韓国の国立障害者図書館 (National Library for the Disabled : NLD) の資料提供サービス

 韓国国立中央図書館 (National Library of Korea)の障害者サービス部門である国立障害者図書館 (National Library for the Disabled : NLD) のサービスを資料提供を中心にまとめました。

1. 概要

  • 国立中央図書館の障害者サービス部門
  • 2012年に図書館法が改正されて設立(前身の国立障害者図書館支援センターは2007年設立)。
  • 従来の「図書館および読書振興法」を2006年10月4日に「図書館法」として全面改正され、2007年4月5日に施行。この法律で図書館の役割として、障害者を含む国民の情報アクセスと利用格差の解消を明記。同じ改正でに第45条に「国立障害者図書館支援センターを置く」と規定されたことを受け、設立。
  • 来館サービス、資料製作、障害者サービス資料共有システムの構築、障害者サービスに関する様々な基準やガイドラインの策定、障害者向けの資料の収集・製作・製作支援・提供、障害者サービスのエキスパートの育成等を実施 。

2. データベース

2.1 Direct Easy Accessible Material Service: DREAM

  • 視覚障害者等向け資料の総合目録。全国の公共図書館、私立障害図書館の代替資料を検索することが可能。
  • 30万件が検索可能。うち、約10万件がダウンロード可能。
  • ハングルインターフェイスのみ。
  • 検索画面はNLDのトップページ

2.2 チェッナレ・ヌリチプ

  • 現物資料中心の「チェッナレ(本の翼)サービス」。
  • 郵便局とも連携した図書館間貸出を支援するシステム。
  • ハングルインターフェイスのみ。

3. NLDの資料製作・資料提供

 視覚障害者、聴覚障害者、発達障害者向け資料を製作。・DAISY資料3万2,000点 (約6000点/年製作)を含む約5万3,000点の資料を所蔵している。2017年から電子書籍(EPUB?)の製作にも着手し、2017年に670点、2018年に2251点を製作。

3.1 資料製作サービス概要

3.1.1 申請資格

  • 国立障害者図書館の登録利用者である視覚・聴覚・肢体障害者と関係機関
    • ※障害者は、重度の量上肢機能障害があるため本をつまんだり面を越えて、覆うことなどが困難な者に限定
    • ※大学の本の最初の申請大学(院)生は在学証明書は必ず提出すること。在学証明書未発行の新入生は合格証の提出

3.1.2 申請対象資料

  • 情報利用・調査・研究・学習・教養・生涯教育などのための単行本
  • 楽譜、教本、音楽理論や音楽教科など楽譜が含まれている著作物

3.1.3 申し込み制限資料

  • 問題集、参考書などの小・中・高等学校教材
  • 辞書類、各種年鑑、ホワイトペーパー、統計便覧などの資料
  • 特定の講義でのみ使用するために製作された講義用ノート
  • シート製本書籍やオリジナルの一部
  • 電子書籍型のみ出版された資料
  • 地図、写真集、漫画などの画像中心の資料
  • 絶版された資料のうち国立中央図書館未所蔵資料(ただし、申請者が提供した時は製作可能)
  • ギャンブル、淫乱性、暴力性、扇情性等を助長する資料
  • 代替材料のソースが高価な国立中央図書館未所蔵資料(ただし、申請者が提供した時は製作可能)
  • その他の障害者図書館長に制限する必要があると判断した資料

3.1.4 申し込み可能な代替データ種

  • 視覚障害者:DAISY資料、点字データ、点字楽譜データ
  • 聴覚障害者:韓国手話映像書籍
  • 肢体障害者:DAISY資料

3.1.5 申込資料種別・頁数(1回あたり)

  • 視覚障害者:DAISY資料、点字データ、点字楽譜データ
    • 一般図書:5タイトルまたは2,000面内 – 大学(院)書籍:7タイトルまたは3,000面内
  • 点字楽譜データ:次のいずれとなるして申請
    • 器楽曲と声楽曲:3曲または90面内
    • 教本と楽曲集:1種または200面内
    • 音楽関連書籍:1種または500面内
    • ※個人の申請者1人が申請することができる種・頁数は、デイジーデータおよび電子点字資料の種・面数を超え不可
    • ※申請した資料が完了した場合、1回のお申し込みが可能種及び頁数の範囲内で追加申請を許可
    • ※機関の申請は随時可能で、この場合には、個人の申請種・頁数は、個人の申請要件と同じ
  • 韓国手話映像書籍:3タイトル以内

