5月 27

アクセシブルな電子書籍とは何かを示すガイドラインを図書館側が作ってはどうか

 障害者差別解消法の施行まであと1年弱となりました。公共図書館向けのいろいろなサービスが障害差差別解消法の対応できる的なことを謳うようになると思いますが、電子書籍サービスもおそらくはその1つでしょう。

 個々の電子書籍ベンダの状況はよくわかりませんが、アクセシビリティ対応についてはベンダごとにそれぞれ重きを置くところがさまざまではないかと思います。「アクセシブルな電子書籍」と一言で言っても、図書館が考える「アクセシブルな電子書籍」とベンダ側(と出版社)が考えるそれが同じとは限らないため、図書館が考える「アクセシブルな電子書籍」が何かを明示する必要があるのではないかと考えています。利用者に対して直接サービスを提供する図書館側が考える「アクセシブルな電子書籍」の要件を整理して提示し、認識に齟齬が生じることを防ぐことが重要です。

 例えば、以下について要件の優先順位を示したガイドラインを提示することで、ベンダやコンテンツプロバイダが自分が提供するサービスやコンテンツが、客観的に自己評価でき、かつ、今後どのように改善していけばよいのか、その道筋を示すというのは一つの方法です。

  • (出版社と電子書籍プラットフォームに対して)図書館が考える「アクセシブルな電子書籍」とは何か。
  • (ビューワー開発者と電子書籍プラットフォームに対して)図書館が考える電子書籍の「アクセシブルな閲覧環境」とは何か。
  • (電子書籍プラットフォームに対して)図書館が考える電子書籍の「アクセシブルな提供方法」とは何か。

 この方法の大きな利点は、ベンダ側に要件を提示できるだけではなく、図書館側が電子書籍サービスの導入やコンテンツの購入に際して、これらを「障害差差別解消法の対応」という文言に左右されずに客観的に評価できることです。

 障害の状況は人によってそれぞれ異なりますので、全ての方が満足するものを提供することは困難です。ベンダが出してきたものに対して、問題点を指摘することは無論重要ですが、図書館側が考える「アクセシブルな電子書籍」を明示せずに、ベンダが問題を指摘され続けるという状況は、ベンダにとっては、ゴールが見えないため、やる気を削ぐ可能性もあり、あまり望ましいことではありません。

 そこで、ガイドライン的なものを提示することで、だれもがサービスやコンテンツを客観的に評価でき、問題点を顕在化できるようにする。そして、現実的に実装できる道筋を示す。ベンダ側も全ての要件を一気に満たすことは難しくても、道筋が示されれば、優先順位の高い要件から「合理的配慮」の範囲内で少しずつ実装してくれるかもしれない。企業全体としてその気はなくても、内部の人がやる気を出して可能な範囲で少しずつ改善してくれるかもしれないし、あるいは、ガイドラインによる客観的な評価をもって、上を説得するようになるかもしれない。後半は希望的観測もありますが、ガイドラインのあり方は、ウェブアクセシビリティガイドラインで知られるW3CのWCAG2.0( = JIS X8341-3:2010)はロールモデルになるものだと思います。

 利用者に接してサービスを提供する図書館は、障害者のニーズをくみ上げて出版社やベンダーに「アクセシブルな電子書籍」とは何かを伝えることができるし、その役割を果たすことでアクセシブルな電子書籍の普及に貢献することができるはずです。

 要件を整理してガイドラインを作成するということは、関係者間で「アクセシブルな電子書籍」の認識を一致させる必要がまずはあり、相当大変なことだ思いますが、それは必要な調整ではないかととも思います。

 私が図書館側の人間なので、今回は「図書館」を中心に述べてきましたが、視覚障害者情報提供施設(いわゆる、点字図書館)に置き換えても同じことが言えるはずです。立場としては図書館と点字図書館は同じであるはずですので、連携して取り組めればよいかもしれません。米国のEPUB 3 Implementation Projectが出版社、リーディングシステム開発者、コンテンツ販売者、サービスプロバイダ、そして、アクセシビリティ関係のコミュニティが集まって要件を整理したように、日本でももっと広いくくりで領域をまたいでこういうものが作れると本当はもっとよいのでしょうか。

