検索エンジンは、今更いわずもがなな感じがしますので、ここではOPDS(Open Publication Distribution System)について書きます。
「リーチ(検索)」と書きましたが、つまり、如何にユーザーに「発見」されるかということです。OPDSは簡単にいえば、オープンな出版物のメタデータ配信技術、もしくはオープンな出版物のメタデータ公開技術というべきもので、普及すれば、以下の図のようなことが実現すると思われます。
リーチとは直接、関係はないのですが、OPDSはせっかくWeb上でメタデータを公開することを前提としていますので、Linked Open Dataを絡ませてみたら非常に面白いのではないかと思います。しかし、とはいってもOPDSはAtomがベースとなっているフォーマットです。リソースに対する識別子があり、Linked Opend Dataに配慮された語彙を借用するならばどうであろうか。そもそもRDF形式でなくてもならないのでしょうか。可能なのでしょうか。
課金レイヤーは、オープンな技術や仕様等々の話は無縁かなぁと思っていたのですが、昨年にはW3CにはWeb上の決済の標準化を検討するCommutiy Groupが立ち上がったそうです。オープンで安全なマイクロペイメントのWeb標準を志向しているそうで、仕様化されるかどうかはわかりませんが、そこで行われる議論だけでも価値は十分あります。
・Webでの課金の仕様を検討するW3CのWeb Payments Community Group
Web Payment Community GroupはオープンなWeb上の課金の仕様化を検討するCommunity Groupです。W3CにCommunity Groupという新しい検討体が導入された時期に立ち上げられています。
このCommunity Groupが目指すところはCommunity Groupの仕様草案の冒頭で述べているように
The PaySwarm Web platform is an open web standard that enables Web browsers and Web devices to perform Universal Web Payment. PaySwarm enables the people that create digital content such as blog posts, music, film, episodic content, photos, virtual goods, and documents to distribute their creations through their website and receive payment directly from their fans and customers.
from “PaySwarm 1.0 – Web API“
PayPalでできるようなことを巨大なプラットフォームに依存せずにオープンかつ分散型システムで実現しよう、そんなことを目標としている感じがします。
ところで、仕様等でPaySwarmという言葉が散見されますが、すいません(汗)、なぜPaySwarmというのかはよくわかりませんでした・・・。
しかし、W3CのCommunity Groupとして検討される前からPaySwarmという形でWeb課金の検討が行われていたようです。Web Payments Community GroupはこのPaySwarmでの検討がベースとなっている、というよりPaySwarmでの検討がWeb Payments Community Groupに引き継がれたと考えてよいのではないかと思います。
以下はPaySwarmを紹介する動画ですが、Web Payments Community Groupの目指すところと共通しているようでもありますし、他の動画を比較してもわかりやすいと思われましたので掲載します。
3. 仕様草案
W3C非公式な仕様草案としてWeb Payment Community Groupからすでに”PaySwarm 1.0 – Web API“が公開されています。
・PaySwarm 1.0 – Web API
あくまでCommunity Groupの草案ですので、次の段階のW3CのWorking Groupの検討の対象になるかどうかは現時点ではわかりません。わかりませんが、Web標準で「課金」を実現するためには何が必要なのかという議論そのものに意義があるように思いますし、意義云々以前に面白いですよね。
といいつつも・・・
実は仕様書をまだ読み込んでいません(読んでもよくわかりません)。しかし、メタデータの交換にRDFaが利用されているようで、ライブラリアンとして、その点は興味深いので、もう少し深く追ってみたいところです。ちなみにWeb Payments Community GroupのManu Sporny(@manusporny)氏はRDF/RDFaの人でもありますので、LinkedDataなどのコミュニティと縁が深い仕様かもしれません。