3.1.6 申し込み方法

  • 国立障害者図書館ホームページログイン→「代替材料製作申請」→「申請資料ライティング」の掲示板に登録

以上、대체자료 제작신청(代替材料製作申し込み) より

3.2 製作期間

代替材料の種類別生産基準表
代替材料の種類 分量 難易度別製作期間 備考
DAISY資料 〜200p未満 7週 6週間 6週間 制作の準備と待機期間は約4.5週間(準備期間13日、待機期間19日)
200p以上〜400p未満 8週間 7週 6週間
400p以上〜600p未満 10週間 8週間 7週
600p以上〜800p未満 11週間 9週 8週間
800p以上〜1,000p未満 13週間 10週間 8週間
1,000p以上〜1,200p未満 15週 11週間 9週
点字データ 〜100p未満 10週間 9週 8週間 制作の準備と待機期間は約6週間(準備期間13日、待機期間30日)
第2外国語の場合、製作待機期間が提示された期間よりも延長されることがあります
100p以上〜200p未満 12週 10週間 9週
200p以上〜300p未満 15週 12週 10週間
300p以上〜400p未満 17週 13週間 11週間
400p以上〜500p未満 20週 15週 13週間
500p以上〜600p未満 22週 16週 14週
600p以上〜700p未満 24週 18週 15週
700p以上〜800p未満 27週 19週 16週
800p以上〜900p未満 29週 21週 17週
900p以上〜1,000p未満 31週 22週 18週
点字楽譜データ 〜10p未満 3週間 2週間 2週間 制作の準備と待機期間は約1.4週間(準備期間3日、待機期間7日)
教本と理論書のテキスト面を1/9に換算して算定
10p以上〜20p未満 3週間 3週間 2週間
20p以上〜30p未満 4週間 4週間 3週間
30p以上〜40p未満 5週 4週間 3週間
40p以上〜50p未満 6週間 5週 3週間
50p以上〜60p未満 7週 6週間 3週間
60p以上〜70p未満 8週間 6週間 4週間
70p以上〜80p未満 9週 7週 4週間
80p以上〜90p未満 10週間 7週 4週間
90p以上〜100p未満 10週間 8週間 4週間

以上、대체자료 제작신청(代替材料の種類別生産基準表)より

3.3 所蔵資料統計

国立障害者図書館の代替資料現況2013-2018
区分 2013-2015 2016 2017 2018 合計
DAISY資料 13,757 5,821 5,812 6,674 32,064
点字データ 805 48 61 2,248 3,162
点字楽譜データ 1,797 66 75 276 2,214
音声解説付映像資料 355 0 0 64 419
透明テキスト付PDF 4,306 0 0 0 4,306
ボイスブレイルリリース 838 0 0 0 838
手話映像書籍 1,483 410 531 583 3,007
字幕映像資料 901 0 0 0 901
電子書籍 0 0 670 2,251 2,921
肉声資料 0 0 0 2,510 2,510
発達障害資料 0 0 0 403 403
総数 24,242 6,345 7,149 15,009 52,745

以上、소장자료 현황(所蔵資料の現状)より

3.5 ガイドラインの策定

障害者用資料の製作及び検収ガイドラインを策定

4. 法制度 – 出版物の電子ファイル・電子書籍の収集 –

  • 障害者用資料製作を目的とした電子ファイル納本制度(図書館法2009年改正)(図書館法題20条第3項)NLDが障害者用資料の製作を目的に出版者に電子ファイルの提供を要求することができる(特別なり理由がない限り、出版者は納本する義務がある)。ただし実際の納本実績は5割にとどまる。
  • オンライン資料納本制度(図書館法2016年改正)(図書館法題20条題1項・第2項)
    ISBNやISSNを付与された電子書籍の納本を出版者に義務づけ(公共機関は紙資料を納本したら電子ファイルも納本することを義務づけ)。