関連エントリ

3月 27

メタデータを電子書籍のアクセシビリティの議論の俎上にそろそろのせませんか

  2月19日に近畿視情協主催で「どうなる! 電子書籍のアクセシビリティ ~ だれにも使える「本」の実現をめざして」というイベントがありました。そこで登壇された大阪府立中央図書館の杉田正幸さんが、視覚障害者にとってもっとも使いやすい電子書籍書店は現状ではアマゾンのKindleストアではないかという話をされていました。
 

 しかし、そのアマゾンをして、合成音声による読み上げが可能かどうかの情報をきちんと提供できておらず、購入してダウンロードするまでは合成音声で読み上げできているのかわからないという状態が続いています。

 米国のAmazon.comは以下のようにきちんとメタデータとして提供しているのですが、
米国Amazon.comのメタデータにはText-to-Speechという項目がある。この写真ではその項目にEnabled(有効)という値が入っている
Amazon.com : Dead Wake: The Last Crossing of the Lusitania [Kindle Edition]

 
 日本のアマゾンは、以下のようになっており、メタデータとして提供していません。

日本のAmazon.co.jpには、米国Amazon.comのメタデータにあったText-to-Speech欄がない
マイクロフォーサーズレンズ FANBOOK [Kindle版] : Amazon.co.jp

 では、どこで合成音声に対応しているかを確認できるのかというと、画面上部の表紙画像が掲載されているところの
画面上部の表紙画像が掲載されている周辺に米印で次の文言が掲載されている。

以下の文言で判断するしかありません。

※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

 

 コミックに至っては上の文言すらなく、コミックは画像を用いた固定レイアウトなんだということを知らなければ、購入するタイミングで合成音声で読み上げることができるかどうかも判断することができません。

 なお、余談ながら、Amazon.co.jpでも洋書については米国のAmazon.comのメタデータをそのまま流用しているからなのか、合成音声の対応についてきちんとメタデータが提供されています、
Amazon.co.jpの洋書にはtext-to-Speech(テキスト読み上げ機能)欄がある
Amazon.co.jp: Dead Wake: The Last Crossing of the Lusitania 電子書籍: Erik Larson: Kindleストア

 ここでは、視覚障害者が比較的使いやすいとされるAmazon.co.jpのことばかり書いてしまいましたが、iBooksストア、google Play、楽天kobo、紀伊国屋書店などの他の電子書籍ストアでも状況は変わらず(あるいはもっとひどい)、この種のメタデータは提供されていません。

 電子書籍サービスを視覚障害者の方が利用するようになってきており、アクセシビリティに関するメタデータの提供は、未来の課題ではなく、現在進行形の問題だと思います。電子書籍ストアにはなるべく早く提供するようにして欲しいところです。

 また、ここでは合成音声による読み上げに関するメタデータを問題にしましたが、メタデータとして提供するべき語彙は他にもいろいろとあるはずです。電子書籍のアクセシビリティについての議論はいろいろなところでされているようですが、国内でアクセシビリティの観点からメタデータについて議論されていることをあまり聞いたことがありません。アクセシビリティについてどのような情報をメタデータとして提供するべきかという議論をそろそろ日本でも行うべきではないでしょうか。電子書籍そのものに格納されるメタデータと、電子書籍ストアのウェブサイトで提供されるべきメタデータ、それぞれについて。

関連エントリ

3月 23

全国高等教育障害学生支援協議会 第1回大会(2015年6月19日〜20日)

  一般社団法人全国高等教育障害学生支援協議会の第1回大会が以下の日程で開催されるそうです。

日時:2015年6月19日〜20日
会場:東京大学先端科学技術研究センター(東京都目黒区駒場4-6-1)

 
 全国高等教育障害学生支援協議会は高等教育機関における障害学生支援に関する相互の連携・協力体制を確保を目的とした団体で、42の大学が発起校として名を連ねています。2014年10月に設立とのこと(定款の施行は2015年1月なので、一般社団法人としては、2015年1月からなのかもしれない)。

