年(平成12年)

    (著作権法関係)

    • 著作権法改正(②)。点字の公衆送信が可能になり、著作権法第37条の2(聴覚障害者のための自動公衆送信)が新たに規定される(5月)

     

    2001年(平成13年)

    (図書館関係)

    • 文部科学省、公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準に障害者サービスをはじめて明記

    (点字図書館関係)

    • インターネット版ないーぶネット(総合ないーぶネット)本格運用を開始。Web上からの貸出申し込みが可能に(4月)

    (著作権法関係)

    • 著作権法(②)が施行(1月)

    (その他)

    • シナノケンシが、DAISYのインターネット配信実証実験
    • DAISY Consortium、DAISY 2.02の仕様を承認(2月)
    • DAISY Consortium、DAISYの正式名称を”Digital Audio-based Information SYstem”から” Digital Accessible Information SYstem”に変更(12月)

     

    2002年(平成14年)

    (その他)

     

    2003年(平成15年)

    (図書館関係)

    • 「図書館等における著作物等の利用に関する当事者協議」開始(1月)
    • 国立国会図書館、点字図書・録音図書全国総合目録をNDL-OPACにおいてインターネット公開(1月)
    • 大阪府立中央図書館、録音図書ネットワーク配信事業開始(4月)

    (その他)

    • 郵政公社発足。盲人用郵便物の表示が「盲人用」から「点字用郵便物」に変更(4月)

     

    2004年(平成16年)

    (図書館関係)

    (点字図書館関係)

    • DAISY配信サービス「びぶりおネット」が日本点字図書館と日本ライトハウス盲人情報文化センターにより開始(4月)

    (その他)

    • DAISY再生機器が「日常生活用具給付制度」の給付対象に(4月)
    • 障害者基本法改正(6月)

     

    2005年(平成17年)

    (点字図書館関係)

    • 録音図書ネットワーク製作事業「びぶりお工房」本格運用開始(4月)
    • 「びぶりおネット」に点字データ配信サービスを追加(10月)

     

    2006年(平成18年)

    (著作権法関係)

    • 著作権法(③)改正。これにより点字図書館は、視覚障害者向けの録音データの公衆送信可能になる(12月)

    (その他)

    • 障害者権利条約採択(6月)

     

    2007年(平成19年)

    (著作権法関係)

    • 著作権法③施行(7月)

     

    2008年(平成20年)

    (点字図書館関係)

    (その他)

    • 教科書バリアフリー法施行(9月)

     

    2009年(平成21年)

    (図書館関係)

    • 「公共図書館等における音訳資料作成の一括許諾に関する協定書」に基づく障害者用音訳資料作成の一括許諾終了(12月)

    (点字図書館関係)

    • びぶりおネット個人ユーザーへのダウンロードサービス開始(2月)
    • 平成21年補正事業で、厚生労働省の委託事業として、日本点字図書館が「視覚障害者情報提供ネットワークシステム整備事業」を受託。「ないーぶネット」と「びぶりおネット」を統合した「視覚障害者情報提供ネットワーク(サピエ)」を構築(11月)

    (著作権法関係)

    • 著作権法(④)改正。視覚障害者「等」のために録音図書に限定されず、必要な方式で製作できることに、また、点字図書館だけではなく、図書館等も複製の主体になる。また、第三十七条の二が全部改正され、(聴覚障害者等のための複製等)に(6月)

     

    2010年(平成22年)

    (図書館関係)

    (点字図書館関係)

    (著作権法関係)

    • 著作権法(④)施行(1月)

    (その他)

    • 特定非営利活動法人大活字文化普及協会が専門委員会としての読書権保障協議会設置(12月)

     

    2011年(平成23年)

    (図書館関係)

    (その他)

    • 障害者基本法改正(8月)
    • IDPF、EPUB 3の仕様を勧告(10月)

     

    2012年(平成24年)

    (その他)

     

    2013年(平成25年)

    (その他)

    • 盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約採択(6月)
    • 障害者差別解消法成立(6月)

     

    2014年(平成26年)

    (図書館関係)

    • 国立国会図書館、「視覚障害者等用データの収集及び送信サービス」開始(1月)
    • 「視覚障害者等用データ送信サービス」と「サピエ図書館」のシステム連携。「視覚障害者等用データ送信サービス」のコンテンツが「サピエ図書館」から利用可能に。(6月3日)

    (その他)

    • 日本、障害者権利条約の批准書を寄託(1月。2月に効力が発生)

     

    2016年(平成28年)

    (その他)

    • 障害者差別解消法施行(4月)

    主な参考文献

    図書館関係

    点字図書館関係

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