詳細は以下のエントリを参照

5. 参考

韓国の法令 : 障害者サービス、電子書籍納本制度、情報アクセシビリティ関係

韓国国立中央図書館 (National Library of Korea)の障害者サービス部門である国立障害者図書館 (National Library for the Disabled : NLD)のホームページの以下のページに韓国語だが、NLDの設置根拠となる「図書館法」条文を含めて韓国の障害者サービス関係の法制度がまとめられている。メモ代わりに気になるところを転載します。なお、本エントリは、 Google翻訳で日本語訳して確認しています。引用もGoogle翻訳です。その点ご留意ください。

図書館法の制定と障害者サービスの位置づけ

 図書館および読書振興法を2006年10月4日に図書館法として全面改正され、2007年4月5日に施行。この法律で図書館の役割として、障害者を含む国民の情報アクセスと利用格差の解消を明記。

図書館法

第43条(図書館の責務)

  • ①図書館は、すべての国民が身体及び地域・経済的・社会的条件に関係なく、公平な図書館サービスの提供を受けるために必要なすべての措置を講じなければならない。
  • ②図書館は障害者、その他大統領令で定める知識情報弱者(以下「知識情報弱者」という。)の知識情報格差の解消のために、次の各号の措置を講じなければならない。
    • 1.図書館資料の拡充、提供および共同利用体制の構築
    • 2.教育・文化プログラムの拡充と提供
    • 3.図書館設備の拡充、利用利便性を提供し、専門人材の配置
    • 4.他の図書館や関連団体との協力
    • 5.しか知識情報格差の解消のために必要な事項
      [全文改正2012 2. 17.]

国立障害者図書館 (National Library for the Disabled : NLD)の設置

 図書館法への全面改正時に第45条に「国立障害者図書館支援センターを置く」と規定され、2007年に国立障害者図書館支援センターが設置される。これがNLDの前身。2012年に図書館法の45条が再度改正されて国立障害者図書館に改組される。

図書館法

第45条(国立障害者図書館の設立・運営)

  • ①国立中央図書館長所属下に知識情報弱者の中で、特に障害者のための図書館サービスをサポートするために、国立障害者図書館を置く。
  • ②国立障害者図書館は、次の各号の業務を遂行する。
    • 1.図書館の障害者サービスのための国民の施策の策定と総括
    • 2.障害サービスのためのライブラリの基準やガイドラインの制定
    • 3障害者のための図書館資料の収集・製作・制作支援と提供
    • 4.障害者のための図書館資料の標準制定・評価・黒・普及等に関する事項
    • 5.障害者のための図書館資料の共有システムの構築と共同活用
    • 6.障害者のための図書館サービスと特別な設備の研究・開発及び普及
    • 7.障害の知識情報利用のための教育文化プログラムに関する事項
    • 8.障害者の図書館サービスを担当する専門スタッフのトレーニング
    • 9.障害者の図書館サービスのための国内外の図書館との関連団体との協力
    • 10そのほか、障害者に必要な図書館サービスに関する業務
  • ③国立障害者図書館の設立・運営及び業務に必要な事項は、大統領令で定める。
    [全文改正2012 2. 17.]

出版物の電子ファイル・電子書籍の収集

2009年と2016年の2段階で制度が整備されています。

  • 障害者用資料製作を目的とした電子ファイル納本制度(図書館法2009年改正)(図書館法題20条第3項)
    NLDが障害者用資料の製作を目的に出版者に電子ファイルの提供を要求することができる(特別なり理由がない限り、出版者は納本する義務がある)。
  • オンライン資料納本制度(図書館法2016年改正)(図書館法題20条題1項・第2項)
    ISBNやISSNを付与された電子書籍の納本を出版者に義務づけ(公共機関は紙資料を納本したら電子ファイルも納本することを義務づけ)。

図書館法

第20条(図書館資料の納本)