 この協議会の設立までの流れとしては、先のエントリでも紹介した障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告書(第一次まとめ)が2012年12月に出されたの受けて、「高等教育機関における障害学生支援に関する全国協議会(仮称)」設立準備大会が2013年10月に開催、そして、一般社団法人として全国高等教育障害学生支援協議会が2014年10月に設立というもののようです。URLに”ahead-japan”とあるように、米国のAHEAD(Association on Higher Education and Disability)をモデルにしているようです。

※2015年4月2日追記 プログラムが公開され、参加申し込みできるようになりました。

プログラム

第1回大会・1日目(プレカンファレンス) 2015年6月19日(金)

時:2015年6月19日(金)10:30~17:30(その後19:30まで情報交換会/レセプション) ※9:30より受付
場所:東京大学先端科学技術研究センター(東京都目黒区駒場4-6-1) → アクセスマップ

プログラム
10:30-12:45(3号館南棟ENEOSホール)
セミナー「差別解消法と合理的配慮の提供に向けた体制整備に必要なこと」
・国公立大学における対応要領の作成
・私立大学における体制整備
※途中15分の休憩を挟みます
12:45-14:00 昼食休憩
14:00-17:00(3号館南棟ENEOSホール)
法人分科会「学内体制整備における問題点の共有」
・国公立大学等分科会
・私立大学等分科会
※途中30分の休憩/コーヒーブレイクを挟みます
17:00-17:30 休憩・移動
17:30-19:30(AN棟1階)
情報交換会/レセプション

第1回大会・2日目(メインカンファレンス) 2015年6月20日(土)

日時:2015年6月20日(土)09:00~17:30 ※8:00より受付
場所:東京大学先端科学技術研究センター(東京都目黒区駒場4-6-1) → アクセスマップ

プログラム
09:00-09:40(3号館南棟ENEOSホール)
初回大会開催挨拶
全国協議会の現状説明と今後
09:40-10:00 休憩・準備
10:00-11:30(3号館南棟ENEOSホール)
基調講演
ピーター・ブランク教授(シラキュース大学)
「米国の障害学生支援の制度と課題」(仮) Peter Blank 教授
11:30-13:00 昼食休憩
12:00- (4号館2階講堂)
ポスター会場での掲示開始(実践発表・研究発表)
13:00-14:30(3号館南棟ENEOSホール)
情報共有セッション「差別解消法,合理的配慮の現状と今後」
座長:事務局司会
・文部科学省高等教育局
・内閣府
・厚生労働省障害者雇用対策課
14:30-15:00 休憩・移動
15:00-17:00(4号館2階講堂)
ポスター発表・情報交換セッション
17:00-17:30(4号館2階講堂)
クロージング・閉会

3月 23

『アジ研ワールド・トレンド』2015年4月号の特集が「図書館と障害者サービス—情報アクセシビリティの向上—」

 『アジ研ワールド・トレンド』が2015年4月号で「図書館と障害者サービス—情報アクセシビリティの向上—」という特集を組んでいます。

 特集記事は以下の通りですが、各国事情で取り上げられている国は日本語ではなかなか紹介されない国ばかり。スーダンや南アフリカ共和国の障害者サービス事情が日本語で読めるというのは、本当に凄いことです。

特集 : 図書館と障害者サービス—情報アクセシビリティの向上—
特集にあたって / 澤田裕子
【国際動向】
国連のアクセシビリティ・センター—障害者権利条約とアクセシビリティ— / 森 壮也
国際図書館連盟の障害者の情報アクセスに関する取り組み / 野村美佐子
DAISYとEPUBを活用したインクルーシブな知識アクセスの開発 / 河村 宏
【国内情報】
日本点字図書館の取り組み—アクセシブルな電子書籍の製作と活用— / 天野繁隆
障害者サービスと著作権との関係 / 南 亮一
公共図書館の障害者サービスの現状 / 松延秀一
【各国事情】
日本点字図書館の国際協力事業 / 田中徹二
韓国—国立障害者図書館と障害者サービス— / 崔 善植
中国—8296万人の多様なニーズ— / 小林昌之
シンガポール—国立図書館と盲協会図書館の取り組み— / エイドリアン・ヤプイーミアン
コラム:マレーシア—ささやかな体験への追想— / 東川 繁
バングラデシュ—政府とNGO の取り組み— / 金澤真実
コラム:インド—デリー大学点字図書館を見学して— / 坂井華奈子
アラブ地域—視覚障害者をとりまく現状と課題— / モハメド・オマル・アブディン、福地健太郎
スーダン—視覚障害者の教育分野を中心に— / モハメド・オマル・アブディン、福地健太郎
南アフリカ共和国—点字図書館と地域に根ざした情報センター— / 鷺谷大輔
コラム:ブラジル—大学主導の障害者向けオンライン資料提供サービス— / 則竹理人

