EBSCO がアクセシビリティでとても頑張っている(らしい)

 EBSCO が、アクセシビリティにについてとても頑張っているようです。

上のサイトで紹介されている取り組みを列記するだけでも以下のとおり。いずれも重要なことなのですが、商業ベースで代替テキストの提供までやっているのは、プラットフォームレベルではかなり珍しいのではないか。どこまでやれているのだろうか。学術文献なので、大変ですが、ガイドラインのようなものがあるのでしょうか。

  1. Text-to-Speech: Text-to-speech functionality on HTML full-text articles
  2. Transcripts: Transcripts for videos and audiobooks
  3. Alternate Text :Descriptive page titles and alternate text for meaningful images
  4. ARIA Landmarks: ARIA landmarks to assist users with screen readers
  5. Access Keys:Access keys for keyboard-only navigation
  6. EPUB & DRM-free eBooks: Many titles available DRM-free and in EPUB forma

 54の電子書籍プラットフォームの中でアクセシビリティについてもっとも評価されたプラットフォームらしい。上のとおりなら、それもうなずける。

 EBSCO のブログでも取り組みの近況が確認できます。

20言語のPDF、EPUB、DASIY等を読み上げ可能なiOSアプリ、Voice Dream Reader

 PDFやEPUB、DASIYなどの読み上げに対応している多言語読み上げソフト、iOSアプリのVoice Dream Readerです。

Voice Dream Reader – Text to Speech

Voice Dream
http://www.voicedream.com/
もしかしてすごいアプリでは。

言語/音声

 日本語を含む20言語のコンテンツについて計78音声(日本語は3音声)による読み上げが可能。
 ※各種音声はアドオンとして購入

対応ファイル形式
  • PDF
  • EPUB(EPUB3も一応対応)
  • DAISY
  • Plain Text、
  • Rich Text Format (RTF)
  • Microsoft Word
  • Microsoft PowerPoint
  • Apple Pages
  • Apple Keynote
  • HTML
アクセシビリティ対応
  • 細かな再生制御機能
  • 読み上げ箇所及びそのセンテンスをそれぞれ異なる色でハイライト表示
  • ディスレクシアフレンドリーなオープンソースフォントOpenDyslexiaも利用可能
  • フォントの拡大縮小
  • フォント、背景色、ハイライトの色の変更
  • など

その他
  • 読み上げ辞書の作成
  • Dropbox、Google Drive、Evernote、Instapaperとの連携

 EPUBに対応したDAISYリーダーについては以下のようなエントリを書いたことがありましたが、これを書いた時点では完全に見落としていました。ありゃりゃりゃ・・・

関連エントリ

EPUB 3とDAISY 4の関係
DAISYからEPUB 3に変換する
DAISY再生ソフト・機器のEPUB対応

PDFのリフロー表示

 PDFは固定レイアウトの印象が強いフォーマットですが、テキスト情報を持っていれば、リフロー表示に切り替えることができるPDFリーダーもあります。代表的なものはAdobeが出しているAcrobatシリーズでしょうか。
  例えば、内閣府が公開している『平成24年版障害者白書』のPDF版をAcrobat Readerで開いてみます。
『平成24年版障害者白書』
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h24hakusho/zenbun/pdf/index.html
  とくに設定をせずにPDFを開くと、レイアウトが固定された状態で表示されます。
固定レイアウト時の平成24年版障害者白書。2段レイアウト。
 固定レイアウトですので、ウィンドの大きさを変更すれば、レイアウトを保持しつつ、文字も縮小されます。
 これをリフロー表示します。
 Mac版Acrobat Reader XI であれば、「表示」>「ズーム」>「折り返し」で「折り返し」を選択してください。
Mac版Acrobat Reader XI であれば、「表示」>「ズーム」>「折り返し」で「折り返し」を選択
 
 
  「折り返し」を選択すると、表示がリフロー型に変更されます。
リフロー型表示に変更された平成24年版障害者白書。1段レイアウトに変更されている
 
 ウィンドウのサイズを変更しても、フォントのサイズを維持したまま、テキストはウィンドウの幅に合わせて改行されます。
ウィンドウの幅に合わせて改行されたテキスト
 
 
 フォントを拡大してもこの通りウィンドウの幅に合わせて改行されます。
フォントを拡大しても文字数はかわっても幅は変わらない
 
 Acrobat Readerのリフロー型への切り替え機能は、内部的には一時的にタグを付与することで実現されているそうです。プログラムが判別して機械的にタグを付与しますので、文章や図が正しい順序で表示されるとは限りませんが、あらかじめ作成者がタグをPDFにふっている場合(つまり、タグ付きPDFの場合)、作成者が意図とした通りの正しい順序でリフロー表示されます。

 リフロー表示機能を実装しているPDFリーダーはあまり多くないようですが、願わくばモバイル端末用のPDFリーダーではぜひ実装していただきたいものです。あと、6インチサイズの電子書籍端末とか(ブツブツブツ・・・・