  • ①何人も図書館資料(オンライン資料を除く。ただし、オンライン資料のうち、第21条の規定により国際標準資料番号を付与されたオンライン資料を含む。以下この条において同じ。)を発行または製作した場合、その発行日または製作日から30日以内に、その図書館資料を国立中央図書館に納本しなければならない。修正増補版である場合にもまた同じである。<改正2009年3 25、2016 2. 3.>
  • ②国、地方自治団体及びその他大統領令で定める公共機関が第1項の規定により、図書館資料を国立中央図書館に納本する場合には、大統領令で定めるところにより、デジタルファイル形式でも納本しなければならない。<新設2016年2月3日>
  • ③国立中央図書館は、第45条第2項第3号に規定する業務を遂行するために必要な場合、図書館資料を発行または製作した者にこれをデジタルファイル形式でも納本を要求することができている。この場合、要請を受けた者は、特別な事由がない場合、要求を受けた日から30日以内に国立中央図書館に納本しなければならない。<改正2009年3 25、2016 2. 3.、2017. 12. 12.>
  • ④国立中央図書館は、第1項から第3項までの規定に基づいて図書館資料を納本した者には、遅滞なく納本証明書を発行しなければならず納本した図書館資料の全部または一部が販売用の場合には、その図書館資料について、正当な補償をしなければならない。<改正2009年3 25、2012 2 17、2016 2. 3.>
  • ⑤納本対象図書館資料の選定・種類・形状・部数と納本手順と補償等に関して必要な事項は、大統領令で定める。<改正2009年3 25、2016 2. 3.>
    [タイトル改正2009. 3. 25.]

図書館法施行令

第13条(図書館資料の納本)

  • ①法第20条第1項の規定により、国立中央図書館に納本(納本)図書館資料(法第21条の規定により国際標準資料番号を付与されたオンライン資料を含む。以下この条及び第13条の3において同じ。)は、次の各号の図書館資料とする。<改正2008年12月31日、2009年9 21、2016 7 26>
    • 1.本
    • 2.雑誌
    • 3.楽譜、マップやガジェシク(加除式)資料
    • 4マイクロ形態のデータおよび電子資料
    • 5スライド、レコード、カセットテープ、ビデオ水など視聴覚資料
    • 6「出版文化産業振興法」第2条第4号の規定による電子出版物の中でコンパクトディスク、デジタルビデオディスクなど有形物
    • 7点字資料、録音および大きい活字資料など障害者のための特別な材料
    • 8出版環境の変化に応じて、新しい形で出版されているドキュメンタリーとして文化体育観光部長官が認める図書館資料
  • ②法第20条第1項の規定によるオンライン資料(法第21条の規定により、国際標準資料番号を付与された場合のみ該当する)の納本と法第20条第2項又は同条第3項前段によるデジタルファイル形式の納本は、次の各号のいずれかに該当する方法である。<新設2016年7 26.>
    • 1.材料とサージ(書誌)情報のデジタルファイルを国立中央図書館伝送システムに転送
    • 2.資料と書誌情報のデジタルファイルを記憶媒体に保存して、国立中央図書館で送付
    • 3.国立中央図書館には、資料や書誌情報のインターネット上の場所を通知し、国立中央図書館がこれにアクセスして収集することができように措置
  • ③法第20条第2項の「大統領令で定める公共機関」とは、次の各号の機関をいう。<改正2016年7 26.>
    • 1.「公共機関の運営に関する法律」による公共機関
    • 2「地方公企業法」による地方公社及び地方公団
    • 3.特別法に基づいて設立された特殊法人
    • 4.「幼児教育法」、「初・中等教育法」、「高等教育法」、その他他の法律に基づいて設立された各学校
  • ④法第20条第3項前段の規定により、国立中央図書館にデジタルファイルとしても納本を要求することができます図書館材料は、第1項各号の図書館資料の中障害者のための特別な材料に変換し、製作が可能なデータとする。この場合、デジタルファイル形式は、国立中央図書館長が第13条の3による図書館資料審議委員会の審議を経て選定して告示する。<改正2009年9 21.、2016年7 26.>
  • ⑤法第20条第1項から第3項までの規定による図書館資料の納本部数は、次の各号の区分に従う。<新設2016年7 26.>
    • 1.法第20条第1項の規定による納本の場合:第2部。ただし、国や地方自治体、または第3項各号の規定による公共機関が納本する場合には、3部である。
    • 2.法第20条第2項の規定による納本の場合:第3部
    • 3法第20条第3項の規定による納本の場合:第1部
  • ⑥法第20条第1項から第3項までの規定に基づいて図書館資料を納本する者は、文化体育観光部令で定めるところにより、図書館資料納本資料国立中央図書館長に提出しなければならない。<新設2009年9 21.、2014. 8. 12、2016 7 26>