 刊行後2カ月を経過したものはPDFで全文公開されているとこのことですので、しばらくしたらウェブ上で全文公開されると思います。PDF版はスクリーンリーダーであまり読みやすいとも言えないとも聞いています。少なくとも段組されたレイアウトだとかなり厳しいと思われますので、せめてこの号の特集だけでもテキスト版も公開されるとよいのですが。

 『アジ研ワールド・トレンド』では、年1回、アジア経済研究所図書館が特集を担当しています。以前は3月号あたりを担当していたのですが、最近は4月号を担当しているようです。過去6年の特集は以下の通りです.

 マレーシアやブラジルの機関リポジトリについて日本語で知ることができるのは、この雑誌ぐらいではないでしょうか。本当に貴重な雑誌です。

2月 16

MyBook ⅢがEPUB3に対応していた

 様々なデジタルコンテンツをPC-Talkerというスクリーンリーダーで閲覧することができるバリアフリー読書ソフトMyBook Ⅲ(MyBook 3)が、いつの間にかEPUB3に対応していたという話。

 このソフトウェアを一言で説明するのはなかかな難しいので、上の高知システムのサイトをご覧いただければと思いますが、スクリーンリーダーでの利用に対応したデジタルコンテンツの閲覧ソフトウェアです。UIもスクリーンリーダーのユーザーが利用しやすいように設計されています。対応する形式は、DAISYやEPUB、PDFだけではなく、Word、Excel、PowerPoint、点字ファイルなど非常に多岐にわたります。また、サピエ図書館国立国会図書館のDAISY配信サービスに対応しており、これらのサービスをソフトウェアから直接利用(検索・ダウンロード・再生)できるようになっています。スクリーンリーダーのユーザーが様々なデジタルコンテンツを読むにあたって、なるべくMyBook Ⅲの中で操作が完結するように、あるいは起点になるように設計されています。日本語のWindows環境で最もよく使用されている(と思われる)スクリーンリーダー PC-Talkerに対応するこのソフトウェアでEPUB 3に読めることは大きいと思います。MyBook Ⅲというバージョンがどこまで利用されているかはわかりませんが、MyBookはスクリーンリーダーを用いる視覚障害者がWindows環境でよく利用していると聞いています。

 メニューに「EPUB」という項目があるので、EPUBに対応しているということは知っていたのですが、上記の高知システムのHPでは、EPUB 3と明記されていなかったので、EPUB2にのみ対応しているのかと思っていました。 @SGTMSYK さんによると、マニュアルにはきちんと対応が明記されているとのことで、「ええぇ、まじですかー」と思い、確認してみると、以下のように明記されていました。

EPUBファイルは、国際的な電子書籍フォーマットであり、特に英語圏では電子書籍の標準規格として扱われています。
主に、文庫や漫画、雑誌と言った、一般的な書籍がEPUBファイル化されています。
日本では、今後の普及が予測されそうです。

マイブックは、次のバージョンのEPUBファイルが読み込めます。
 EPUBバージョン 2.0
 EPUBバージョン 3.0

補足1.
文庫の場合、その殆どがテキストをベースに作成されていますので音声読み上げによる読書には適しています。
しかし、漫画や雑誌のように画像で文書化されているものに対しては、音声読み上げによる読書ができませんので、ご注意願います。

 EPUB3で作成されたファイルをいくつか読み込んでみましたが、こんな感じでした。

  • rubyタグの対応について。たとえば、<ruby>私<rp>(</rp><rt>わちき</rt><rp>)</rp></ruby> となっていても「私(わちき)」と表示されてしまい、ルビ表示はされません。しかし、rubyタグの情報は、読み上げには活用されるので、きちんと「わちき」と読み上げてくれる(スクリーンリーダーのPC-Talker側の対応かもしれませんが)。
  • 縦書きには未対応。
  • Media Overlaysにも未対応なので、音声のみのEPUBやマルチメディアDAISY的なEPUBの再生はできない。

