DAISY Consortiumのアクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト」(Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist)日本語訳を公開します

 DAISY Consortiumが2013年5月20日に公開した「アクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト」(Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist)を日本語に翻訳してみましたので、公開します。

これは電子書籍ビューアが障害者(全盲者、ロービジョン、ろう者、難聴者、ディスレクシア、学習障害者、そして、移動に障害のある者))にとってどの程度使いやすいものかを評価するためのもので、評価のためのガイドライン及びチェックリストで構成されています。
 まだ、Rev 1.0版ですので、まだドラフトの段階のドキュメントのようです。正直、通して読んでいて全体の構成が分かりづらく、前半はもっと短くできるのではないかと思わせるところがありますが、チェックリストを掲載する「機能テスト」の項は、電子書籍ビューワにどのような機能が求められるかが一覧されていて参考になるところが多いのではないかと思います。ここに上げられた要件に日本語特有の要件を加えれば、必要な要件は揃うのではないかと個人的には思います。

関連エントリ

アクセシブルな出版物の制作 出版社のためのベストプラクティスガイドライン (Accessible Books Consortium)

世界知的所有権機関(WIPO)のマラケシュ条約で中心的な役割を果たすAccessible Books Consortium(ABC)は、”born accessible”な出版物の普及促進を目的とするInclusive Publishing、アクセシブルなコンテンツの共有・交換の促進を目的とするTIGAR Service、DAISYを利用できるICTスキルを持っていないプリントディスアビリティが発展途上国には多いため、そのICTスキル向上を目的とするCapacity Buildingの3つのプロジェクトを遂行しています。この3つのプロジェクトの中のInclusive Publishingの中で、「アクセシブルな出版物の制作 出版社のためのベストプラクティスガイドライン」(Accessible Publishing Best Practice Guidelines for Publishers)というものを公開しています。

これは、WIPOの出資によってEDItEURのSarah Hilderley氏が作成したもので、これまではEDItEURのウェブサイトで公開されていたのですが、2014年6月にABCが発足したタイミングでABCのウェブサイトに移ったみたいです。ちなみにこのガイドラインは日本障害者リハビリテーション協会が日本語に翻訳して公開しています。

 なお、Accessible Books Consortiumについては、一度このブログでも紹介したことがありますので、こちらをご参照ください。

アクセシブルな電子書籍をテーマとしたIFLA LPD サテライト会議の発表資料とアブストラクトが公開されている

2014年8月に開催されたIFLA World Library and Information Congress 2014にあわせて開催された、IFLA LPD(Libraries Serving Persons with Print Disabilities Section)主催のサテライト会議のアブストラクトと発表資料が公開されています。サテライト会議のテーマは”eBooks for everyone! An opportunity for more inclusive libraries”ということで、アクセシブルな電子書籍、マラケシュ条約に関係する発表が多いようです。