国立中央図書館告示第2016-1号

デジタルファイル形式に関する告示

第1条[目的]

この告示は、「図書館法」第20条第3項及び同法施行令第13条第4項の規定による図書館資料の中障害者のための特別な材料に変換し、製作が可能なデータのデジタルファイル形式を定めることを目的とする。

第2条[範囲]

「図書館法」施行令第13条第4項の規定に基づいて障害者のための特別な材料に変換し、製作が可能なデータの範囲は、同法施行令第13条第1項の資料の種類の中から、次のように定める。

  • 1.本
  • 2.連続刊行物
  • 3ガジェシク資料
  • 4の電子資料
  • 5出版環境の変化に応じて、新しい形で出版されているドキュメンタリーとして文化体育観光部長官が認める図書館資料
第3条[ファイル形式]

「図書館法」第20条第3項及び同法施行令第13条第4項の規定による納本対象となるデジタルファイル形式は、「コンピュータを利用して、点字、録音、大活字などに容易に変換することができる.txt、.doc、 .hwpなどのファイル」を言う。

著作権法

「視覚障害者等」が日本の著作権法でいうところの「視覚障害者等」(読書困難者)と同じかどうかは未確認。

著作権法

第33条(視覚障害者等のための複製など)

  • ①公表された著作物は、視覚障害者等のために点字で複製・配布することができる。
  • ②視覚障害者等の福祉の増進を目的とする施設のうち、大統領令が定める施設(当該施設の長を含む)は、営利を目的とせず、視覚障害者等の利用に提供するために公表された語文著作物を録音したり、大統領令で定める視覚障害者等のための専用の記録方式で複製・配布、または送信することができる。<改正2009年3 25.>
  • ③第1項及び第2項の規定による視覚障害者等の範囲は、大統領令で定める。

第33条の2(聴覚障害者などのための複製など)

  • ①何人も聴覚障害者などのために公表された著作物を韓国できる語に変換することができ、このような韓国水鱼を複製・配布・公演や公衆送信することができる。<改正2016年2月3日>
  • ②聴覚障害者などの福祉増進を目的とする施設のうち、大統領令で定める施設(当該施設の長を含む)は、営利を目的とせず、聴覚障害者等の利用に提供するために必要な範囲で公表された著作物等に含まれている音声や音響などを字幕など聴覚障害者が認知することができるように変換することができ、これらの字幕などを聴覚障害者などが利用できるように複製・配布・公演や公衆送信することができる。
  • ③第1項及び第2項の規定による聴覚障害者などの範囲は、大統領令で定める。 [本条新設2013. 7. 16.]

著作権法施行令

第14条(複製などが許可されて視覚障害者などの施設など)

  • ①法第33条第2項の「大統領令で定める施設」とは、次の各号のいずれかに該当する施設をいう。<改正2009年7 22.、2013. 10. 16.>
    • 1.「障害者福祉法」第58条第1項の規定による障害者福祉施設のうち次の各目のいずれかに該当する施設
      が。視覚障害者等のための障害者居住施設
      や。障害者の地域社会リハビリ施設の点字図書館
      だ。障害者の地域社会のリハビリ施設と障害者職業リハビリテーション施設の視覚障害者等を保護している施設
    • 2「幼児教育法」、「初・中等教育法」及び「障害者等に対する特殊教育法」による特殊学校や視覚障害者などのために特殊学級を置いた各学校
    • 3国・地方自治体、営利を目的としない法人又は団体が視覚障害者等の教育・学術または福利増進を目的として設置・運営する施設
  • ②法第33条第2項の「大統領令で定める視覚障害者等のための専用の記録方式」とは、次の各号のいずれかに該当する方式をいう。<新設2009年7 22.>
    • 1.点字で表示することを目的とする電子形式の情報記録方式
    • 2.印刷物を音声に変換することを目的とする情報記録方式
    • 3.視覚障害者のために標準化されたデジタル音声情報記録方式
    • 4.視覚障害者以外に利用することができないようにする技術的保護措置が適用された情報記録方式
      [タイトル改正2009. 7. 22.]