 スクリーンリーダーの利用に焦点をあてたソフトウェアと考えれば、縦書きには未対応であることやルビ表示がされないことは、あまり問題ではないかもしれません。Media Overlaysにまだ対応していないのは残念ですが、rubyタグを読み上げに活用できるのであれば、テキストDAISY的なEPUBを読むには、スクリーンリーダーを利用する視覚障害者にとって利用しやすいソフトウェアかもしれません。

2月 06

DAISYオンライン配信プロトコル ver2.0の草案がパブリックレビュー開始

 DAISYコンソーシアムがDAISYオンライン配信プロトコルver2.0の草案についてついてパブリックレビューをしています。

 現行のDAISYオンライン配信プロトコル 1.0とどこが違うのかというところが一番気になるところですが、それを説明する文書が見つかりませんので、今回はこれくらいで。

参考

1月 23

DAISY Pipeline 2 ver.1.9公開。EPUB3からDAISY2.02への変換機能を実験的に実装

  DAISY Pipeline 2 ver.1.9が公開されました。

 追加された主な機能は以下の通りで、EPUB3からDAISY2.02への変換機能が実験的に実装されました。数の増えてきたEPUB3コンテンツをDAISY環境で利用することを実現するこの機能は、EPUB3の閲覧環境がDAISYユーザーが整備されるまでの繋ぎとして、非常に重要な機能だと思います。

* a new command line tool, with native executables
* new schema-based DAISY 2.02 validation script
* new DTBook to ODT script
* new EPUB 3 to DAISY 2.02 script (experimental)
* TTS-narration support in DTBook to EPUB 3
* audio-only DAISY 2.02 to EPUB 3 conversion aligned with the TIES guidelines
* and many other bug fixes and improvements

 というわけで、早速試してみました。今回ためしたのは、WebUI版ですが、コマンドラインでも利用することができます。

DAISY Pipeline 2
DAISY Pipeline 2 のWeb UI画面。字が小さくて見づらいがScript欄に”EPUB3 to DAISY 2.02″が表示されている。

 とりあえず以下で公開されているEPUBでDAISY2.02の変換を試みてました。

結果は・・こんな画面が表示されて2つともとりあえず成功です。パチパチパチ。
Successと変換成功を知らせる画面

 しかし、残念ながら、どちらもDAISY2.02の再生ソフトで開けない。具体的にいえば、AMIS 3.13Voice of DAISYで開けない。
 
 まだまだ課題は多そうですが、実験的に実装されたことを考えれば、現時点では暖かい目で見守るべきところでしょうか。今後、どんどん改善されていくでしょうから。

 EPUB3コンテンツの提供者が、DAISY2.02も同時に提供できるようになる日もそう遠くなさそうですね。

1月 21

研究集会 「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」(2/7-2/8)

研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」と日本点字図書館とNPO法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットによるワークショップ「「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty」」が2月7日、8日と開催されます。

概要

日本学術振興会 平成26年度科学研究費補助金等による研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」
および日本点字図書館とNPO法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットによるワークショップ
「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty3 開発の現状と今後の展望」
「ChattyInfty3 によるマルチメディアDAISYコンテンツ制作体験講習会」

開催日:平成27年2月7日(土),8日(日)
会場:日本大学理工学部駿河台校舎5号館2階(東京,お茶の水)

 プログラムの詳細、参加申し込み方法等は以下をご覧ください。
URL http://www.sciaccess.net/jp/workshops/

プログラム(予定)

〔研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ」〕

平成27年2月7日(土) (13:00 受付開始)

13:20 開会
13:30 – 14:00 「マルチプラットフォーム数式処理アプリの作成について」
藤本 光史(福岡教育大)

14:00 – 14:30 「数式の検索と理解を支援するためのテキスト処理技術」
○相澤 彰子(国立情報学研,東京大),大橋 駿介,服部 一浩,Giovanni Yoko Kristianto (東京大),Goran Topić(国立情報学研)

14:30 – 15:00 「ボイス オブ デイジーによるデイジー教科書の利用と課題」
工藤 智行(有限会社サイパック)

