EPUB 3の長期保存に関する検討を行うISOとIECの共同分科会が設置されることに

ISO/IEC JTC 1/SC 34※1、IEC/TC 100/TA 10※2、ISO/TC46/SC 4※3 による共同分科会(Joint Working Group)がEPUB 3のarchivability、つまり、長期保存に関する検討を行うために設置されることになったそうです。

 将来的にOOXMLとODFにもスコープを拡げてることを想定しているようですが、まずはEPUB3の長期保存に適したMETS(Metadata Encoding and Transmission Standard)のプロファイルを作成することを目的としているようです。METSのプロファイル作成はTC 46/SC 4が中心となって進めるようですね。

EPUBの長期保存に関するISO関係の参考文献
METSについての参考文献

※1 ISO/IEC JTC 1/SC 34
International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission Joint Technical Committee 1/SubCommittee 34(国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) の第一合同技術委員会第34専門委員会)。文書の記述と処理の言語の標準化について検討する専門委員会です。
http://www.itscj.ipsj.or.jp/sc34/ 
※2 IEC/TC 100/TA 10
International Electrotechnical Commission/Technical Committee 100 Technical Area10 (国際電気標準会議第100技術委員会第10テクニカルエリア)。 オーディオ・ビデオ・マルチメディアシステムおよび機器に関する専門委員会の下に設けられたマルチメディア電子出版と電子書籍技術に関するテクニカルエリア(という名前のプロジェクトチーム)
http://tc100.iec.ch/about/structure/tc100_ta10.htm
※3 ISO/TC46/SC 4
International Organization for Standardization/Technical Committee 46/SubCommittee 4(国際標準化機構 (ISO) 第46技術委員会第4専門委員会)。 情報とドキュメンテーションに関する技術委員会です。
http://www.iso.org/iso/iso_technical_committee.html?commid=48750

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Open Wayback Project – Waybackをオープンソース化して開発をリランチ

 Waybackといえば、Internet Arhiveが提供するWayback Machineというアーカイブされた過去のウェブサイトを閲覧するウェブサービスが有名ですが、アーカイブされたウェブサイトを閲覧するためのWaybackというアプリケーションもあります。Internet Archiveが中心となって開発し、Internet Archiveがこのアプリケーションを使用してWayback Machineというサービスを提供していますので、サービスとアプリケーションが混同されがちですが(IAの中の人は区別してないかもねぇ・・)、この両者は一応区別されるべきものです。IA以外にアプリケーション”Wayback”を使用している機関はいくつかあるようです。
 前置きが長くなりましたが、今回は後者のアプリケーションの話です。
 
 これまで、Waybackの開発は前述のようにInternet Archiveが中心になって進めてきましたが、今後はアイスランド国立大学図書館、ロスアラモス国立研究所、ノルウェー国立図書館が中心になり、オープンソースとして開発をすすめることなりました。Internet Achiveは英国図書館、フランス国立図書館とともに中心貢献機関という立場で、コード全体の監督やこれまで作成してきたコードの提供をする立場になり、直接の開発から離れることになったようです。

 International Internet Preservation Consortium(IIPC)のウェブサイトでOpen Wayback Projectのページが公開されています。

文部科学省・障害のある児童生徒の教材の充実に関する検討会報告

 文部科学省で障害のある児童生徒の教材の充実に関する検討会が設置され、平成25年6月より6回にわたり検討を行い、障害のある児童生徒の教材の現状と課題、その推進方策についてまとめた報告書が8月に公開されています。

 マルチメディアDAISY(もしくはMedia OverlaysなEPUB)教材の充実について言及されているほか、円滑かつ効率的に教材提供を行うための仕組みを構築が必要であることが述べられています。
 また、「米国では、視覚障害や肢体不自由、学習障害等のため文字が読めない、読みにくい等の「印刷物障害(Print Disabilities)」のある児童生徒のためのアクセシブルな教材等の標準規格が整備されており、それらの教材等を教育現場の実情に沿った簡便な方法で提供できる体制が構築されており、我が国においても、参考とすべきと考える。」とあり、米国のNIMAS(National Instructional Materials Accessibility Standard)についても言及されています。NIMASのような標準規格は日本においても必要です。今後に期待したいところです。
 参考資料として特別支援教育に関係する法規、事業に関する文書や関連文書がまとめられています。
 過去の検討会では、地方や米国の障害児教育教材事情、特別支援教育に係る支援技術をまとめたものが配布資料として配布されており、読みごたえがありそうです。

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