第15条の2(複製などが許可されて聴覚障害者等の施設)

法第33条の2第2項の「大統領令で定める施設」とは、次の各号のいずれかに該当する施設をいう。<改正2016年8 2.>

  • 1.「障害者福祉法」第58条第1項の規定による障害者福祉施設のうち次の各目のいずれかに該当する施設
    が。障害者の地域社会のリハビリ施設のうち、韓国水鱼通訳センター
    や。障害者の地域社会のリハビリ施設と障害者職業リハビリテーション施設の聴覚障害者などを保護している施設
  • 2「幼児教育法」、「初・中等教育法」及び「障害者等に対する特殊教育法」による特殊学校や聴覚障害者などのために特殊学級を置いた各学校
  • 3国・地方自治体、営利を目的としない法人又は団体が聴覚障害者等の教育・学術または福利増進を目的として設置・運営する施設
    [本条新設2013. 10。 16.]

障害者差別禁止法令

障害者差別禁止法

第14条(正当な便宜を提供義務)

  • ①教育責任者は、当該教育機関に在学中の障害者の教育活動に不利益がないように、次の各号の手段を積極的に講じていなければならない。<改正2014. 1. 28、2016 2. 3.、2017. 12. 19.>
    • 1.障害者の通学や教育機関内での移動やアクセスに不利益がないようにするための各種移動用装具のレンタルや修理
  • 2.障害者と障害者関係者が必要とする場合、教育補助者の配置
    • 3.障害による学習参加の不利益を解消するための拡大読書器、補聴器機、高低調節用の机、各種補完・代替コミュニケーションツールなどのレンタルおよび補助犬の配置や車椅子のアクセスのための空き容量を確保
  • 4.時・聴覚障害者の教育に必要な韓国水鱼通訳、文字通訳(速記)、点字資料や印刷物アクセシビリティバーコード(音声変換用のコードなど、大統領令で定める電子表示をいう。以下同じ。)が挿入された資料、字幕、大きな文字資料、画面読み上げ・拡大プログラム、補聴器機、無知点字端末、印刷物音声変換出力機を含む各種障害者補助器具など コミュニケーション手段
    • 5 コースを適用する場合において、学習診断を通じた適切な教育や評価方法の提供
  • 6.その他障害者の教育活動に不利益がないようにするために必要な事項として、大統領令で定める事項
  • ②教育責任者は、第1項各号の手段を提供するために必要な業務を遂行するために、障害学生支援部門または担当者を置かなければならない。
  • ③第1項を適用する場合において、その適用対象教育機関の段階の範囲と第2項の規定による障害学生支援部門と担当者の設置と配置、管理・監督等に必要な事項は、大統領令で定める。

第15条(財貨・用役等の提供における差別禁止)

  • ①財貨・用役などのプロバイダは、障害者に対して、障害を理由に障害はない人に提供するものと実質的に同等でないレベルの便益をもたらすもの、サービス、利益、便宜などを提供していてはならない。
  • ②財貨・用役などのプロバイダは、障害者がその財貨・用役などを利用することにより、利益を得る機会を剥奪してはならない。

第21条(情報通信・コミュニケーションなどの正当な便宜を提供義務)