15:00 – 15:30 「クラウドソーシングとオープン・コミュニティを活用したテキストDAISY製作の取り組み」
澤村 潤一郎(日本点字図書館)

15:30 – 16:00 休憩

16:00 – 16:30 「視覚障碍者の触図作成時における入力方法と触図提示方法について」
○出町 駿明(富山県立大大学院),守井 清吾(富山大),髙木 昇(富山県立大)

16:30 -17:00 「触知グラフ作成Webアプリケーションの開発」
○荒木 康輔,山口 俊光(新潟大),南谷 和範(大学入試センター),渡辺 哲也(新潟大)

17:00 – 17:30 「視覚障害者の学習支援:描画ソフト『橋立』の開発報告」
DSSP(障害学生学習支援プロジェクト):石川 健司,薄倉 淳子,加納 仁司,○鈴木 公,諏訪 美佐子,樋川 恭平,松村 想子,宮川 貴彦,八木 稔,山廣 真之

18:00 懇親会

平成27年2月8日(日)

10:00 – 10:30 「見えない2次元コードを利用した音声付教科書の普及に向けた取り組み」
○藤芳 明生(茨城大),大澤 彰子,藤芳 衛(テストのユニバーサルデザイン研)

10:30 – 11:00 「点字情報を含むマルチメディアDAISYコンテンツの実現に向けた取り組み」
澤村 潤一郎(日本点字図書館),鈴木 義則(ケージーエス株),鈴木 昌和(サイエンス・アクセシビリティ・ネット),山口 雄仁(日本大),金堀 利洋(筑波技術大)

11:00 – 11:30 「新しいコンセプトによるマルチメディアDAISYプレイヤーの紹介」
○鈴木 昌和(九州先端科学技術研,サイエンス・アクセシビリティ・ネット),山口 雄仁(日本大)

11:30 研究集会まとめ

〔ワークショップ「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty」〕

平成27年2月8日(日) (12:30 受け付け開始)

13:00~14:00 「マルチメディアDAISYコンテンツ制作システム ChattyInfty 開発の現状と今後の展望」
鈴木 昌和(サイエンス・アクセシビリティ・ネット),澤村 潤一郎(日本点字図書館)

14:00~14:30 休憩

14:30~17:00 「ChattyInfty によるマルチメディアDAISYコンテンツ制作体験」
サイエンス・アクセシビリティ・ネット,日本点字図書館

1月 21

「京都市内の大学における点字図書について」京都大学点訳サークル2011 年京都大学 11 月祭個人研究

 京都大学点訳サークルが京都大学の学園祭11月祭で毎年、研究発表をしているそうですが、2011年度に京都市内の大学における点字図書の蔵書について調査し、発表したものが公開されていました。

 他の発表も以下に公開されています。

 この点訳サークルの11月祭での発表は1970年代から行われていたそうなので、上で公開されているものはそのごく一部なのでしょうね。

1月 12

数式を含む理数系のDAISY, EPUB3製作に焦点を当てたChattyInfty3

 数式を含む理数系のDAISY, EPUB3製作に焦点を当てたChattyInfty3というアプリケーション。LaTeX 文書の編集、PDF ファイル出力、MathML などによるWeb教材作成など、数式などを含む理数系の教材の製作に焦点が置かれて開発されているようです。

 鈴木昌和先生のInfty Projectプロジェクトの一環として製作されたもので、他にも日英混在文や数式を含む科学技術分野の文献を対象としたOCRソフトなども開発されているようです。

 ChattyInftyについては以下もご参照ください。

 その他、鈴木昌和先生のお名前でCiniiを検索すると、数学文書点訳について、日本語分かち書き仮名変換処理、文書構造処理、表の自動点訳などおもしろそうな論文がぞろぞろ(一通りざっと読んでみましたが、さすがにちょっと私にはハードルが高かった・・・)

 研究集会「科学情報の電子化・自動処理,およびそのアクセシビリティ― デジタル教科書のアクセシビリティ」が今年も2月に東京で開催されることになっていて、私も参加する予定なのですが、そこで鈴木昌和先生と山口雄仁先生のお話が聞けることが楽しみだったりします。

参考(昨年の上の研究集会の案内)