  • ①第3条第4号・第6号・第7号・第8号の首後段とロ・第11号・第19号・第20号に規定された行為者、第13号、第15号から第17号までの規定に関連する行為、第10条第1項のユーザーと同じ条第2項の労働組合関係者(アクターが属する機関を含む。以下この条において「行為者等」という。)は、当該行為者等が生産・配布電子情報および非電子情報に対して障害者が障害者でない人と同等にアクセス・利用できるように韓国水鱼、文字など、必要な手段を提供しなければならない。この場合、第3条第8号の首後段とロで言う自然人は、行為者等に含まれていない。<改正2016年2月3日、2017. 9. 19.>
  • ②公共機関などは、自分が主催または主管する行事で、障害者の参加と意思疎通のために必要な韓国水鱼通訳・文字通訳・音声通訳・補聴器機など必要な支援をしなければならない。<改正2016年2月3日>
  • ③「放送法」第2条第3号の規定による放送事業者と「インターネットマルチメディア放送事業法」第2条第5号の規定によるインターネットマルチメディア放送事業者は、障害者が障害者でない人と同等に制作物またはサービスをアクセス・利用できるように、クローズドキャプション、韓国水鱼通訳、画面解説など身体障害者視聴便宜サービスを提供しなければならない。<改正2010. 5. 11.、2016年2月3日
  • ④「電気通信事業法」による基幹通信事業者(電話サービスを提供する事業者のみである)は、障害者が障害者でない人と同等にサービスをアクセス・利用できるように通信設備を利用した中継サービス(ビデオ通話サービス、文字サービスまたはその他の科学技術情報通信部長官が定めて告示する中継サービスを含む)を確保していなければならない。<改正2010. 5. 11.、2013. 3. 23、2017. 7. 26.>
  • ⑤次の各号の事業者は、障害者が障害者でない人と同等にアクセス・利用できるように出版(電子出版物を含んでいる。以下この項において同じ。)又は映像を提供するために努力しなければならない。ただし、「図書館法」第18条の規定による国立中央図書館は、新たに生産・配布する図書資料を点字や印刷物アクセシビリティバーコードが挿入されたデータ、音声、または拡大文字などで提供しなければならない。<新設2010. 5. 11、2014. 1. 28、2017. 12. 19.> 1.出版物を定期的に発行する事業者 2映画、ビデオ水など映像の制作者と配給業者
  • ⑥第1項の規定による必要な手段を提供しなければならない行為者等の段階的範囲と必要な手段の具体的な内容と第2項の規定による必要なサポートの具体的な内容と範囲とその履行等に必要な事項、第3項の規定による事業者の段階的範囲と提供しなければならする利便性の具体的な内容及びその履行等に必要な事項、第4項の規定による事業者の段階的範囲と利便性の具体的な内容に必要な事項は、大統領令で定める。<新設2010. 5. 11.、2013. 8. 13> [タイトル改正2010. 5. 11.]

第23条(情報のアクセス・コミュニケーションでの国及び地方自治団体の義務)

  • ①国及び地方自治団体は、障害者の特性を考慮した情報通信網と情報通信機器のアクセス・利用するためのツールの開発・普及や必要な支援を講じなければならない。
  • ②情報通信関連製造業者は、情報通信製品を設計・製作・加工するに当たり、障害者が障害者でない人と同等にアクセス・利用できるように努力しなければならない。
  • ③国家及び地方自治団体は、障害者が障害の種類や程度、特性に応じて韓国水鱼、区画、点字や印刷物アクセシビリティバーコードが挿入されたデータは、大きな文字などを習得し、これを活用した学習支援サービスの提供を受けることができるよう必要な措置を講じなければならず、上記のサービスを提供する者は、障害者の意思に反して障害者の特性を考慮していないコミュニケーション様式などを余儀なくさはならない。<改正2014. 1. 28、2016 2. 3.、2017. 12. 19.>

情報アクセシビリティの法制化

  前項の「障害者差別禁止法令」も参照。

国家情報化基本法

第31条(情報格差解消施策の用意)

国家機関と地方自治団体は、すべての国民が情報通信サービスの円滑なアクセスし、情報を得に活用する基本的権利を実質的に享受できるよう、必要な施策を講じなければならない。

第32条(障害者・高齢者等の情報アクセスと利用を保証)

  • ①国家機関等は、情報通信網を介して情報やサービスを提供する際に障害者・高齢者等が容易にウェブサイトと移動通信端末装置(「電波法」に基づいて割り当てられた周波数を使用する基幹通信役務を利用するために必要な端末装置をいう。以下同じ。)に設置されているアプリケーションソフトウェアを利用できるようにアクセシビリティを確保しなければならない。<改正2018. 2. 21.>
  • ②情報通信サービス提供者は、そのサービスを提供する際に障害者・高齢者等のアプローチと利用の便益を増進するために努力しなければならない。<改正2013. 5. 22.>
  • ③情報通信関連製造業者は、情報通信機器、およびソフトウェア(以下「情報通信製品」という。)を設計、製作、加工する際に障害者・高齢者等が容易にアクセスして利用できるように努力なければならない。この場合、障害・高齢者等が別途の補助なしに、情報通信製品を利用することができない場合には、情報通信製品が補助器具と互換性ができるように努力しなければならない。<改正2018. 2. 21.>
  • ④国の機関等は、情報通信製品を購入する際に障害者・高齢者等の情報にアクセスと利用利便性を確保した情報通信製品を優先して購入するように努力しなければならない。
  • ⑤科学技術情報通信部長官は、障害者・高齢者等の情報アクセスと利用便宜増進のための情報通信サービスと情報通信製品などの種類・指針等を定めて告示しなければならない。<改正2013. 3. 23、2017. 7. 26.>

参考

Fw:長谷川貞夫さんの「書いておきたい事」

 長谷川貞夫さんが、facebook上で「書いておきたいこと」と題して、今、視覚障害者の情報に投稿され続け、それがCode for Nerimaのnoteでまとめられています。屋上屋を重ねるようなものですが、リンクをまとめてみました。長谷川貞夫さんの投稿は、まだ続いていますので、まとめが追加されたら、それをここも更新しようと思います。
長谷川貞夫さんは、6点漢点字を考案した人、ですが、それ以外にも視覚障害者のPC利用や、図書館・点字図書館の障害者サービスの歴史に様々な形で事績を残されている方です。最近も、視覚障害者と盲ろう者向けのアプリjの開発に関わっていたりとかなりアグレッシブ。すごいです。以前、私も図書館の障害者サービスの歴史を調べている時に、いろいろ資料読みましたが、いろいろなところで、「長谷川貞夫」の名前が出てくるので、最初は同姓同名の別人かと疑ったことがあったりとか。長谷川貞夫さんが1996年から1999年に書かれた六点漢字の自叙伝もあります。以下はこれと重なるところもありますが、重ならないところもありますので、興味のある方は両方どうぞ。

  • 長谷川貞夫さんの「書いておきたい事」
    • 日本におけるテープライブラリの発足について。日本初となる(日本点字図書館の「声のライブラリー」よりも1年早いんですよ)の国際キリスト教奉仕団によるテーブライブラリの発足から日本点字図書館の声のライブラリー発足など。
  • 長谷川貞夫さん「視覚障害者と電気の繋がり」
    • 点字の電算化について。国立国会図書館も関わっていたり。
  • 長谷川貞夫さん「田中章夫先生」
    • 田中章夫先生について。カナ文データから点字への変換、それの紙テープへの打ち出しの話。その前提として、田中先生の漢字交じりの日本語文を仮名文字に変換する研究成果あってこそだったのですね。なお、公共図書館における視覚障害職員第1号である元東京都立図書館職員の田中章治さんと一字違い・・。混同しそうですが、別の方です。
  • 長谷川貞夫さん「発明のヒント」
    • 自動点訳と点字ワープロのヒントについて。紙テープのところ、理解するのに時間がかかったのですが、「点字データとしての紙テープ」なのですね。なるほど。
  • 長谷川貞夫さん「岡崎式紙テープデータタイプライター装置」
    • 点字データタイプライタ(点字データを紙テープとして打つタイプライタ)の話。
  • 長谷川貞夫さん「PC−Talkerを使うようになった訳」
    • AOK日本語点字ワープロの話。
  • 長谷川貞夫さん「視読協運動の大功績」
    • 公共図書館における対面朗読のはじまり。視読協は、日本盲大学生会・関西SL等に視覚障害の学生を中心になって作られた視覚障害者読書権保障協議会のことです。ちなみに視読協が作られる前に、その関係者である視覚障害の学生が1969年に図書館の蔵書の解放(図書館の蔵書を視覚障害者にも使えるように)の要望を東京都立と国立国会図書館に出し、1970年に東京都立日比谷図書館が対面朗読サービスと録音図書の製作を開始したのが、戦後の公共図書館における障害者サービス本格実施の嚆矢とされています(国立国会図書館は1975年に録音図書の製作を開始)。その都立における対面朗読サービスのはじまりについて。
  • 長谷川貞夫さん「新六点漢字日本語体系」